特撮テレビドラマ『牙狼<GARO>』シリーズの最新作『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』の放送開始(11日スタート TOKYO MX22時~、BS日テレ24:30~)に先がけ、9日に東京・新宿バルト9で第1話、第2話の完成披露上映会が行なわれた。上映後のステージには主演の栗山航をはじめとする本作のメインキャストが登壇し、新シリーズに期待する多くのファンのあたたかい拍手と声援を受けた。

  • 左から、黄金騎士ガロ、黒谷友香、中澤実子、栗山航、仲野温、萩原聖人、ハガネ

■『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』11日スタート

『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』は、2013年放送の『牙狼<GARO>~闇を照らす者~』で初登場し、『牙狼<GARO>―GOLDSTORM―翔』(2015年)を経て映画『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA-』(2018年)でも活躍した「道外流牙」が6年ぶりに復活するテレビシリーズ。人間を喰う魔獣「ホラー」を狩る使命を帯び、黄金騎士ガロの鎧をまとう流牙の新たな物語が描かれる。

■道外流牙の新しい戦いが始まる

魔戒法師コヨリの導きにより、ホラーが頻発するクレアシティにやってきた道外流牙を演じる栗山航。久しぶりに魔戒騎士の衣装を身に着けてファンの前に立った栗山は「おかえり!」というファンの声に応え「ただいま! ありがとう! 今日この日を迎えて幸せです」と、道外流牙シリーズの最新作が完成し、ファンに観てもらえた喜びを表した。ハガネの鎧を召喚してホラーと戦う魔戒騎士・白羽創磨を演じる仲野温。今回『牙狼<GARO>』シリーズ初参加となる仲野は「牙狼<GARO>という歴史ある作品に参加することで、プレッシャーがあったんですけど、さきほど『創磨!』と声をかけてくださって、光栄に思いました」と、詰めかけた『牙狼<GARO>』ファンから役名で呼んでもらったことに感謝を示した。

優れた身体能力を備え、流牙や創磨をサポートする魔戒法師コヨリを演じる中澤実子は、大勢のファンを前にして緊張気味ながら「コヨリ~!」というファンの声援を受けて「こんなにたくさんの方々に観ていただけて、うれしいです!」と素直な気持ちを述べた。コヨリの師にあたる魔戒法師で、流牙をクレアシティに呼び寄せたムツギを演じる黒谷友香は「ファンのみなさんがとてもあたたかく迎え入れてくれました。この作品に参加できて、よかったと実感しています」と、『牙狼<GARO>』を愛するファンの強い思いに感動したことを明かした。創磨の父親で、3年前に謎の失踪を遂げた魔戒騎士・白羽ゴドウを演じる萩原聖人。萩原は「なかなか明るい話題のない昨今ですけど、みんなの情熱がたくさん詰まった新しい『牙狼<GARO>』を大スクリーンで観ていただけたこと、本当にうれしく思います」と、日本が今置かれている厳しい状況を案じつつ、『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』が無事完成し、ファンの方々に届けられたことへの感謝と喜びを表した。

■スタッフ・キャストの熱意で生まれた作品

栗山は、『牙狼<GARO>~闇を照らす者~』が俳優デビュー作にあたる。約10年前に初めて流牙を演じたころから、どんなところが成長したか? というMC(宮島咲良)の問いに対しては「牙狼<GARO>シリーズに付きもののアクションは、もちろん10年前とはまったく違う動きになっています。しかしいちばん流牙が成長したなと思ったのは、第1話でコヨリから渡された手紙の『魔戒文字』をすんなり読めたことです。昔はザルバ(黄金騎士が指にはめている魔導輪)さんに読んでもらっていたのに、めちゃくちゃ成長してる(笑)」と、劇中での流牙のスキルアップに言及してニッコリ微笑んだ。

仲野は「実はまだ第1、2話を観ることができてないんですけど」と前置きした上で「ご覧になったみなさんからの反響がいいので、ちゃんと創磨を演じられたんじゃないかと、僕自身も手ごたえを感じています」と話し、演技に対する自信を新たにした。すると「カッコよかった!」という女性ファンからの声が飛んできて「ありがとうございます。これから創磨はもっとカッコよくなっていくと思いますので、お楽しみに!」と、話数を重ねるごとに成長していく創磨の姿をオンエアで確認してほしいと、目を輝かせながら語った。

中澤もシリーズ初参加の感想を「キャスト・スタッフのみなさんがあたたかくて、アットホームな雰囲気の現場でした。撮影を振り返ると、楽しかったことばかり。自分のサイズに合わせて作ってくださった衣装を着たのも初めてで、この衣装を着るとやる気がでました」と語り、楽しかった撮影の日々をふりかえった。黒谷は「撮影が始まったばかりのころ、栗山さんから『牙狼<GARO>の世界を愛してくださってますか』と質問されたことがありました。スタッフ・キャスト全員に熱意があって、私も負けていられない、がんばろう! と思いました。こうして完成披露の日を迎えると、撮影初日が懐かしく思い出されます。こうして作品をみなさまへお届けできた、この日のことも忘れません」と、作品世界への愛情に満ちたスタッフとキャスト陣に囲まれ、懸命に撮影をこなした充実の日々を思い返しながらコメントした。萩原は「俳優生活37年、初めて『変身』をしたのが愛すべき『牙狼<GARO>』シリーズというのは光栄なこと」と、ゴドウもまた「鎧」を召喚して戦うことを明かしつつ、初めて「特撮ヒーロー」に変身できる喜びを表した。

