サントリーは、11月16日のボジョレー ヌーヴォー解禁に合わせて、「2023年ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 解禁イベント」を開催した。

  • (写真左より)料理家の和田明日香氏、ジョルジュ デュブッフ社 取締役のアドリアン・デュブッフ・ラコンプ氏、サントリー 取締役 常務執行役員 ワインカンパニー社長の吉雄敬子氏

ボジョレー ヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方の中でも気候に恵まれ、上質なワインづくりに適していると言われるボジョレー地区で、その年に収穫したぶどうを醸造した新酒ワイン。毎年11月の第3木曜日に解禁となる旬のワインとして、世界中で親しまれている。

「今年のボジョレー ヌーヴォーの市場は、11年ぶりに前年を超える見込みで、私どもにとっても大変うれしい年」と話す、サントリー 取締役 常務執行役員 ワインカンパニー社長の吉雄敬子氏。拡大の背景として、新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初の解禁であることを挙げ、「4年ぶりの外食だったり、自宅に集まったりで、今しか飲めないボジョレー ヌーヴォーを楽しんでいただける機会が増える」ことを想定。さらに、同社のラインナップを昨年よりも強化することで消費者ニーズに応えるとともに、店頭価格が昨年より少し下がることも大きな理由と考えられる。

  • サントリー 取締役 常務執行役員 ワインカンパニー社長の吉雄敬子氏

「今年の出来にとても満足していて、皆さんに召し上がっていただけるのを楽しみにしている」という、ジョルジュ デュブッフ社 取締役のアドリアン・デュブッフ・ラコンプ氏は、ぶどうの開花からワインができるまでの工程を紹介する。

  • ジョルジュ デュブッフ社 取締役のアドリアン・デュブッフ・ラコンプ氏

ボジョレーのワインはすべて“ガメ”と呼ばれるぶどうの品種で作られているが、ぶどうの開花は6月はじめ頃。「今年の6月のボジョレーは非常に暑かった」と振り返るアドリアン氏だが、この暑さと太陽の光、日射量のおかげで、ぶどうの花が大きく育ったという。

そして、7月になるとぶどうの実が大きく膨らみ、色合いも緑から紫に色づき出すが、「この色が変わるところが毎年の楽しみの瞬間」と笑顔を見せる。そして、8月になっても暑い日が続いたが、収穫の直前に5日ほど雨が降ったおかげで、程よくぶどうの中に水分が入り、酸味と糖度のバランスが非常によく取れたぶどうが収穫された。

今年の収穫は9月1日から。ボジョレー ヌーヴォーに使用されるぶどうは100%手摘みで、「収穫の時期は村人総出で、非常に忙しい」とのこと。今年は非常に暑い日が続いたため、作業時間を例年より2時間早めて、朝の涼しい時間に作業が行われ、収穫されたぶどうはすぐにワイナリーに運ばれるが、収穫時とワイナリーで2度の選果が実施されることについて、「本当に良質なぶどうだけを醸造に使うためのプロセス」であると強調する。

「今年のボジョレー ヌーヴォーを一言で表現すると“Bonbon rouge(ボンボンルージュ)”」というアドリアン氏。この“Bonbon rouge”は、フランス語で“赤いキャンディー”を意味しており、グラスに注がれたワインの色は、「宝石のように光り輝くルビー色をしている」とアピールする。

そして、口に含むと「まるで摘みたての赤い果実をそのまま口にほおばったようなフレッシュな味わい」が感じられ、いちごやラズベリーを思わせる赤い果実の甘い香りや瑞々しさが、口の中で弾けるように広がると、2023年の「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー」の味わいを紹介した。

フランス産新酒ワイン5種を11月16日に発売

サントリーが今年発売するフランス産新酒ワインは、「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2023」をはじめ5種8品目と豊富なラインナップが用意される。

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2023
ジョルジュ デュブッフ社が手掛けるボジョレー ヌーヴォーの象徴的存在として、創業者ジョルジュ・デュブッフ氏のブレンドをもとにつくられた商品。中味は果実や花の香りがあふれ、軽やかでフルーティーな味わい。ボジョレー ヌーヴォーならではの魅力が詰まっている。

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー・ヴィラージュ ヌーヴォー 2023
ボジョレー・ヴィラージュ地区の畑から収穫されたぶどうだけを厳選した“ワンランク上のボジョレー ヌーヴォー”で、より凝縮した果実感や花束のような香りと濃密で滑らかな味わいが特長。

