JR東海は30日、東海道新幹線の「のり面」を活用した太陽光発電システムを導入すると発表した。2024年夏頃の施行開始を予定しており、発電した電力は新幹線駅の照明等で利用される。

  • 東海道新幹線N700S

「のり面」は盛土等による人工的な斜面のこと。今回、東海道新幹線の新横浜~名古屋間にて、太陽光発電と装置設置に適した「のり面」(総延長約3.5km)にシステムを導入する計画としている。

最大発電出力は2.7MW、年間発電量は約270万kWh(一般家庭約650世帯分相当)を想定。太陽光パネルで発電した電気は、最寄りの新幹線駅の照明等で活用する。これにより、新幹線駅などで使用する電力の一部が再生可能エネルギー由来となる。

  • 設置する太陽光パネルのイメージ(提供 : JR東海)

JR東海は、省エネ型の車両・設備を積極的に導入することで、他の輸送機関と比べてエネルギー効率が高く、環境負荷が少ないという鉄道の環境優位性を高めてきた。政府による「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に、2050年のCO2排出量実質ゼロをめざすなど、地球環境保全に資する諸施策も推進している。新幹線の「のり面」を活用した再生可能エネルギー発電は国内初とされ、今後もこのような取組みを通じて、より一層の地球環境保全に貢献するとしている。