■アクションにも注目

『牙狼<GARO>』シリーズでは毎回、趣向を凝らしたハードアクションが盛り込まれ、作品の大きな見どころとなっている。栗山は「今回もアクションは当たり前のように激しくなっています。創磨とコヨリは初参加で大変だったと思いますけど、常に頑張ってくれたので、その頑張りが映像でバチバチに現れています。第1、2話でもうすごいアクションの連発でしたが、この後もどんどんレベルが上がっていきます。最初があれだったら、最後のほうにはどうなっているんだろうか? と楽しみにしてください」と、アクションシーンが回を追うごとにレベルアップしていき、迫力が増すと言ってファンの興味をあおった。

栗山の言葉を受け、仲野は「剣を使った立ち回りは僕にとって初めての挑戦。今回は全話を通して、創磨のアクションがなかった回がないくらいのレベルでやっています。大変ではありましたが、毎回楽しかったです。『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』は僕の役者人生のターニングポイントとして、大事な作品になりました」と、初挑戦となったアクションについて言及し、役者として得るものが大きかったと語った。

同じくアクションについて、中澤は「アクションそのものが初めての体験でした。最初のシーン(第2話)でバッ! とマントを取るだけの動きが、なかなかうまくいかなくて……」と、最初は緊張のあまり思うような動きができなかったと話しつつ「でも、やっていくうちにどんどんカッコよく決まったかなと思える動きもできたと思いますので、みなさんにそういう部分を観てもらいたいです」と、アクションの出来栄えについての自信をのぞかせた。中澤のアクションを間近で見ていた栗山は「マントをどうやって脱いだらいいか、すごく悩んでいたけれど、僕はその様子を見てただ笑っていました。映像を観ると、ちゃんとカッコよく映っているので、さすがだなあって(笑)」と、中澤の緊張をほぐすかのように、さわやかな笑顔で見守っていたことを明かした。

また、中澤は黒谷に対し、最初は「緊張して自分から話しかけることができなかった」そうだが、黒谷のほうから気さくに話しかけるなど、周囲に気を配ってくれたため、打ち解けることができたのだという。黒谷は「撮影時期が夏の暑い日で、コヨリちゃんはアクションシーンもあるし、衣装も大変だし」と、塩分補給のための飴を手渡すなど、常に優しく接して中澤を感激させていたそうだ。

仲野は父親役の萩原との関係性について「撮影現場では2、3日くらいしかご一緒する機会がありませんでしたが、最初に萩原さんから『創磨!』と呼ばれたとき、あまりにいい声で僕の身体に激震が走りました。あの『創磨!』を聴けただけで満足です」と、萩原の声に父親としての説得力を強く感じていたことを明かした。萩原は仲野の印象として「若い芽は早めに摘んでおこうかと思ったのですが(笑)、最初に仲野くんが『僕、マージャン好きです!』と言ってきたりして、これはかわいがらない理由がない! と思い、今は公私ともに仲良くしています」と、プライベートでも親子のように仲がいいと語った。これを受けて仲野が「年末には焼肉に連れていっていただいて、めちゃくちゃ食わせていただきました!」と、萩原に焼肉を御馳走になったと話すと、栗山が「僕にもお父さんが出てきてほしい! こんど焼肉連れていってください!」と萩原にお願いをし、あわてて仲野が「いやいや、僕だけのお父さんですから(笑)」とさえぎる場面も見られ、客席を沸かせた。

第1、2話に続く『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』の今後の展開について栗山は「流牙を中心にストーリーが進みますけれど、一方で今回は創磨の成長物語でもあります」と、エピソードを重ねるごとに、創磨がどのように心境を変化させ、たくましくなっていくかに注目してほしいと語った。仲野もまた「創磨を軸に、物語が進んでいくのを意識しながら演じました。創磨と流牙の関係性がどうなっていくか、という部分を観てください。観ている方たちにとって、創磨が愛されるキャラになってほしい、たくさんの人に愛されてほしいと願っています」と、立ち位置の異なる創磨と流牙がドラマを引っ張っていくことを強調した。

栗山と仲野が熱く語っているのを横で見ながら、中澤は「ぜひ、コヨリの成長も見守っていてください!」と明るくコメントし、周囲をなごませた。

黒谷は「数多いキャラクターが出てきて、それぞれの思いを背負って人生を生きています。観ている方にとって、必ず感情移入できる人物がいると思いますので、最後までストーリーをお楽しみください」と、個性豊かなキャラクター同士が織り成すドラマ性について語った。

萩原は「黄金騎士ガロとホラーの戦いだけでなく、若者がいろいろな困難を乗り越えて成長していく人間ドラマが盛り込まれた作品。『牙狼<GARO>』の原点に帰ったような、ストレートな作品になっていますので、見届けてくれたらうれしく思います」と、シンプルでありながら深みのあるドラマを追求した作品であることを強調しながら、見どころを述べた。

やがてステージには「黄金騎士ガロ」と「ハガネ」がさっそうとかけつけ、それぞれが剣による重厚な演武を披露した。

最後にマイクを握った栗山は「いよいよ1月11日から放送が開始されます。最後まで楽しんでください。久しぶりにみなさんの前でお話ができて、すごくうれしかったです。やっぱり牙狼<GARO>は……」というところで感極まり、言葉を詰まらせてしまった。それでも気持ちをふりしぼり、涙声になりながらも「牙狼<GARO>って最高だなって、ほんとうに思いました。いつも作品を愛してくれて、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします!」と挨拶すると、客席のファンからあたたかい拍手が巻き起こり、栗山をいっそう感激させた。

『牙狼<GARO>ハガネを継ぐ者』は11日より、TOKYO MX(22:00~)、BS日テレ(24:30~)にて放送開始。また、12日以降は各種サブスクでの配信もスタートする。

(C)2024「ハガネを継ぐ者」雨宮慶太/東北新社