ジョルジュ デュブッフ オレンジ ヌーヴォー 2023
白ぶどうの果皮や種を果汁と共に発酵してつくられたオレンジワイン。今年収穫の白ぶどうを使用して色鮮やかに仕上げたオレンジ ヌーヴォーは、フレッシュな爽やかさの中に、ジューシーなオレンジや白桃を思わせる風味が感じられる味わいとなっている。

ジョルジュ デュブッフ ロゼ ヌーヴォー 2023 ルーゼ
「ルーゼ」は「ロゼと赤の間」を意味するフランス語の造語。ぶどうの果皮をワイン果汁に漬けて短時間醸造するひと手間を加えることで、赤いベリーなどの豊かな果実味が詰まったふくらみのある味わい、ほどよい渋さとコクが感じられる辛口のロゼワイン。日本限定発売。

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー・ヴィラージュ ヌーヴォー セレクション プリュス 2023
ボジョレー地区全体で3,000軒もある生産者から、ジョルジュ デュブッフ社がその年最良と認めた“トップキュベ”のみを厳選。収穫したばかりのぶどうが持つ本来の果実感がよりそのまま感じられるように、冷却ろ過をあえて行わないノンチルフィルタード製法で、凝縮感があり深みのある味わいにブレンド。

なお、「ジョルジュ デュブッフ オレンジ ヌーヴォー 2023」は、ボジョレー地区のぶどうを使っていないため、「ボジョレー ヌーヴォー」ではなく、あくまでも今年とれたぶどうを使った「新酒」となっている。

「旬のワイン」と「旬の食材」を掛け合わせた「ボジョ飯」

そして、今が旬のボジョレー ヌーヴォーと、旬の食材を使ったレシピを掛け合わせ、時間や空間まで一緒に楽しめる食スタイルとして「ボジョ飯」を提案。「ボジョ飯」は手軽で意外性を意識したレシピとなっており、今回は、赤、オレンジ、ロゼのヌーヴォーそれぞれに合わせた「ボジョ飯」が紹介された。

  • 赤、オレンジ、ロゼのヌーヴォーに合わせた「ボジョ飯」

サントリーからの“ボジョレー ヌーヴォーは豚肉が合う”というヒントと、“旬の食材を合わせてほしい”というリクエストに応えて、「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2023」に合う「ボジョ飯」として、料理家の和田明日香氏は、「秋の香りの豚大根」を提案する。

  • 料理家の和田明日香氏

「これは私の勝手な推測」と前置きしつつ、「ボジョ“飯”だから、普通のおかずで良いのでは」と考えた和田氏。「ボジョレー ヌーヴォーのために背伸びをしたおかずをつくるのではなく、本当に普段食べているようななんでもないおかずが、ボジョレー ヌーヴォーと合わせることで、勝手にランクアップして、すごく特別な空間にしてくれる」と、今回のレシピの意図を解説する。

そのほか、「ジョルジョ デュブッフ オレンジ ヌーヴォー 2023」には「サーモンのムニエル ほうれん草のオレンジクリームソース」、「ジョルジョ デュブッフ ロゼ ヌーヴォー 2023 ルーゼ」には「エビと香味野菜の生春巻き」が、それぞれ「ボジョ飯」として紹介された。

11月16日0時、ついにボジョレー ヌーヴォーが解禁

そしてついに解禁時間を迎え、カウントダウンにあわせて、2023年のボジョレー ヌーヴォーを開栓。そして、アドリアン氏による「Santé !(サンテ)」の発声に合わせて乾杯し、ボジョレー ヌーヴォーの解禁を祝った。

  • ボジョレー ヌーヴォーの解禁を祝う

解禁されて、ボジョレー ヌーヴォーを口にした和田氏は、「おいしいです。絶対に(ボジョ飯に)合うと思います」と絶賛。解禁前のため、あくまでも想定でつくったレシピだったこともあり、「今、確信に変わってすごくうれしいです」と喜びながらボジョレー ヌーヴォーを楽しんでいた。

一方、吉雄氏は、「飲む前にご説明した通り、果実感がしっかりあって、甘さと酸味のバランスがすばらしいヌーヴォーだと思います」と、こちらも喜びを隠せない様子。アドリアン氏も「今日、この日のために一年間頑張ってきた」と安堵の表情を浮かべながら、「今、注がれた瞬間、フルーツの香りが感じられて、まるで小さい花火がグラスの中から打ち上がっているんじゃないかと思うくらい、弾けるような香りが出ているので、とれもうれしい気持ちでいっぱいです」と、あらためてボジョレー ヌーヴォーの魅力をアピールした。

  • 解禁されたボジョレー ヌーヴォーとボジョ飯を楽しむイベント参加者たち