アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの高木雄也(※高ははしごだか)と、女優の清水くるみが、PARCO PRODUCE 2024 『東京輪舞』に出演することが5日、明らかになった。
今回、オーストリアの劇作家アルトゥル・シュニッツラーが1900年に発行し、当時のウィーン社会にセンセーションを巻き起こした問題作『輪舞』(La Ronde)を、山本卓卓(作)×杉原邦生(演出)が現在の東京版として上演する。高木と清水がそれぞれ5人の“男”と“女”、計10人の登場人物を演じ分け、10の情事の風景をリレー形式で描いていく。
現代を生きる人間をユーモアを交えた時代感覚で切り取る注目の作家・山本と、ポップかつダイナミックな趣向と繊細さを兼ね備えた演出を得意とする杉原がタッグを組み、高木と清水という多彩な表現力を持つ2人の俳優と共に創り上げる同作は、トウキョウのリアルとエロスを交差させ、現在に迫る舞台となる。
東京公演はPARCO劇場にて2024年3月。また2024年4月に福岡、大阪、広島での上演を予定している。
■高木雄也 コメント
今回パルコさんからお話をいただき、『東京輪舞』に出演させていただきます。
この作品は1人で5役を演じることになりますし、役の幅も広いので、今の自分にできるのかと悩み、お受けするまで少し時間がかかりました。でも自分が諦めて誰かがこの作品に出演し、それを見て後悔するぐらいなら、自分自身が努力して自分の幅を広げれば良いと思い挑戦しようと決めました!
演出の杉原邦生さん、そして清水くるみさんと時間をかけながら、1つ1つの役をしっかり作っていけたら良いなと思います!
みなさん僕の挑戦を是非劇場に見に来てください!"
■清水くるみ コメント
いつか挑戦してみたいと思っていた2人芝居ですが、こんなにも早く機会をいただけるとは思っていなかったので、正直驚きました。しかも1人5役ということでかなりハードですが、小悪魔少女から、今まで演じたことのない挑発的な女性まで、これまでの経験を活かしつつ、チャレンジすべき課題が非常にたくさんあることにワクワクしています! 高木さんとは初めましてなのですが、どんなキャッチボールになるのか全然想像できないので、稽古が本当に楽しみです。ご一緒したかった演出の杉原さん、脚本の山本さん、もう既に出来上がっている前半の脚本がおもしろいのでプレッシャーですが、きっときっと おもしろい作品になる! してみせる! ので、是非是非、観にきてほしいです! "
■山本卓卓 コメント
キックオフミーティングの時に、杉原さんやパルコスタッフのみなさんに「私は私の言葉と物語に責任を持ってこの戯曲を書く」と宣言してしまったので、私は私の言葉と物語に責任を持って「東京輪舞」を書いています。つまりそれはシュニッツラーや杉原さんに責任を押し付けるようなことは絶対にしないということなのですがそれってめちゃくちゃキツくて苦しいっす。でも山本卓卓いいもの書きます。楽しみにしていてください。
■杉原邦生 コメント
新作『東京輪舞』は、「シュニッツラーの問題作を〈現在の東京〉で上演する」という、野心に満ち満ちた企画です。ならば、作家は山本卓卓くんにお願いしたいと思いました。知り合ってすでに10年以上になりますが、卓卓くんが択ぶ日本語のセンス、その組み合わせによって生まれる独特のリズム、テキストから漂う息が詰まるような現代日本の空気感、そして人と人との交わりに冷静に寄り添う作家としての知性、それらがこの作品には必要だと思ったからです。
二人の俳優が5役ずつを演じ分け、10組のカップルによる情事の前と後、そのダイアローグを舞い踊るように繋いでいく——そんな挑戦的な作品に高木雄也さん、清水くるみさんが共に挑んでくれることになりました。お二人とも舞台での存在感の強さは言うまでもなく、ご自身の表現に貪欲な姿勢を感じられるので、稽古場でのクリエーションがとても楽しみです。
着々と準備を進めているいまもまだ、ドキドキしています。このドキドキはきっと、客席のお客様のドキドキへとつづいていくはずです。その鼓動をぜひ劇場で体感してください!
【編集部MEMO】
19世紀末の世相を背景に、男女の情事前後の会話をリレー形式で描写した問題作『輪舞』。1900年の発表当時の性道徳や階級理念に反していたために、上演を巡っては法廷論争まで引き起こした。しかし、人間の普遍的な関係性と欲望を描いた本作品は、時代が変わっても支持され続け、1950年、64年、73年と三度映画化され、93年にはオペラ化もされている。英国の巨匠、デヴィッド・ヘアーは、本作品を20世紀末の英国に移して翻案し、『ブルールーム』というタイトルで、ロンドンとブロードウェイで1998年から1999年にかけて上演。サム・メンデスが演出、ニコール・キッドマンとイアン・グレンが女性男性5人ずつを演じ、世界的な話題を呼んだ。日本でも、2001年のT.P.T.公演などで上演されている。