俳優の西島秀俊が主演を務めるテレビ朝日のスペシャルドラマ『黄金の刻~服部金太郎物語~』(30日21:00~)の記者会見が、某日に同局本社で行われ、西島と水上恒司が登壇。互いの印象を語った。

  • 左から西島秀俊、水上恒司

■西島秀俊&水上恒司は似ている?

日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売した「セイコーグループ」の創業者で今作の主人公・服部金太郎の壮年期と青年期を演じた二人。司会者から似ていると言われると、西島は「ありがとうございます、こんな男前と……」と改めて水上を眺め、「眉毛がボサボサなところが似ていると思います」と似ているポイントを挙げる。水上は「彫りが深いというか、横を向いたときに鼻の頭が二人とも視界に入るんですよ。そこが似ている」と鼻の頭を指さして説明した。

見どころを聞かれると、西島は「豪華な共演者の皆さんが情熱を込めて演じてらっしゃるのですが、金太郎のライバルだった人たちがどんどん味方になって、幾多の困難を乗り越えながら皆で日本の技術を上げていったという、群像劇が見どころ」と語り、水上は「“刻”というスケールの大きなものに着眼点を置いたところが好き。服部さんが魅了されていった“刻”のようなものが令和の世に何かあるかなと考えてみたけど、出てこない」と“刻”に着目した服部にリスペクトを込める。

■西島秀俊、水上恒司に持ち上げられ「やめなさい!(笑)」

西島はヒゲもつけ、より本人にビジュアルを近づけた。水上は、「まだまだ僕のレベルというか、至らない部分が多いということで言うと、実在した方に寄せていくという作業はかなり難しい。声の音色や姿かたち、癖、所作を寄せていく余裕が自分の中にないので、水上がこの役を演じるにあたって、水上の持ち味を使わざるを得ないというか」と、実在の人物を演じる苦労を語ったあと、「でも、それが西島さんのレベルになると……」と西島を持ち上げ、すぐさま「やめなさい!(笑)」とツッコまれてしまう。

同じ役を演じた水上について西島は「青年期の、魅了されたものにまっすぐに向かっていくエネルギーと純粋さは、水上くんが演じているから、あれだけ素晴らしかったと思うので、本人のなかにそういうものがあって、金太郎自身とリンクしているなと思って見てました」と感想を語った。水上は、今回は同じ人物を演じたため、一緒にお芝居ができていないことから「今度は、西島さんとがっつり共演したい」と話すが、「敵対する役とかで」と意外な希望を述べ、西島は「味方でいいでしょ! また会えないかもしれないよ!(笑)」と思わず笑っていた。

  • 西島秀俊

  • 水上恒司

■西島秀俊&水上恒司、互いの印象語る

3年ほど前の共演でも一緒になったのは数シーンだったため、水上は「3~4年前に共演した日から、まさか僕のことをちゃんと覚えててくれてるとは。がっつり共演ではなかったので、覚えてらっしゃるかなと思っていたら、『あっ!』と言ってくださってうれしかったです」とニッコリ。西島はそんな水上について「僕の勝手なイメージですけど、不器用なタイプの俳優さんだと思っていて、自分のやりたいことが明確に見えていて、そこに純粋に向かっていける人で、器用にできる人じゃないと思っていて、僕はそういうタイプだし、好きだし、個人的にずっと気になって見てますし、これからも応援したいなと。自分の道を進んで、ゆっくりといい作品を重ねて成功してもらいたいなという俳優さんです」

現場で話したことについて水上は「僕も西島さんの年になったときに、後輩にそういう姿勢でいたいなと思いますし、僕がアクションを起こしたことと、西島さんが昔、色々道を切り開かれていたのはわけが違うと思っていまして、僕がこういう経験をしているからこそ、西島さんのすごさがわかるといいますか。僕も西島さんのお話を色々聞きたいなということもありますし、ちゃんと共演して、西島さんが取り組む姿勢を見て、自分のものにしていきたいなと思っています」と語ると、西島は「共演します!」と予告のように宣言した。

  • 西島秀俊

  • 水上恒司

  • 西島秀俊

  • 水上恒司

■3月30日放送『黄金の刻~服部金太郎物語~』

作家・楡周平による小説『黄金の刻 小説 服部金太郎』(集英社刊)を、オシドラサタデー『書けないッ!? ~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(21/テレビ朝日系)、映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(20年)などで知られる豊島圭介氏がドラマ化する今作では、日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売したことで知られる「セイコーグループ」の創業者・服部金太郎の波乱の人生を重厚に描き出す。丁稚奉公から時計修理職人を経て、時計の製造工場「精工舎」を設立し、国産初の腕時計を製造販売。常に時代の先を読み、「義理」「人情」「恩義」を大切にしながら、一歩ずつ己の夢を叶えていった金太郎だが、火災や震災など、数々の困難に襲われ……洋品雑貨問屋の丁稚は、いかにして「東洋の時計王」になったのか。