テレビ東京とポケモンのタッグで初めて作られた、『ポケモン』を原案にしたオリジナルドラマ『ポケットに冒険をつめこんで』(毎週木曜24:30~)が現在放送されている。「ポケモンが大好き」という西野七瀬が主人公を務める同作は、西野演じる赤城まどかが、転職した東京の小さな広告代理店・ADventureを舞台に、『ポケモン』から勇気をもらいながら仕事に奮闘していく姿を描いている。

登場人物もポケモンがモデルになっていたり、ゲーム画面や音楽がドラマに登場したりと、『ポケモン』要素満載の同作。今回のインタビューでは、西野が思う主人公像や、お仕事ドラマとしての面についても話を聞いた。

  • 西野七瀬

    西野七瀬 撮影:友野雄

■西野七瀬「ポケモンのお仕事をしたい」と思っていたタイミングのオファー

――ちょうど「ポケモンのお仕事をしたい」と話していたところ、数日後に今作のオファーが来たとのことで、どのような気持ちでしたか?

全く予想してなかったので驚きました。具体的にどういうお仕事でと想像していたわけではなく、ただただ何かポケモンと関わりたいと思っていたところ、まさかのドラマだったので。でも企画書の段階で内容を知って「なるほど、面白そう」と思いました。

――演じている赤城まどかという役については、どのような印象ですか?

西野七瀬

本当に「ザ・主人公」という印象でした。独りよがりでなく、周りの人からもたくさん受け取るものがあるので、より主人公感が強いなと思いました。まどか自身、いろんな人に会いに行ったり、行動を起こす主人公なんだなと思いました。

私はここまでいっぱい動けるタイプではないので、演じながら「まどかはすごいな」と思っています。他人のために動くことが、回り回って自分のためになることだったりもするし、とても主人公っぽい行動で。私自身はそんなに“主人公”タイプじゃないんです。ただ、まどかの普段の佇まいやセリフ、空気感は自分に近かったので、無理してテンションを上げたりせずに、自分の温度感のままでできた感覚はあります。

――実際、今回は「主演」ではなく「主人公」という言葉が使われています。西野さんが思うポケモンの主人公らしさとは?

西野七瀬

ゲームの『ポケモン』主人公は基本的に喋らないので、たぶん、巻き込まれ系ですよね(笑)。ドラマは真逆で、自分から周囲を巻き込んでいくので、そこは少し違うところなのかなと思いました。

――作品全体としてはどのような印象を受けましたか?

自分も初代『ポケモン』からプレイしていたので、ポケモン要素がうまくドラマの中に入っている感じですごく面白かったです。役名もポケモンをもじっているし、毎回必ずゲームボーイでポケモンをプレイするシーンも入って来ます。合成が多いので撮影方法が特殊だったんですけど、面白くなりそうだなと思いながら演じていました。

――一方で、リアルなお仕事ドラマでもあり、仕事がポケモンのバトルになぞらえられていたりもします。西野さんがお仕事で「勝負」と思うのはどのような時ですか?

毎作品、自分との勝負をしている感覚はあります。基本的に楽しいし、楽しみたいけど、体力的にも精神的にも、ちゃんとコントロールできるように考えたり。作品に入ってから終わるまで、ずっと勝負しているのかもしれません。

  • 西野七瀬

――逆に、まどかのように広告代理店で働くというのはどうでしょうか?

難しそうだと思いました(笑)。自分から出向いて、いろんな方に会いに行ってコミュニケーションをとることも多いと知ったので、「こんなに大変なんだ」と。でも改めて、企画に関わる方みんなが「いいものを作ろう」という気持ちを持っていないとできないんだ、ということも教えられた気がします。

■西野七瀬
1994年5月25日生まれ、大阪府出身。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格し、デビュー。18年12月に乃木坂46を卒業後、女優として活動。主な出演作にドラマ『あなたの番です』(19年)、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(20年)、『ハコヅメ~たたかう! 交番女子~』(21年)、映画『孤狼の血 LEVEL2』『あなたの番です 劇場版』(21年)、『恋は光』(22年)、『映画 イチケイのカラス』『シン・仮面ライダー』(23年)。公開待機作に『ある閉ざされた雪の山荘で』(24年1月12日公開)、『君の忘れ方』(25年正月公開)がある。