韓国のヒョンデ(Hyundai)は電気自動車(EV)の「コナ」(KONA)を日本で発売する。グレードは4種類で価格は399.3万円~489.5万円。フル充電での航続可能距離は625kmを達成している。ヒョンデが日本に導入する2車種目のEVとなるコナはどんなクルマなのか、実車を確認してきた。
ヒョンデの主力EVが日本初上陸
コナは「コナコーヒー」で有名なハワイの地名が由来。日本に入ってくるのは2023年にフルモデルチェンジした2世代目のコナだ。この11月には北米と欧州でも発売となる。コナはヒョンデの主力モデルであり、2022年にはグローバルで23万台が売れている。
ヒョンデは昨年、EVの日本導入第1弾モデルとして「IONIQ5」を発売。アジアのブランドとして初めて「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど高い評価を獲得したものの、年間販売台数は1,000台に到達しなかった。Hyundai Mobility Japan代表取締役CEOの趙源祥(チョ・ウォンサン)さんは「お求めやすいEVを望む声」が届いたこともあり、取り回しのしやすいコンパクトSUVであるコナの日本導入を決めたという。
「コナ」のボディサイズは全長4,355mm、全幅1,825mm、全高1,590mm、ホイールベースは2,660mm。前後の「シームレスホライゾンランプ」が特徴的だ。つるりとしたデザインのクルマが増える中、ボディサイドにラインを多用したコナは街で目立つかもしれない
日本に入ってくるコナは「Casual」「Voyage」「Lounge」「Lounge Two-tone」の4グレード。価格は399.3万円から489.5万円で、国からの補助金65万円を適用できる。中国のBYDがSUV型EV「ATTO3」を440万円~の価格設定で日本に導入した時は安くて驚いたが、コナは驚異の300万円台を実現している。
Casual | Voyage | Lounge | Lounge Two-tone | |
バッテリー容量 | 48.6kWh | 64.8kWh | 64.8kWh | 64.8kWh |
一充電走行距離(WLTC、自車測定値) | 456km | 625kmk | 541km | 541km |
最高出力/最大トルク | 99kW/255Nm | 150kW/255Nm | 150kW/255Nm | 150kW/255Nm |
車両重量 | 1,650kg | 1,730kg | 1,790kg | 1,770kg |
水平基調のダッシュボードと12.3インチパノラマディスプレイが特徴のインテリア。「IONIQ5」で便利だった、ウインカーを出すと曲がる方向の死角をディスプレイに映し出してくれる機能は「コナ」にも付いているそうだ
コナには内燃機関搭載モデルやハイブリッド車もあるが、EV先行型の開発により室内の広さを確保している。床下にバッテリーを積むと着座位置が高くなり、ヘッドクリアランスが削られがちなEVだが、最初からEVを念頭に置き、EVに最適化した設計を施すことで、後席足元のフラットフロアを実現し、後席でもゆったりと過ごせる足元スペースを実現できたそうだ。ちなみに、日本ではゼロエミッション車(ZEV)のみを売るというのがヒョンデの方針なので、コナのガソリン車やハイブリッド車が日本に入ってくることはないらしい。