番組では、シェアハウスに入居してオカさんに支えてもらったことをきっかけに、人生をリスタートする人たちも登場。三浦は、役者の仕事をする中で、「行く現場、行く現場でいろんな人に支えてもらって、この仕事を全うできていると思っています」というが、過去をさかのぼると、自身を救ってくれた高校時代の教師が、オカさんに重なるという。
「先ほども少し言いましたが、満員電車に乗って毎日学校に行くというのが、みんながやっていることなのに、すごく苦しかったんです。それで学校に行かなくなってしまった時期があったのですが、その時の先生にすごく助けてもらいました。何か説得されたわけでもなく、やれやれという感じで、“とりあえず学校来て、保健室でも行っておけばいいじゃん”って接してくれたんです。学校に来られないこと自体をとがめられなかった印象があって、“別に変わらなくていいんだ”と思えたことで気持ちが楽になれました」
母親が『ザ・ノンフィクション』の大ファン
様々な番組などでナレーションの経験はあるが、『ザ・ノンフィクション』は今回が初めて。「すごくミクロな話を取り上げていますが、それを通して大きな社会の姿を学ぶきっかけになる番組だというのを感じます。いつも題材を“どこで見つけてくるんだろう?”と思っていました(笑)」と印象を語る。
母親が番組の大ファンだが、この仕事が決まったことは伝えていないのだそう。「基本、自分の仕事の報告を母に全然しないので(笑)」という関係だが、「きっと知ったら喜んでくれると思います。ナレーションの仕事は結構やっていますが、前から“透子が『ザ・ノンフィクション』やったらいいと思うんだけどな”と言っていたので、(今回のオファーは)うれしかったです」と、親孝行の機会にもなるようだ。
ちなみに、ドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ)では、8周の人生を過ごして毎回公務員になる役を演じていたが、自身は前述の高校時代の経験もあり、規則正しい就業時間の仕事は不向きだと思っているのだそう。「たまに舞台をやると、同じ場所で稽古時間が決まってくるので、ルーティーンができる気持ちよさを感じますが、その期間だけできるのがいいのであって、ずっとそれを続ける生活になると難しいのではないかと思います」とのことだ。
●三浦透子
1996年生まれ、北海道出身。02年、オーディションで出演したCMで話題となり、同年にはドラマ『天才柳沢教授の生活』にレギュラー出演。その後も様々な作品に出演し、映画「ドライブ・マイ・カー」(21年)では日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。近年は『カムカムエブリバディ』『鎌倉殿の13人』『エルピス-希望、あるいは災い-』『ブラッシュアップライフ』『大奥』などのドラマに出演する。歌手としても活躍し、『ミュージックステーション』『NHK紅白歌合戦』にも出演。4月7日から主演ミュージカル『VIOLET』が上演される。