昨年、映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』や『わたしの幸せな結婚』などでの演技が評価され「第15回TAMA映画賞」で最優秀新進女優賞を受賞し、NHK夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』への出演も注目を集めた高石あかり。「エイベックス・マネジメント・エージェンシー 新春参拝&晴れ着お披露目会」で華やかな晴れ着姿を披露した高石にインタビューし、女優業への思いや今後の抱負を聞いた。

  • 高石あかり

    高石あかり

――作品を重ねられてきて今の女優業への思いをお聞かせください。

お芝居が楽しくて仕方がないというのはずっと変わっていませんが、作品ごとに役へのアプローチを毎回変えるようにしているので、ちょっとずつその幅が広がってきているなと感じています。『ベイビーわるきゅーれ』や夜ドラのような明るい役が多いですが、控えめな役や何か抱えている役も少しずつさせてもらえていて、いろんな役で私を知っていただける機会が増えていったらいいなと思っております。

――女優になりたいと思ったのはいつ頃からですか?

保育園に通っていた頃に『花より男子』を見て、その時からずっと「女優になりたい」と言っていて、卒業文集にも書いていました。

――今、本当にやりたかったことができているわけですね。

心からそう言えると思います。もう幸せしかないです! 私の人生、芝居なので、芝居をさせてもらえている限りは生きていけると思います(笑)

『ベイビーわるきゅーれ』は「いろんな扉を開けてくれた」

――特にご自身にとって大きな経験になったと感じている作品を教えてください。

『ベイビーわるきゅーれ』は私の中で大きいもので、初主演もこの作品ですし、賞もいただき、いろんな扉を開けてくれたというか、知らない世界に連れて行ってくれた作品です。関わっている方たちが家族みたいな方たちで、最近シーズン3を撮ったのですが私の地元・宮崎で撮らせてもらって、それも縁を感じますし、大切にしたいと思える作品です。

――いろいろ作品を経験する中で女優として学びや成長がありましたらお聞かせください。

作品全体を見られるようになってきたかなと思います。昔はどうしたら見てもらえるかなとか、爪痕を残そうとか考えていましたが、今は映画やドラマ全体を見て自分の役をどうしたらいいか考えるようになりました。

――それも『ベイビーわるきゅーれ』への出演が大きかったのでしょうか。

いろいろな作品を経験させてもらって、徐々に変わっていったのかなと思います。『ベイビーわるきゅーれ』は全体のことを考えるというより、はっちゃけた役なので「好きにしていい」と言われていて。メインではなく少し出させてもらう作品などでは、どういう立ち振る舞いをしたらいいのか考えるようになりました。

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市川実日子との共演シーンで鳥肌「この体験は大切にしたい」

――共演した先輩からのアドバイスで大切にしていることなどありましたら教えてください。

夜ドラで共演させてもらった市川実日子さんとのお芝居ですごく印象的なシーンがあって、2人とも目を一切合わせず、お互い前を向いて、ぽつぽつと言葉を交わし合うシーンがあったのですが、市川さんが発する最後のセリフで毎回鳥肌が立ち、2人だけの空間になっているような感覚があったんです。それは私だけの感覚なのかなと思っていたら、市川さんから『すごいビリビリするね』と言ってもらって、通じ合った瞬間というか、それを体験できたのは貴重だし、女優としてこの体験は大切にしたいと思いました。

――2人とも本当に役として生きているから、そういう感覚になれたのでしょうか。

そうだと思います。市川さんにはいろいろ質問もさせてもらって、「泣くってどうやってやりますか?」ということも聞きました。私は感情で泣くタイプなので、技術的に泣こうと思って泣けるようになりたいなと思って市川さんに聞いたら、「涙は泣こうとして泣くものじゃない」「心がなかったら無理」とおっしゃって、なるほどなと。心ありきでお芝居するものなんだなと改めて大切なことを学ばせていただきました。

――市川さんとまた共演する機会があったらいいですね。

そうですね。再会できる女優になりたいという思いもあるので、これからそういった再会ができたらいいなと思います。