JR東日本は20日、線路切換工事を終えた渋谷駅の山手線ホームを報道関係者らに公開した。11月17日の終電から11月20日の初電まで、山手線の線路とホームを高くする工事が行われ、これをもって5回にわたる列車の運休を伴う線路切換工事は終了。駅改良工事自体はまだまだ続くものの、大きな山場は越えたといえる。

  • 渋谷駅の線路切換工事が完了。山手線外回りの列車が、ハチ公口改札へ向かう階段の近くに停車する

今回の線路切換工事で、JR渋谷駅のハチ公口改札を入り、階段を上った箇所のホームが約26m北側(新宿方)へ延伸された。ハチ公口改札から上がっていく階段では、これまでホームの最も端まで向かうことになっていたのだが、そこからさらに北側へ停止位置が移動したことになる。

山手線外回り(渋谷駅から新宿・池袋方面)の停止位置はそれほど大きく変わっていないものの、山手線内回り(渋谷駅から品川・東京方面)の停止位置が大きく変更されている。なお、山手線ホームの南側は使用されなくなった。

列車に乗ろうとする人も、階段を上ってホームを北側へ歩いていく。降りる人も、ハチ公口の階段に向かい、階段のところで進行方向を変えて階段を下りる。

  • 渋谷駅の山手線ホームと埼京線ホームが同じ高さになった

  • 山手線外回りの列車が渋谷駅を発車し、新宿方面へ

  • 山手線外回りの線路(新宿方)

  • 山手線内回りの線路(新宿方)

  • 山手線内回りは停車位置を大きく変更

  • 新しくなった山手線ホームにどんどん人が降りていく

  • ホームの状態を確認するためのモニタも設けられた

  • 停車位置を変更したホームで、車掌が安全確認を行う

  • ハチ公口改札からの階段北側にホームが構築された

工事終了後の山手線ホームでは、列車が到着するたびに、停車位置を変更したことが放送で案内される。多くの利用者は、線路切換工事で停車位置が変わっても、戸惑うことなく乗降していた。ハチ公口改札から山手線のホームに向かう階段の特徴として、工事終了後もエスカレーター等がない状況だが、今後は昇降設備を整備するとのこと。

今回の線路切換工事が終わるまで、渋谷駅の山手線ホームは埼京線ホームより低い位置にあった。工事で線路を高くし、山手線ホームと埼京線ホームを同じ高さとしたことで、線路下に高さ2.6m以上の東西自由通路を整備できるようになる。

埼京線ホームとの段差がなくなり、山手線の列車は埼京線・湘南新宿ラインの列車と同じ高さで並ぶようになった。ただし、埼京線ホームは15両編成対応で長く、11両編成対応の山手線ホームより南側(大崎方)までホームが延びている。この部分は線路の高さを引き上げる扛上(こうじょう)作業がまだ終わっておらず、埼京線の線路より山手線の線路のほうが少しだけ低いところにある状態に。今後、少しずつ線路の高さを上げるという。

  • 埼京線ホームと同じ高さになった山手線ホーム

  • 埼京線ホームに列車が停車していると、同じ高さであることがわかる

  • 山手線内回りの列車が大崎方面へ

  • 山手線ホームの使用されなくなった箇所と埼京線ホームでは、線路の高さに若干の差がある

  • 山手線ホームから見た大崎方の線路

  • 改札口へ向かうエスカレーターが新たに設置される予定

山手線ホームの大崎方には、新たに国道南口改札(仮称)ができる予定。新しい改札口へとつながるエスカレーターが準備されていた。5回に及ぶ線路切換工事がついに終わった渋谷駅。今後は駅自体の整備工事が進んでいくことになる。