仕事が生きがいのアラサー夫婦。だが、せわしない日々にかまけて、食事はファストフードかコンビニ弁当、掃除は暮れと盆の年2回……仕事にまい進するため家事を捨てたわれわれだが、汚い収納ボックス、味気ない食事にさすがにため息がこぼれてくる。

  • 料理も掃除も捨てた限界夫婦が家庭応援サービス『東京かあさん』に助けを求めたら? "あったかい非日常"をみ~つけた

そこで今回は、家庭応援サービス「東京かあさん」を利用。一般的な家事代行サービスとは違うらしいが、一体どんなものなのだろう。実際に体験したので、その様子とあわせて紹介していく。

■「東京かあさん」とは?

「東京かあさん」は、"東京にもう1人のお母さんを"をコンセプトにしたおせっかいな家庭サポートサービス。現在は一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)にて事業を展開している。

  • 東京かあさんのサポート内容 ※公式サイトより引用

同サービスは、熟練主婦・主夫が個人家庭に訪問し、掃除・洗濯・料理などの家事代行のみならず、子育てのヘルプ・ペットケア・収納など多岐にわたるサポートをしてくれる。

これまでの一般的なサービスは、料理のみ、子守りのみとサポート範囲が限られていたり、別ジャンルの依頼には追加料金が発生したりするなど、柔軟性に欠ける部分があったのだとか。

  • 東京かあさんの料金表 ※公式サイトより引用

だがそれをまるっとかなえてくれるのが「東京かあさん」。これまで家庭で培った経験を生かして、その人の対応範囲内であれば一律の料金でサポートしてくれるという。料金は依頼する時間単位によって変動(別途入会金や訪問費が必要となる)。例えば、3時間コースであれば1時間あたり2,750円、4時間以上コースでは1時間あたり2,530円といった設定だ。

■わが家に来てもらったぞ!

今回、筆者は3時間コースを利用。初めての利用ということもあり、担当のおかあさんと一緒にスタッフにも同席してもらった。最初の30分間は自己紹介と家庭状況ヒアリング、残った時間で料理などの依頼に対応してもらう。

筆者の場合は、魔くつと化した衣装ケースの整理整頓と、野菜をたっぷり使った夕飯づくりの2点を依頼した。ちなみにおかあさん選びは、サイトから自身で選択、または家庭の要望にあわせて運営側でセレクトしてもらうといった2通りの方法がある。自分で探す手間すら省きたいわれわれは、セレクトをおまかせした。

  • くしゃっとした笑顔がステキなじゅんこママ

そうしてやってきてくれたのが、くしゃっとした笑顔がステキなじゅんこママ! 2021年から「東京かあさん」で活躍しており、複数の家庭をサポートしてきた経験に加え、整理収納インストラクター・収納マイスターの資格を持つ。もともと保険の販売員だった彼女だが、引退を機にセカンドキャリアとして「東京かあさん」を選んだのだとか。

■ママのライフハックがスゴ過ぎる

まずはクローゼットの整理整頓からお願いした。洗濯したものは、ハンガーのままひっかけるか、ほぼ畳まずにタンスに放り込むだけのなんとも恥ずかしい状況。

  • 本当は見せたくない、きったないわが家のクローゼット。なんでこうなってしまうのだろう…

実家の母親に見せたら卒倒されるような光景だが……「片付けがいがありますね!」と、前向きなママの一言に救われる。はじめに服をたたむのかと思いきや、家にあったいらない紙袋で収納ボックスを作ってくれた。そこにたたんだ衣類を、立ててきれいに収めていく。そうすることで、何がどこにあるかわかりやすくなるという。知らなかったハックによってみるみるキレイに!

  • 紙袋を収納ボックス代わりに活用! 高さなども変えやすいからオススメとのこと!

さらに、自分でできる簡単な洋服のたたみ方や、ゴムが伸びない靴下のまとめ方など、収納のコツをズボラ夫婦に伝授してくれた。

  • ハンガーを2つ使用した洋服のかけ方を教えてくれた

1時間弱で整理・収納を終えると、続いては夕飯づくりへ。すると、じゅんこママのバッグから計量カップなどのお料理セットが登場した。家庭によって調理器具なども異なるため、持ち歩いているとのこと。

細かい指示を出さずとも、テキパキと料理をこなしていく姿に「おぉ~」と感嘆の声がもれる。

■プライベートな相談も…

料理を作ってもらっている間、私たち夫婦は仕事をしつつ、息抜きがてら、じゅんこママとちょっとした世間話を。実は筆者の母親もあと1~2年で仕事を引退する。それもあって、同年代の彼女に「東京かあさん」をセカンドキャリアとして選んだ感想を聞いてみた。

  • 楽しそうに話をしてくれるじゅんこママ

「(前職時代は)時間に追われて、あまり自分を見つめなおすことがなかったんです。でも、東京かあさんを通して、自分でもこういうことができるって、いろんな発見ができたんですね。料理だって、やろうと思えばできるんじゃない、って。なんかそういう発見がいっぱいあって。今は、ワクワクしていますね!」と笑顔を見せる。

東京かあさんを「自分を再発見できる場所」と表現するじゅんこママは、はつらつとしていて、どこかまぶしくさえ感じた。そんな彼女に自身の母親を重ねたのだろうか。"引退後、実母が何をしたいのか聞いてみようかな"と、いつもとは違った感情が筆者の胸にこみあげた。

■"あったかい非日常"を届けてくれた

世間話をひととおり終えた頃には、野菜たっぷりの韓国料理が完成。手際のよさはもちろん、その本格的な味わいに驚いた。さらに、辛いものが好きな夫・苦手な筆者にあわせて、辛み調整用のソースまで作ってくれるうれしい配慮まで。久々の手作り料理に、おなかだけでなく心まで満たされた。

  • さらっと3品も作ってくれた!

じゅんこママたちが帰ったあと、物静かな夫がめずらしく「わずかな時間だったけど、あったかい非日常を届けてもらったね」とはにかんで見せた。キレイな収納棚、おいしい食事、きちんとサービスを提供してもらったが、なんだかせわしない日常で忘れていた"人のぬくもり"を感じられた気がした。

取材協力:東京かあさん