マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏が21日、オリックスグループ公式Instagramアカウント「SMILE ON」にて実施された「悩める大人の相談ライブ『イチ問一答』」に出演。“自己肯定感”という言葉について持論を述べた。

  • イチロー氏 (c)オリックスグループ「SMILE ON」

「イチ問一答」は、仕事・転職・独立、恋愛・結婚・離婚、人間関係など「大人な悩み事」に対して、イチロー氏ならではの哲学で回答するお悩み相談ライブ。第2弾となる今回は、初の「ゲスト相談者」として女優でモデルの堀田茜も登場した。

堀田から「自己肯定感という言葉を目にすることが多いと思うのですが、私も仕事がうまくいかなかったときに、自分を否定してしまう瞬間がある。自分を否定せず、前向きに生きるにはどうしたらいいでしょうか?」と質問を受け、イチロー氏は「まず、仕事なんかうまくいかないですよ(笑)」とキッパリ。「基本的にうまくいかないけど、感触として全然できてないけど、見てる人にとって、それが作品としていいものになってる。そういうものだと思うんですよ」と、堀田の仕事に当てはめる。

続いて、「僕、自己肯定感という言葉を目にしたことがないです。今回、目にしました。僕のイメージですよ?」と前置きした上で、「僕にとっては気持ち悪い言葉です」と率直な感想を吐露。「自己肯定感って、いい言葉なんですか?」と堀田に問いかけ、「僕は、自分を肯定するのはものすごく抵抗があります」と打ち明けると、堀田からは「すごく意外です。自分との向き合い方もうまそうなので」と驚きの声が。

また、堀田が「否定してばかりいると、落ちてしまうじゃないですか」とこぼすと、イチロー氏は「そう思います。でも、否定じゃないんですよね。僕の場合は、どこかに疑問符をつけてます。自分のやったこと、やろうとすることに、常に疑問符をつけてます。そこが(肯定の)反対にあってほしいなと思いました」と返答。さらに、「自己肯定感が強い人って、ストレスフリーで楽しそうに仕事してるって感じですか?」と確認しつつ、「それってどうなんですかね? いいなあって思うけど、その人たちは、人としての厚みが生まれるんだろうか」と疑問を投げかける。

その理由として、「自己肯定感の強い人たちが、おそらく今の風潮では否定されないじゃないですか。明かにダメなのに否定されない。ということは、自分でも振り返らない、良いことしか考えない。第三者からも厳しい言葉を言われない。人間は基本的に弱い生き物なので、僕は堕落すると思いますけどね」と説明。「人が最悪になるときって、自分が偉いと思ったとき」「最悪っていうか、魅力的じゃない。そんな人が生まれるんじゃないかって思います」と持論を述べ、「なので、堀田さんはすごくいい状態なんじゃないですか?」と伝えていた。

【編集部MEMO】
オリックスグループ公式Instagramアカウント「SMILE ON」(@orix_smile_on)にて、悩める大人の相談ライブ「イチ問一答」の名場面を抜粋した動画を順次公開。イチロー氏ならではの視点による回答を動画で観ることができる。