今回のドキュメンタリーを通して特に感じたというのは、“会話して伝えること”の大切さ。
「健司さんを見ていると、私の父にもこういう思いがあるのかもしれないと感じ、もっとコミュニケーションを取ろうと思いました。家族や友達など、大切で近い人ほど言わなくても分かってくれるんじゃないかと思うじゃないですか。でも、やっぱり自分の言葉で伝えなきゃいけないですよね。健司さんは病気というきっかけがあって伝えたい、残したいと思ったかもしれませんが、普通に過ごしているとそういうきっかけはないと思うので、この番組を見たことで、皆さんにもそんな思いになってもらえたらいいなという気持ちで、ナレーションをしました」
番組の映像からは、親子の良好な関係が伝わってくる。風花さんがバレンタインデーに作ってくれたカップケーキを食べる健司さんの姿は、それを象徴しており、「すごく柔らかくて優しい表情だったのが印象的でしたね」と微笑ましく見守った。
翻って佐藤自身も「父とはとっても仲が良いです。反抗期もなかったので、両親は“いつ反抗期が来るんだろうね”なんて言ってます(笑)」とのこと。そんな自分の父が、もし大きな病気になったら…と想像すると、「まだまだ伝えてないことがたくさんありすぎるなと、すごく考えました。つらいですね…」と痛感しながら、「つい最近も、家族3人でこれからの家族の未来の話をしたんです。その時も、3人で過ごす時間は大切にしないといけないと思いましたし、加治川さん家族から教えてもらう部分もたくさんありました」と感じたそうだ。
風花さんにたくさんの言葉を贈る健司さん。佐藤が父親からもらった印象的な言葉を聞くと、「小さい頃から、ずっと“謙虚でありなさい”と言われてきたんです」と明かす。
「私が小学生からお仕事を始めたので、その影響もあったんだと思います。うまくいかないときは謙虚であってほしいし、うまくいったときも、それは皆さんのおかげで決して自分1人の力ではないから、“いつも必ず周りに大切な人がいるのだから、謙虚でありなさい”と言われたのが心に残っています」
『ザ・ノンフィクション』ナレーションで親孝行に
『ザ・ノンフィクション』は家族が大ファンで、昨年9月に初めてナレーションに挑んだ際は、「もうすごい盛り上がりで、特に『語り 佐藤栞里』というテロップが出た時に“ギャー!!”って叫んだほどだったみたいで、その写真を撮って送ってくれました(笑)。両親はそれが一つの夢だったようで、すごく喜んでくれましたね」と親孝行になったようだ。
今回のドキュメンタリーは家族を描いているだけに、「映像と台本を見て、すぐに親に連絡を取りました」といい、「近い存在だからこそ、“また後で伝えよう”とか“今度でいいや”と思ってしまいがちですけど、私は今回の『ザ・ノンフィクション』を見て、大切にしたいという気持ちに、いま向き合おうと思ったので、“次の休みに一緒にご飯に行こう”と誘うきっかけになってもらえたらいいなと思います」と呼びかけた。
●佐藤栞里
1990年生まれ、埼玉県出身。01年に『ピチレモン』のピチモオーディションでグランプリを獲得し、モデルとしてデビュー。現在は『BAILA』『SPUR』『otonaMUSE』でレギュラーモデルを務めるほか、バラエティ番組を中心に活躍し、『ヒルナンデス!』『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』『有吉の壁』(日本テレビ)、『王様のブランチ』(TBS)にレギュラー出演中。