WOWOWが主催する俳優によるコンサート「NIGHT SPECTACLES」シリーズ。今年4月6日と7日に横浜・赤レンガ倉庫で行われる第2弾に出演する、俳優・小林聡美。今回は小林と親交が深い小泉今日子を演出に迎え、彼女が慣れ親しんだ「昭和歌謡」をテーマに、"チャッピー小林と東京ツタンカーメンズ"として出演する。ここでしか見ることができないスペシャルなステージを繰り広げていくという。デビューして42年、自身初となるコンサートを控えた今の心境を聞いた。
――小林さんにとって人生初のコンサートとのことですが、今の正直な気持ちを聞かせてください。
今の心境は……こうして取材を受けることで「本当にやるんだな」っていう気持ちが改めて胸に刻まれています。
――オファーを受けた一番の理由は?
人前で歌ったことはほとんどありませんが、歌自体は好きだったし、想像がつかないからこそ、あまり気負わずに「じゃあ、やってみようかな」と思えました。
――思い切って飛び込んでみよう、と。
大げさに考えないでやってみよおぅか、みたいな。ちょっとアクセントがおかしいくらいに(笑)。
――では、現時点で言える範囲で構いませんので、どんな内容になるのでしょう。
今回は小泉さんにも演出で参加していただいてますし、ライブなので観客のみなさんとのやりとりっていうのもあるかと思うんですけど、基本的には自分自身が「チャッピー小林と東京ツタンカーメンズ」という架空のバンドの世界観を楽しめるようなステージにできたらいいなと。
――具体的なプランやコンセプトはありますか?
なんですかね……具体的というより、とにかく理屈ぬきに楽しい時間、楽しい楽曲で楽しんでいただけたらという感じでしょうか。ま、だからそのへんはズルい感じで、バンドで……みんなで……やります、みたいな(笑)。
――小林さんは自分の"声"についてどう思っていますか。
自分の声って低くって、高い声の人とかいいなと思ったりするんですけど、でも、それはもう授かったものだし、自分が好きにならないで誰が好きになる? という感じで。欲を言えばいろいろありますけど、この人生はこの声なんだなと思って仲良くしていきたいなと思ってます。
――好きな声や憧れる声があれば教えてください。
落ち着いた知的な感じの声には憧れますね。でも、声って骨格にも関係する気がすごくしていて。だからもう(自分は)こういう顔だからこういう声なんだろうなって((笑)。
――人生において、"歌"は聴く人にいろいろな影響を与える存在だと思うのですが、小林さんは歌の持つ魅力についてどう思いますか?
私は音楽ができる人、歌う人もそうだし演奏する人もそうだし、本当に憧れというか。私はなんとなく俳優になって続けてきましたけど、歌で人を力づけたり、慰めたり……それって最高のことだと思うんですよ。それを少しでも体験できるのであれば、最高の宝物になるなって思いますね。
音楽ってその時の気持ちを変えてくれるし、盛り上げてもくれるし、大昔から人間のそばにあったものだと思うし。そういうものに関われるのはありがたいです。
――今回のコンサートでは、チャッピーさんの歌声が多くの人の心を動かしてくれるということですか。
どうでしょう(笑)。でも「楽しい」という気持ちも大きな意味では感動だとしたら、是非楽しんでもらえる会になればいいなと。