声優の野沢雅子(87)が第71回菊池寛賞を受賞し、1日、都内のホテルで行われた贈呈式に出席した。

  • 野沢雅子

文藝春秋の創業者・菊池寛が日本文化の各方面に遺した功績を記念するための賞として1952年に創設した同賞。野沢は「日本の声優を代表する草分け的存在として、1963年国産初のテレビアニメシリーズ『鉄腕アトム』出演を皮切りに『ゲゲゲの鬼太郎』『銀河鉄道999』『ドラゴンボール』等人気作品の主役をつとめ、世代を超え愛され続ける」として受賞した。

受賞のスピーチで、「私、台本がなくておしゃべりするのはとっても下手なんです。台本さえあれば、どんなに長くてもそれなりにしゃべることはできるんです(笑)」と冒頭から笑いを誘った野沢。「私よりもっとふさわしい人がいっぱいいるんだろうなと思うと、“なんで私が?ってなってしまう」と謙遜した。

その上で、「この頃は皆さんちゃんとお言葉は言ってるんです。言ってるんですけど、こもっちゃって、“あ”だか“い”だか“う”だか分からないような方がたまにいらっしゃるんですね。それはちょっとお話として損をすると思うんです。全部伝わりませんから」と切り出し、「自分は、それはないと思ってるんです」と自信を語る。

その理由を、「小学校1年生に上がったときに、担任の男の先生に『“あ”と書かれていたら“あ”と発音して、100人いたら100人に、“あ”と聞こえるような言葉でお話をしなさい、先生から言ってあげられるのはこれだけだ』って言ったんで、いまだに私はそれを守っているんです。これからやっぱり言葉だけはきちっと言ってくようにしていきたいと思っております」と明かした。

そして、「声優というお仕事が大好きです。これを皆さんに言うと、仲間の人は“え~っ!?”って言いますけど、182歳まではやろうと思ってるんです。182というのは結構好きな数字なんです。ですから、絶対的に182まで生きて、字に書かれた通りを発音して皆さんに聞こえるようにお話しをしていきたいなと思ってますので、皆さんお会いしましたら、お声がけをよろしくお願いいたします」と呼びかけた。