アバルト初の電気自動車(EV)「アバルト500e」が10月28日に日本で発売となる。価格はハッチバックが615万円、カブリオレが645万円。世界限定1,948台、日本限定200台のローンチエディション「スコーピオニッシマ」(Scorpionissima)は630/660万円だ。それにしても、エンジン音やマニュアル車のイメージが強いアバルトが、なぜEVを作るのだろうか? ステランティスジャパンのアバルト500e発表会を取材した。

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    「アバルト500e」が日本上陸!

ガソリンモデルを凌駕する性能

「アバルト500e」(Abarth 500e)はブランド初のEVだ。ベースとなるフィアット「500e」のコンパクトなサイズは維持しつつ、動力性能を引き上げ、ガソリンモデルに対しては前後の重量配分を最適化するなど走りを強化したモデルとなる。

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    「アバルト500e」のボディサイズは全長3,675mm、全幅1,685mm、全高1,520mm、ホイールベースは2,320mm。ガソリンモデルに比べトレッドは60mm拡大、前後重量配分はガソリンモデルの63:37が57:43に改善している

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    車体の随所にブランドアイデンティティであるサソリのパーツを模したデザインを採用したのは「アバルト500e」が初めて。18インチアルミホイール、フロントバンパー、ステアリングホイールはサソリの爪を模しており、独特な外観のリップスポイラーはサソリの足をイメージしているそうだ

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    アバルトのクルマは従来、フロントグリルにブランドロゴを装着していたが、「アバルト500e」はダークチタングレーの「アバルトレタリング」を初めて採用している

アバルトなど複数のブランドを展開するステランティスジャパンの打越晋社長によると、アバルトがEVを作るのは「究極のパフォーマンスを追求する」には電動化が最適な手段であるため、とのこと。アバルト500eは最高出力114kW、最大トルク235Nmの動力性能を持ち、0-100km/h加速は7秒でガソリンモデル「695」とほぼ同タイム、20-40km/h、40-60km/hの中間加速では「695」よりも約1秒早いタイムを記録したそうだ。バッテリー容量は42kWh、フル充電での走行可能距離(WLTCモード)はハッチバックが303km、カブリオレが294km。

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  • インテリアは黒ベースにブルー、イエローのダブルステッチが入る。クロームのドアシルやアルカンターラ素材などで質感を向上させている

EVなのにエンジン音のようなサウンドを堪能できるのがアバルト500eの大きな特徴。専門チームが6,000時間超をかけて作り込んだ独自のサウンドシステム「サウンドジェネレーター」を搭載し、車両後方内側のウーファーから音を聞かせる。同システムはステアリングホイールのスイッチでON/OFFの切り替えが可能だ。

アバルト500eのボディカラーは「アンチドーテホワイト」「ベノムブラック」「アドレナリンレッド」「アシッドグリーン」の4色。専用装備のサイドデカールが入るローンチエディションは「ポイズンブルー」「アシッドグリーン」の2色で、青は同モデルの専用色となる。

2023年9月初旬に始めたアバルト500eの「カタログ請求キャンペーン」では、応募者の約65%がアバルトあるいはフィアット以外のクルマに乗る新規顧客だったという、アバルトは全体として男性客の多いブランドだが、500eでは女性客の増加を狙っていきたいとのことだ。