• 『Colorful Weekend』キャンペーンビジュアル (C)日テレ

フラッグシップとなる2つの特番に加え、『Oha!4 NEWS LIVE』『ZIP!』『DayDay.』『ヒルナンデス!』『news every.』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』『news zero』『ズームイン!!サタデー』『Going! Sports&News』『シューイチ』『サンデーPUSHスポーツ』『真相報道バンキシャ!』という12のレギュラー番組が参加する。それぞれの番組は、どのようにテーマを落とし込んでいったのか。

「提案するにあたって、プロジェクトメンバーでブレストを行い、“多様性”のキーワードを広く出していきました。そこで、『LGBTQ』『障がい』『エスニシティ(民族)』といったわりと想像しやすいものから、家族の形、女性が置かれている社会的なハンディキャップ、貧困、ルッキズム、ボディポジティブ、さらにはメガネや薄毛といったところまで出てきた上で整理して例として示し、参加番組の担当者から番組のテイストに合うテーマを選んだり新たに提案してもらいました」

各番組が選んだテーマは、「LGBTQ」や「障がい」といったイメージされやすいものに偏らず、「結果として幅広く彩りあるラインナップにつながったと思っています」と手応えを感じた。一方で、「絶対に忘れてはいけないのは、 無限にある“多様性”のすべての課題を網羅することはできないため、“私のことは取り上げられなかった”と思ってしまう方をゼロにはできないということ。だからこそ、今後の野望として、このキャンペーンを来年以降も続けることによってカバーする範囲を広げたり、また新しいテーマを発見したりしていければと思っています」と意欲を示した。

“多様”ד統一”をどう成立させるか

テレビ局に限らず、各所で実施されるキャンペーンは、統一のテーマを設け、それに基づいた企画を組織的に展開していくものだが、“多様”と“統一”は相対する位置づけにある言葉だ。それだけに、今回のテーマ設定は一つのチャレンジとも言えるが、どのようにキャンペーンとして成立させようとしているのか。

「コアメッセージを、コピーライターの渡邊千佳さんと一緒に作ったのですが、それが『ちがうって、どきどきするね。』という言葉なんです。このキャンペーンを提案したときに、改めて“多様性のある社会”とは何かを我々も自問自答したのですが、それは、人間は一人ひとりが違うということと、その違った状態が尊重されることが当たり前だということなんだと。なので、この精神に基づいた様々な企画を各番組でやっていくというところに落ち着きました。そこを守って、12の番組と2つの特番の中で、彩りのある3日間になればと思っています」

日テレの従来のキャンペーンは『カラダWEEK』がオレンジ、『グップラ』が水色、さらに言えば『24時間テレビ』が黄色と、1つのイメージカラーを掲げてきたが、今回は色とりどりのタイルが重なって虹をイメージさせるビジュアルを、プロジェクトメンバーである布村順一デザイナーが制作。白川氏は「真ん中が透明になっているのがポイントだと思っていて、ここから何色にでも変われるということを示していると考えています」と解説している。

  • 白川大介氏

●白川大介
1981年、大阪府生まれ。04年に日本テレビ放送網へ入社し、『ザ!鉄腕!DASH!!』『ZIP!』などの番組制作に携わる。17年に報道局へ異動し、社会部記者を経て、報道番組『news zero』でカルチャーを担当。21年には生配信番組『Update the world』を企画し、社会の価値観のアップデートを目指した。現在は報道局プロデューサーとして、『news zero』やカルチャー分野のニュース配信に関わりながら、社長室サステナビリティ推進事務局で多様な人材の活躍と共生に向けての活動を行っている。