映画『サイレントラブ』(公開中)の「JAMNIME FESTIVAL 2024」舞台挨拶が3日にタイ・パラゴン・シネレックス(サイアム・パラゴン内)で行われ、山田涼介、浜辺美波、内田英治監督が登場した。
映画『サイレントラブ』は内田英治監督がオリジナル脚本で描くラブストーリー。主人公の青年・蒼(山田涼介)が心惹かれたのは、目が不自由になり夢が途絶えかけている音大生の少女・美夏(浜辺美波)。ある出来事をきっかけに声を発することをやめた蒼は、「ピアニストになるという君の、美しい夢を叶えたい」願いながら美夏とのかけがえのない時間を過ごしていく。
■山田涼介、浜辺美波、内田英治監督がタイで歓迎を受ける
この度2日4日にタイで開催されるアニメーションを中心としたジャパニーズカルチャーの祭典「JAMNIME FESTIVAL 2024」(ジャムニメ フェスティバル2024)で特別上映され、舞台挨拶を実施。タイでの公開(2月8日)に先駆けて行われるレミアイベントで、現地のファンとの交流し、作品の魅力を国を超えてアピールする。
会場に集まった900人のファンに向けて、山田は「サワディーカップ。タイの皆様にお会いできて嬉しいです。少しの時間ですが楽しみましょう」とタイ語を交えて挨拶。続いて浜辺もタイ語を交え、「サワディーカー。初めてのタイに、『サイレントラブ』で来ました。皆様との楽しい時間を楽しみにしています!」と笑顔で挨拶し、内田は「こんにちは。20回以上来てますが、タイが大好きです。皆様とお話できること楽しみにしています」と語りかけ、観客は盛大な拍手でタイへの来訪を喜んだ。
今回のタイへの訪問について尋ねられると山田は「プライベートや仕事をあわせると7回くらい来ています。すごく好きです」と回答。特に「パッタイが好きです。昨日も食べました」と続けると、観客から喜びの拍手が湧き上がった。浜辺は、タイは今回が初めての訪問となったといい「プーパッポンカリーがとても美味しくて、色々食べたけど一番になりました」と笑顔を零す。先ほどの挨拶で20回以上もタイを訪れていることを明かし会場を驚かせていた監督は、「マーブンクロンセンターのフードコートのタイヌードルがすごく好きで、しょっちゅう行きます」とおススメのお店を発表した。
SNS社会に慣れ始め、情報量の少ない物語を作りたかったという内田監督は、撮影期間について「3年位かかりまして、撮影自体は1カ月半くらいでした」と完成までを振り返る。これまでの恋愛映画との違いを聞かれると、浜辺は「ハンディキャッにより、言葉を使わないで、想う力で繋がっていくのが大きいのではないか。取り繕うことができない中で、ふたりがどうなっていくかが大きいかと思います」とコメント。続けて山田は「セリフがない中で、表情だったり、体の使い方だったりで気持ちを伝えなければならないので、ある種世界中の皆様にも伝わるのではないかと個人的には思っています」と自信を覗かせた。それを受け内田監督は「山田さんと浜辺さんの演技が(普通の映画と)違うと思います」と見どころをアピールした。
続いて、1番好きなシーンを尋ねられると山田は「ポスターにもなっている最後のシーンは綺麗な画で、2人が幸せになる様子が描かれているので好きです」とクライマックスのシーンを挙げる。内田監督は山田に“目の奥10センチで美夏を見てほしい”と指示したそうだが、山田は「セリフがない役ではあったので、表情の管理、体の使い方に気をつけました。最初は目に光がない中で、徐々に目に光が入っていく、宿っていくことの管理が難しかった」と苦労した様子も語った。
浜辺は「久石さんが作ってくださった楽曲があって、それをピアノで演奏するシーン。とても心がこもったシーンでした」と本作の為に久石譲が作曲した『Silent』への想い入れを明かす。「ピアノを弾くのも初めてだったので、手元を見ないで演奏することが難しいのと、山田さんの表情が見れない中で演技するのが難しかったです」と振り返り、内田監督が「最後の倉庫のシーンで山田が浜辺さんの顔を触るシーン、喧嘩の後で。そこが1番好きです」と印象深いシーンを挙げると、映画を見終えたばかりの会場のファンも大きく頷いている様子だった。
自身の演じた役柄について聞かれた山田が「自分が愛した女性のために、自分の人生を犠牲にしても守ることに僕は感動しました」と蒼の愛情の深さについてコメントすると、浜辺は「美夏はとても一途なところがあるなと。ピアニストになることも、蒼のことも、ずっと思いを持ち続けることが素晴らしいと思いました」と2人の純愛に触れる。
現地に集まったファンからの質問コーナーも開催され、山田は「撮影中の楽しかったエピソードは?」という質問に「静かな映画だったので、撮影中は映画の2人のように喋らなかったので、楽しいエピソードはないですね……。今はこうしてお話するようになりましたが」と告白。浜辺は「1番難しかったシーンは?」という質問に「終盤の倉庫のシーン」と回答。「監督は台本を(その場で)変えたりもされるので、朝の3時までかかりました。終わらないかと思いました」と、監督のこだわりが存分に詰まったシーンの撮影裏を説明した。続いて今回が初共演となった山田の印象を聞かれると「テレビで見ていてもキラキラしていると思っていましたが、実際にお会いすると、歩く場所歩く場所に虹がかかっているなと思いました」とその印象を表現し、現地のファンからも納得の拍手が鳴り響いた。
監督へは山田、浜辺とそれぞれ撮影前に初めて会った時の印象についての質問が。山田については「山田さんは初めて会ったときからサイレントな感じで、映画の撮影中も静かでした」と語り役柄にぴったりだったことを明かすも、「(プロモーションで)久しぶりに会ったら、よりかっこよくなっていました」と、ステージ上の山田のオーラに驚きを隠しきれない様子。浜辺についても「イメージしてたより若い感じで、元気な感じでした。初めてあったときは髪が長かったんですよ。でも撮影に入った時は、少し大人になった感じで役に合っていました」と答え、今回の役柄への浜辺の役作りを絶賛した。
イベントの最後に900人で埋まった客席を見渡して感慨深げな表情を浮かべた浜辺は「愛を感じました。また来ます。ありがとうございました」とタイのファンへ向け感謝の言葉を述べる。続く山田も「今日はお会いすることができて嬉しかったです、楽しい時間を過ごせました。日本だけではなく、タイでも『サイレントラブ』を愛してもらえればなと思います」、内田監督も「日本人はタイのことが好きな人が多いです。ここで映画が上映されること、広がることを楽しみにしています。ありがとうございます」とそれぞれに締め括った。