大阪・万博記念公園で3月2日、3日にかけて開催された西日本最大のスポーツ自転車フェスティバル「CYCLE MODE RIDE OSAKA 2024」(サイクルモード大阪)。

前回の記事では会場の様子とアウトドアスポーツメーカー「シマノ」のブースについて紹介したが、今回は「スポーツe-BIKEエリア」の詳報をお届け!

流行りのクロスやグラベルも! ヤマハ発動機の注目e-BIKE

世界中で熱視線を集めるスポーツタイプ電動アシスト自転車「e-BIKE」。最先端技術が詰まった話題の新バイクが大阪に集結した。

こちらは電動アシスト自転車を世界で初めて商品化したメーカー「ヤマハ発動機」のブース。「今回は、今流行りのクロスタイプのモデルやグラベルタイプのモデルなども打ち出しています」と担当者は言う。

  • 手前はグラベルタイプ「WABASH RT」、奥はクロスタイプ「CROSSCORE RC」

「クロスタイプだと『CROSSCORE RC』というモデルで、グラベルタイプでいうと『WABASH RT』というモデル。このあたりが結構人気のあるタイプですね。マウンテンマイクタイプも2モデル持ってきていて、ひとつはフルサスペンションタイプの『YPJ-MT Pro』というモデルと、もうひとつはハードテイルの『YPJ-XC』というモデル。全部でこの4モデルを展示し、試乗いただいています」

  • マウンテンタイプの「YPJ-MT Pro」

やはりヤマハの注目度は高いようで、ブースには試乗希望者が続々と駆けつけていた。

「来場したお客様の反応は、やはり『グラベルモデルが気になってたから乗ってみた』という方や、『友達が買って、自分も興味を持ったので乗ってみたかった』、『他社の電動自転車を持ってるけど、ヤマハにも乗ってみたかった』という方がいらっしゃいましたね。初めて試乗された方たちからは、やはり『乗りやすかった』という声は多くいただいています」

パナソニックが誇るスタイリッシュなe-BIKE「XEALT」シリーズ

続いては、歴史の長い国内自転車ブランドでもある「パナソニック サイクルテック」のブースへ。今回、展示されているのは、「XEALT」シリーズの「M5」と「S5」、そして「L3」という3種類のe-BIKEだ。

  • マウンテンタイプの「XEALT M5」

「『XEALT M5』は、どちらかというと山に強いモデルで、ハードな環境でも乗れる本格的なアウトドアタイプになります。こちらはベージュカラーですが、カラーオーダーなので、いろんな色からお選びいただけます」(パナソニック サイクルテック担当者)

「『XEALT S5』の方は、どちらかというと少し郊外など、ちょっと遠出するときにお使いいただきやすいタイプのモデル。タイヤがある程度太めの作りになっているので、少し凸凹した道でも安定感のある走りをしてくれます。もちろん都会でも使えるので、オールラウンダータイプですね。『XEALT L3』はクロスバイクタイプで、主に都会の舗装路でスピード感を持った走りをお楽しみいただくモデルとなっています」

  • 日常使いしやすい、クロスタイプの「XEALT L3」

e-BIKEは重量のあるバッテリーを積んでいるだけに、試乗コースに出るまでは「重い」と感じる人が多いようだが、ひとたび走り出せば軽快な走りに驚く人が多いという。

「私は『XEALT M5』を日常使いしていますが、すごく乗りやすくて快適ですし、安定感もすごいので、ぜひ一度試し乗りしてみてほしいですね」

AI搭載e-BIKEが登場「BESV」

  • 「BESV」のマウンテンタイプ「TRS1.3」

自転車生産大国・台湾生まれのe-BIKE専業メーカー「BESV」。10年前からサイクルモード大阪にも出展してきたが、当時、e-BIKEを扱っていたのはヤマハ発動機とBESVだけだったそう。まさにe-BIKE界における第一人者的なブランドである。

  • 最新スマートバイク「SMALO」

今回、特に目を引いたのはAI機能を搭載した「SMALO」という新モデルだ。

「この自転車は、IoT機能とAI制御という2つの柱で成り立っています。GPSと4G通信が入っているので、専用アプリと紐付けることで、今自転車がどこにあるかもわかりますし、目的地を設定すれば、そこまでバッテリーが持つかどうかも判断できます」(BESV担当者)

セキュリティ面も万全で、「防犯機能」をオンにすれば、自転車を動かそうとする動作が加わった瞬間にアラームが作動。スマホアプリにも通知が飛び、アプリから停止ボタンを押すまでアラームは鳴り続けるという。また、アプリで鍵の開け閉めができる「E-Lock」機能も搭載するなど、利便性にも優れている。

現時点での“e-BIKEの最高到達点”と言っても過言ではない、AI搭載のスマートバイク「SMALO」。もしどこかでチャンスがあれば、ぜひ一度触れてみてほしい。

カスタムが魅力のカーゴタイプe-BIKE「Tern」

最後は、アメリカの「Tern」。フォールディングバイク(折りたたみ自転車)の老舗ブランド「DAHON」から2011年に独立した比較的新しいブランドで、スタイリッシュなデザインとカスタム性の高い人気を集める。

  • カーゴバイクタイプのe-BIKE「HSD」

「e-BIKEはフォールディングバイクではないのですが、こちらは『hsd』というカーゴバイクタイプのe-BIKEになります。どちらかというと荷物をたくさん乗せたり、カスタムしてワンちゃんを乗せたり、外付けのパーツを組み合わせてもらうことで、いろんな楽しみかたをしていただけます。小さなテントを乗せてソロキャンプにいくなど、アウトドア遊びにもおすすめです」(Tern担当者)

  • セミフォールドモデルの「VEKTRON S10」

他にも、「HSD」より買い求めやすい「Quick Haul D8」や、スポーツタイプでハンドル部分が折り畳めるセミフォールドモデルの「Vektron S10」などもブースに並んでいた。

機能性は向上し、多様化も進むe-BIKE事情。今後どのような進化を辿っていくのか、ますます目が離せなくなりそうだ。