バンダイによる「なりきり玩具」の祭典「NARIKIRI WORLD 2023」が10月20~22日の3日間、東京・秋葉原UDX「AKIBA SQUARE」にて開催されている(入場無料)。前日の19日には「UDXシアター」にてオープニングセレモニー&新作発表会が行なわれ、最新なりきりアイテムにまつわる豪華ゲストが登壇し、エキサイティングなトークで盛り上がった。
「NARIKIRI WORLD 2023」では「ホンモノのアイテムを徹底研究したリアル造型」や「光や音、声のギミック」を詰め込んだバンダイのなりきり玩具を「見る・聞く・体験する」などさまざまな切り口で楽しむことができる。日本全国に空前の「変身ヒーローブーム」を巻き起こした『仮面ライダー』(1971年)の大ヒット商品「光る!回る!変身ベルト」を原点とし、50年以上の長きにわたってバンダイが作り上げてきたさまざまなキャラクターのなりきり玩具は創意工夫に満ちており、今や子どもたちから大人まで、幅広い世代に愛され続けている。
AKIBA SQUAREの壁面には「NARIKIRI WORLD 2023」のキービジュアルが大きく打ち出され、変身ベルト、変身アイテムの魅力を大いにアピールしている。
MC(フリーアナウンサー宮島咲良)の呼び込みにより、最初のゲスト『ウルトラマンジード』(2017年)の朝倉リク役・濱田龍臣が登場。人気子役として数々のテレビドラマで活躍してきた濱田は、「ウルトラマンになりたい」という幼いころからの夢を『ジード』で見事に叶えている。セレモニーに先立ち、イベント会場を観てきた濱田は宮島の「ここに住みたいくらいすばらしい」という感想を受け「そのとおりだと思います。なんで僕がここに住んでいないんだろうって(笑)」と同じ感想を抱いたことを明かしつつ「変身をテーマに、いろいろなアイテムが生み出され、長い歴史がつむがれてきたんだと肌で感じられる。熱量にあふれた最高の空間でした」と、バンダイが築き上げてきたキャラクターなりきり玩具の歴史を一望できるイベント内容を絶賛した。
会場内で、特に思い入れのある玩具は? という問いに対して濱田は「マックススパークです。僕は『ウルトラマンネクサス』(2004年)『ウルトラマンマックス』(2005年)『ウルトラマンメビウス』(2006年)をリアルタイムで観ていたので、マックススパークをはじめとする玩具でよく遊んでいました」と、ウルトラマンマックスの変身アイテム・マックススパークの玩具でなりきり遊びをしていたことを明かし、少し照れながらもマックスの変身ポーズを取った。
「NARIKIRI WORLD 2023」会場内に展示されているマックススパーク。ウルトラマンシリーズのブースには、超精密造型と音と光と声のギミックが入ったハイエンド向け商品「ウルトラレプリカ」として生まれ変わった歴代ウルトラヒーローの変身アイテムが多数展示されている。
次に、10月20日よりプレミアムバンダイにて予約受付が開始される新商品「ウルトラレプリカ ジードライザー」が披露された。朝倉リクがウルトラマンジードに変身するためのアイテムであるジードライザーは、ジードライザー本体と「装填ナックル」、そして6本の「ウルトラカプセル」で構成された商品。ナックルにウルトラカプセルを入れ、ジードライザーでその情報をスキャン(読み込み)することにより、歴代ウルトラヒーローの能力を融合(フュージョンライズ)したウルトラマンジードへと変身が可能になる。商品の現物を改めて目の当たりにした濱田は感激し「放送から6年たって、ついにジードもウルトラレプリカの仲間入りをしました。今はただ、嬉しいのひとことしかありません。音声ギミックがすごいんですけど、見た目がもうすでにカッコいい。僕が撮影のとき使っていた小道具と印象が同じです。表だけじゃなく、裏側もキレイになっています。以前のDX版では正面にあったネジ穴がなくなっているなど、全体の見た目がぜんぜん違います」と、これまでのウルトラレプリカシリーズで培った設計技術で、より本物に近くなるようディテールアップが施されていることに心を打たれた様子だった。
そして、20日より開始される「ウルトラレプリカ ジードライザーに入っていたら嬉しい音声やシーンをファンの方々がSNSに投稿していただくキャンペーン」も発表された。濱田のリクエストは「最終回。ベリアルと僕(リク)のやりとりを収録してほしい!」と熱を込めて語った。もし自分のリクエストが採用されたとしたら? という問いに対しては「力を尽くしてくださった人たちの方面に、足を向けずに寝ます! 日々感謝を込めながら!」とユニークな答えが返ってきた。
