ニッポン放送・森田耕次アナウンサー

◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム11・12月のテーマは“ストーブリーグ”

 森田耕次アナウンサーは、小学生の頃は巨人ファンだったが、名前が広島黄金期を支えた山本浩二さんと同じ“こうじ”と言うのをきっかけに1975年にリーグ優勝した時から広島ファンになった。長く報道を担当してきたが、昨年から土曜日のショウアップナイターのスタジオ担当、今年からニッポン放送制作の地方局向けの時にベンチレポーターを務めている。

 広島のストーブリーグといえば、1993年オフに導入されたFAだが、94年オフに川口和久が広島から巨人へFA移籍したのを始め、99年の江藤智(広島→巨人)、02年の金本知憲(広島→阪神)、07年の新井貴浩(広島→阪神)、13年の大竹寛(広島→巨人)、18年の丸佳浩(広島→巨人)など、主力選手が多くライバル球団に移籍していった。今オフも西川龍馬がFA宣言した。

 広島ファンとして、当時報道部の記者として広島からFA移籍する選手たちをどう見ていたのだろうかーー。

 「一番ショッキングだったのは94年・川口投手、その後の99年江藤選手が2人ともジャイアンツに移籍するという、これは同一リーグでしょう。しかもジャイアンツにカープの選手が行く、とってもショックでFAってシビアなものなんだなと実感しましたし、選手の権利だと理解していたつもりですけど、巨人というのは相当ショックでした」。

 「報道で言うとスポーツ新聞の報道が先に出るので、ラジオの場合はその後確定してからニュースで伝えることが多いので、結果的にはやっぱりそうなのかと思うことが多かったですね」。

 プロとしてリスナーに伝える時には冷静さを保たなければいけないが、選手のFA移籍を伝える時にどのような感情だったのだろうかーー。

 「嬉しくは言えないですよね、かといって悔しくは言えないし微妙なテンションで伝えざるを得ない。最近だと菊池選手が残留を決めた時は、テンション高めにニュースを伝えたと思います」。

 森田アナが話した菊池涼介をはじめ、近年はFA権を行使せずに残留する選手も増えてきた。

 「14年オフに新井貴浩選手、海外FAですけど黒田投手の男気復帰があり、その後3連覇もできましたし、カープの魅力を高めてくれた。あとFA移籍の経験を生かされての3連覇だったと思うので、ここのところは残留する選手も増えているんじゃないかなと思います」。

 地方局向けのベンチレポーターを務めるようになり、広島を取材する機会が増えた。なおさら移籍情報を含めて、思い入れのあった選手について気になることが増えているのではないだろうかーー。

 「ここのところ戦力外になる選手を見ていると、実際に球場で見ていた選手もいるし、そうすると実際生で見ると体もみんな大きいし、球も速い。まだまだできるんじゃないかなと思う選手がいるので、そういう選手たちはどこかで違う活躍する場があればいいなというふうに一段と現場で取材するようになってからは、思うようになりましたですかね」。

 「あとはカープでいうと出て行くばっかりじゃなくて、シーズン中でしたけども、去年秋山選手が海外からカープに入団してくれたことも嬉しかった。この間クライマックスシリーズファーストステージマツダスタジアムに取材に行った時に、秋山選手がサヨナラヒットの後、インタビュー取材を聞くことができたんですけど、“途中出場だったけども、自分は楽な形で出させてくれた”と大人の発言をする選手なので、そういう選手が入ってくれたと言うのはカープの若手の選手たちも見ていると思います。出て行くだけじゃなくて、秋山選手みたいな選手が来てくれたのは、よくぞ来てくれたなと思うので、オフもどういう選手の移籍があるか楽しみではありますよね」。

 そして、最後に1年間ショウアップナイターを聴いて下さったリスナーに向けて、「今シーズンはWBCから始まって、レギュラーのショウアップナイターまで聴いていただいて感謝しかありません。ありがとうございます。私自身野球が大好きなので、現場で取材をしたりレポーターができたので、自分も楽しみながら野球の面白さ、スリリングな展開をお伝えできたらいいなと思います。来シーズンもよろしくお願いします」とメッセージを送った。

(ニッポン放送ショウアップナイター)