日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’24』(毎週日曜24:55~)では、病室での泊まり込み生活を送る家族と支援者を追った『かりそめ暮らし~付き添い入院 家族の1000日~』(読売テレビ制作)を、きょう15日に放送する。

  • 中村聡志さん(左)と娘の幸音ちゃん

中村聡志さん(34)は、3年近くにわたる過酷な付き添い入院を続けている。二女の幸音ちゃん(3)は、拡張型心筋症で心臓移植がかなう日まで、24時間365日の見守りが必要だからだ。妻と交代で付き添い生活を送り、付き添わない期間には仕事と慣れない家事を両立しながら自宅で5歳の長女と過ごす。気力も体力もぎりぎりで、時に体調を崩しながらこの生活を続けてきたが、一体いつまで続くのか、まだ先は見えない。

付き添い入院は、改善されないまま数十年にわたり続いている過酷な現実だ。本来は食事や薬の服薬の介助、お風呂などは看護師などの医療従事者が行う。しかし、人手が常に足りない医療体制のもと、親たちに引き受けてもらうしかない状況が生じている。

中村さんのような、身を削る付き添い入院を送る親たちが、少しでも安心できる時間を送ることができるよう活動を続けている団体がある。「キープ・ママ・スマイリング」代表の光原ゆきさん(50)は、先天性疾患のあった長女と二女に付き添い、6つの病院を転々とした体験をもつ。「いつでも成功の途中」と笑顔と前向きな姿勢で活動を続けるのは、1歳を目前に亡くなった二女の“生きた意味”が胸の内にあるからだ。娘は、付き添い入院の環境を変える使命を与えるために、短い命でも私と生きてくれたのだ、という。

「付き添い入院」を続ける中村さん一家は、光原さんと出会った。病室でほっと胸をなでおろすことのできる温かなごはんや生活用品のプレゼント。さりげなく寄り添ってくれる支援に中村さんは励まされ続けている。付き添い入院を続ける家族とその環境を変えようと奮闘する光原さんは国に要望書を提出し、「ご飯が食べられて、寝返りが打てる安心して付き添える環境を築くために具体的な対策に乗り出してほしい」と訴えている。

過酷な環境に向き合う家族や支援するボランティアの姿を通して、「付き添い入院」の在り方や改善点について、仲野太賀のナレーションで考えていく。