ここで、宮島より濱田へ、ウルトラレプリカ ジードライザーを手にして「変身」してほしいとリクエストがあり、濱田は緊張のあまり手に汗をかきながらも、久々に「ジーッとしてても、ドーにもならねえ!」から始まるジードの決め台詞を発し、変身のフルバージョンを堂々と見せてくれた。変身の感想を聞かれた濱田は「カプセルを使っての変身はすごく久しぶりでした。リアルなウルトラレプリカの持つ熱量により、テンション爆あがりで変身ができました。楽しかったです!」と、実に楽しそうな笑顔で語った。
濱田が一旦ステージを降りると、『仮面ライダー555(ファイズ)』(2003年)より仮面ライダーファイズ/乾巧を演じた半田健人と、仮面ライダーカイザ/草加雅人を演じた村上幸平が代わって登場。
半田と村上は、2024年2月2日から期間限定上映が行われるVシネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』に出演し、それぞれ20年後の巧、草加を演じている。
『仮面ライダー555』誕生20周年記念の新作Vシネクストに連動し、新作で新たな姿「ネクストファイズ」になる巧の新しい変身アイテムを「大人のための変身ベルト」の人気シリーズ「CSM」商品として製作。それが劇中で巧が変身に用いる「CSMファイズドライバーNEXT」である。20年前は折りたたみ式の携帯電話(いわゆるガラケー)で変身していた巧だったが、現代のファイズが変身に使うのは、スマホ型の最新型アイテムだった。
CSMファイズドライバーNEXT。中央に、タッチセンサーを備えた液晶パネルスマホがあり、番号をタッチすると効果音が鳴る。
20年ぶりの新しい変身アイテムについて半田は「ようやく、ガラケーを卒業しました」と言って周囲の笑いを誘った後「若い方たちはガラケーなんて触ったことがないので、以前のファイズを見ると『何だこの電話は?』と不思議に思うかもしれません。今回、その違和感に解決策が見出されました(笑)」と、20年の歳月を経てファイズがバージョンアップされた嬉しさをあらわにした。
続いて村上の手元には、『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』のBlu-ray&DVDとセット販売されるカイザネクストの変身用アイテム「カイザフォンXX」の現物が置かれた。
「カイザフォンXX」はネクストファイズと同じく、カイザの強化型「ネクストカイザ」になるための変身アイテムである。
村上は新作での草加が用いる専用「新」アイテムの登場を喜び「まさかカイザも新しいものを作ってくれるとは……。観てください。ゴールドのカッコいいボディ! 液晶画面がカッコいいんですが、さらにはこのカイザフォンXXはCSMカイザギアに装填することができるんです。お求めやすい価格でご提供いたします」と、商品のいいところを十二分に引き出すべく、優れたトークスキルを発揮した。
半田は村上の「カイザフォンXX」の止まらないセールストークに「通信販売感がすごいね(笑)」とすばらしい合いの手を入れた。それでも勢いの落ちない村上は「カイザフォンXX、名前がいいですよね。XXで20年だという意味と、ギリシャ文字の『カイ(X)』にもかかっているという解釈でいいんですかね?」と、草加に似た口調で新商品を称えた。
『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』はすでに完成しており、あとは公開の日が来るのを待つのみ。ファンにとっては1日でも早く観たいところだといえる。半田は作品の印象として「20周年作品にはいろいろな思いがありましたが、完成したものを見ると、自信を持っておすすめすることができます。かつて『555』が好きだった方も、初めて『555』に触れる方も、どちらもぜひ新作をご覧ください!」と、劇場に足を運んでほしいという思いを伝えた。
村上は「試写を観る前までは、ドキドキしてましたよ。俺たち『555』チームは『10周年記念作品』をやっていなかったから」と、テレビシリーズ最終回から一気に「20年後」へ飛んでしまうことへの不安を打ち明けたが、半田は「20年という歳月がかえってよかったんじゃないかな。熟成されてね。10周年作品とかだと、ヘンな若さが残っていたりするけれど、今ではすっかり『オトナ』ですから、振り切った芝居ができた(笑)」と、かつてのキャラクターが年齢を重ねることの意義を確かめるかのようなコメントを残した。
