シード・プランニングは1月26日、「花粉症(アレルギー性鼻炎)に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は2023年6月~7月、同社会員の医師139名を対象に、デスクリサーチおよびWebアンケート方式にて行われた。

花粉症有病者数は約3,000万人と推計、うち58%が中等〜最重症患者

  • 花粉症患者数について

    花粉症患者数について

医師139名(内訳:耳鼻咽喉科57名、内科28名、呼吸器内科30名、アレルギー科11名、小児科13名)に、医師1人当たりの1か月間の平均受療患者数をたずね、日本全国の花粉症受療患者数を算出したところ、2023年ピーク時は約1,400万人、全国推計有病者数は約3,000万人と推計。日本の総人口約1万2,330万人から換算すると、花粉症の有病率は25%と推計され、また、全体の花粉症患者のうち、中等症もしくは重症・最重症の患者は58%を占めた。

また、主な治療薬として、最も多いのはビラノア。また、耳鼻咽喉科とアレルギー科は、ビラノアの他にデザレックスとルパフィンが多く、呼吸器内科の病院ではゾレアを処方するなど、診療科別で特徴がみられるという。

  • 新型コロナウイルスの影響

    新型コロナウイルスの影響

続いて、新型コロナウイルスの影響を調べるため、感染症流行前(2019年以前)の患者数を100%とした時の患者数を尋ねたところ、コロナ禍中(2021~2022年)の患者数は2019年以前の7割程度だったが、2023年には9割以上にまで回復していることが明らかに。特に耳鼻咽喉科は、2019年以前よりも多く107%とほぼコロナ禍前の水準にまで回復していることがわかった。

また、コロナ禍以前と比べて患者が求める花粉症治療に変化があるかどうかを自由回答で質問したところ、診療科に関わらず、「舌下免疫療法の認知度が上がり希望する人が増えた」が多い傾向に。次いで、「くしゃみの飛沫や咳を気にするようになった」「マスクの効果で症状が軽くなった」と続いた。

  • 花粉症の予防

    花粉症の予防

最後に、花粉症対策商品として効果が高いと思う対策商品を最大3つまで回答してもらったところ、1位「マスク」(28%)、2位「眼鏡・ゴーグル」(21%)、3位「空気清浄機」(12%)という結果に。1位の「マスク」については、診療科に関わらず、「マスクを着用する機会が増え重症度が下がった」「マスクの効果があったのだと思う」と回答する医師も見受けられた。