この日は新商品情報の解禁と同時に、『パラダイス・リゲインド』の60秒告知動画も解禁された。村上は告知映像で発表された「カイザへの変身」について「これまで草加は『仮面ライダーディケイド』(2009年)や映画『仮面ライダー大戦』(2014年)などに出てきましたけれど、変身後の声だけだったり、変身の解除をしたばかりのカットだったり、テレビが終わってからは一度もまともな変身をしたことがなかった。今回、20年ぶりにカイザへ変身できました。まさにヴィンテージの変身(笑)」とコメントすると、半田がすかさず「熟成された変身をぜひ、ご覧ください!」と村上を盛り立て、新作Vシネクストへの期待を煽った。
ネクストファイズの変身を披露する半田。以前のファイズと変身ポーズそのものは変化していないが、今回は「携帯電話を折りたたむ」モーションが消滅したため、心もちスピーディな変身となっているようだ。
村上は、ネクストカイザへのクールな変身シークエンスを再現した。
『パラダイス・リゲインド』には、オルフェノクの殲滅を使命とする謎のライダー「仮面ライダーミューズ」も登場。2024年には、ファイズドライバーNEXT、カイザフォンXXに次ぐ『555』関連アイテムとして「CSMミューズドライバー」が商品化されるという。現段階では詳細が不明であり、これからの続報に期待したい。
やがてステージに濱田がかけつけ、今回のゲスト3名が勢ぞろい。それぞれの関連商品を今一度大プッシュして、応援を呼びかけた。
村上の元には、会場で先行販売となる「レジェンド変身ベルトシリーズ カイザドライバー(限定復刻パッケージver.)」がディスプレイされた。CSMと違って小さな子どもをターゲットにした商品であるが、音と光のギミックなどクオリティは極めて高い。村上は「なんといってもお値段がお手頃。優しいお値段で、この『呪いのベルト』を体験していただけます(笑)」と笑みをたたえながら全開のセールストークを披露した。
気持ちよくカイザドライバーをPRしている村上を見て半田は「そういう(通販)番組やったらいいのに。向いてますよ(笑)」と絶妙のリアクションを飛ばしつつ「これ、大人の方も『延長ベルト』があればちゃんと巻けますから!」と、子ども向け商品であっても大人の使用も不可能ではないことをきちんと説明していた。
濱田は「変身は色褪せない……。まさにそのとおりだと思います。『ジード』から6年、自分自身どんどん『変身』に対する意識が変わってきて、変身ってとてもカッコよく、すてきなものだと思います。ぜひ会場に足をお運びいただき、ウルトラレプリカ ジードライザーもなにとぞよろしくお願いします!」と、初代ウルトラマンからの「変身アイテムの系譜」を引き継ぎ、次世代へと渡していくことの大切さを実感しながら挨拶した。
半田は「何かになりきるという思い、こういうのは人間を動かす原動力になります。夢をいつまでも追いかけて、こういうイベントでいかにホンモノになりきるか……年齢なんて関係なく、楽しんでもらいたいです」と、大人になっても夢見る力、空想の力を大切にし続け、今回の「NARIKIRI WORLD 2023」を堪能してほしいと語った。
村上は「20周年の今年、まさかカイザの新アイテム(カイザフォン)が出るなんて……。ほんとうに嬉しく思っています。ぜひイベント会場にお越しになり、楽しんでください! あとですね、個人的な願望ですけど、CSMカイザギアの『ver.2』をいつか出してくれたらいいなと。それが無理ならカイザギアBOXだけでも!」と、今後の自身の関連アイテム商品化を強くリクエストしつつ挨拶した。「30年後なら」という半田の途方もないアイデアに対して村上は「30年後ですか。声が変わってしまうかも。だいぶビンテージが進んじゃう」とキツいギャグで応戦。最後に半田は「まあ、期待しましょうよ」と、今後の『555』商品展開にさらなる発展があることを願うコメントを残し、オープニングセレモニーをしめくくった。
MCの宮島を交えた4人による記念撮影。
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