映画『BAD LANDS バッド・ランズ』(公開中)の公開記念舞台挨拶が7日に大阪で行われ、安藤サクラ、山田涼介(Hey! Say! JUMP)、原田眞人監督、原作の黒川博行氏が登場した。

  • 左から黒川博行氏、安藤サクラ、山田涼介、原田眞人監督

    左から黒川博行氏、安藤サクラ、山田涼介、原田眞人監督

同作は黒川博行氏による小説『勁草』の実写化作。特殊詐欺に加担するネリ(安藤)と弟・ジョー(山田涼介)はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。金を引き出すだけだったはずの2人に様々な巨悪が迫る。

公開し1週間が経った10月7日(土)に、作品の舞台となった大阪で舞台挨拶を実施。大阪の中心・梅田の映画館「T・ジョイ梅田」にキャスト、タッフ陣が登場し、駆け付けたファンの歓声の中で、今作の魅力を存分に語り尽くした。今回はオフィシャルレポートを紹介する。

『BAD LANDS バッド・ランズ』公開記念舞台挨拶in大阪 オフィシャルレポート

映画『BAD LANDS バッド・ランズ』の公開から一週間が経過した10月7日(土)、舞台となった大阪の映画館に、本作の主演を務めた安藤サクラ、安藤の弟役を務めた山田涼介(Hey! Say! JUMP)、今作のメガホンを取った監督の原田眞人、原作小説『勁草』の作者黒川博行が登場し、『BAD LANDS バッド・ランズ』大阪舞台挨拶を実施した。物語の舞台であり、ロケも行われた大阪で迎える舞台挨拶に、4人はすっかり慣れ親しんだ様子で登場。

上映後には拍手が巻き起こり、ボルテージが上がり切った会場に、安藤、山田、原田監督、黒川が登場すると、客席からは割れんばかりの大きな拍手が。興奮冷めやらぬ観客を前にして、安藤が「やっと映画を観てコミュニケーションを取れるのを楽しみに来たら、もうこん中スゴイ!」と興奮した様子で話すと、山田も「熱気がね!」とすかさず合いの手を入れ作中の姉弟さながらのテンポの良さを見せました。安藤は続けて「そう熱気が!いい回になるなと思っております。」と会場の空気を感じながら舞台挨拶への期待を口にしました。山田は「気になる点沢山あるのかなと思いますので、なんでも我々に聞いてください! 楽しみましょう!」と観客とのコミュニケーションを楽しみにしている様子、原田監督が、「色々面白い質問が出てくることを楽しみにしています。」とコメントし、黒川も「映画も本当に良い出来なので、良かったと思います。ありがとうございます。」と喜びをにじませた。

特殊詐欺を生業とする主人公のネリと、その弟ジョーによる予測不可能なクライムサスペンスが本作。公開から2週目に入り、映画の舞台という事もあって好調な成績を収める大阪での舞台挨拶となり、関西の方からの反響は届いているかといった問いかけに対し、大阪での撮影について壮絶な過去を背負いながらも、強く優しく生きるネリを演じた安藤は、「昨日も商店街で『BAD LANDS バッド・ランズ』見ました!と女性に声をかけられました。私は一昨日(劇場に)見に行きました。どんな人が観ているんだろうと気になって…。」とプライベートでも反響があり、ご自身も作品をお気に入りの様子。純粋無垢で無鉄砲なサイコパス・ジョーを演じた山田も「凄く反響がありまして…関西出身の方からも大阪のあんな場所で撮影したんだね。ほんとに関西弁が全く問題ないよと言っていただけたのが凄く嬉しくて、安藤さんも山田君もめっちゃ頑張ったでしょと言われたのが本当に嬉しかった」と大阪舞台の作品ゆえの反応が新鮮だったようだ。映画化の話を原田さんに振られた黒川は、「原田監督に映画を作っていただけると聞いて、1も2もなく賛成しました。この映画も良く出来ています。面白いです。とても嬉しいです。」と喜びを噛みしめるように想いを伝えた。原田監督は、原作の発売後、長い年月を経て映画化されたことについて聞かれると、「やはり原作が、映画人を引き付ける原作ですよね。」と満足げに答えた。

会場のお客様が作品を観た感想や気になることを、キャストや監督に直接ぶつけてもらうスペシャルトークコーナーがスタートすると、100人近い観客が我よ我よと積極的に挙手。「特殊詐欺をテーマにした映画ですが、皆さんが騙されかけたことはありますか?」という質問が飛び出し会場に笑いが起きると、安藤が「オレオレ詐欺の電話かかってきたんですよ! 実家に。でも警察に電話したんで。だから、うちにかけてきても、うちは騙されません!! そんなつもりでかけてきてもうちの実家は騙されません!」と映画のキャラクターとは真反対の言葉で更に会場を盛り上げた。

「思い入れのあるシーン、こんな事があったというエピソードが聞きたい。」という質問には、「中之島プロムナードのシーンで、200人近いエキストラをその場でフリーズさせると、普通の通行人がパニックになってしまって。その光景が面白くて撮りたかった。」とロケ撮影ならではの撮影秘話が原田監督から飛び出した。安藤は「思い入れのあるシーンがいっぱいあるので選ぶのが難しいのですが…(小道具の)瓶を割っちゃったんです。もう一回撮り直して、割らないのも撮ったんですけど、映画だと割ったのが使われてて、割って良かったなと思いました。一味良かったなと思って…。」と間違えてもカットをかけるまで演技を続けなくてはいけない原田組の厳しいルールの話を交えながら、山田とジェスチャーで戯れながら、茶目っ気たっぷりに撮影秘話を明らかにした。すると原田監督も「カットをかけても続けるルールを守れなかったのは宇崎さんだけです。」と暴露し会場に笑いを起こした。山田は劇中で安藤演じるネリと詐欺働くシーンをあげ、「あのシーン一番緊張してたんです。ものすごく関西弁もセリフも難しいし、何度か嚙んだりして、厳しいルールもあってドキドキしちゃって…何度かNGを出して。」と当時の心境を明かすと、安藤が「あれお正月だったんじゃない? 年明けの最初みたいな。ほらお正月、いっぱい歌って踊ったから」と茶々を入れ、山田も慌てて「ちょっとアイドルの方が…自分を見失ってたのかもしれないですね。」と阿吽の呼吸の掛け合いで仲の良さを垣間見せた。

また、「撮影中、撮影期間中に食べた美味しかったものはありますか?」という質問には安藤が、「ネリが自分で作って食べてるのが、切り干し大根とささみとナンプラーと、みたいな割と食べたことの無い料理なんですけど、監督の凄くこだわりのレシピで、それめっちゃ美味しいんで後でTwitter(X)に載せますね。」とお客様へのサービス発言をすると、会場には大きな拍手が起こった。山田は「滋賀で食べた近江牛です!」と即答し、笑いが起こった。

あっという間に最後のメッセージになり、山田は「この映画ありがたいことに面白いという反響をいただいています。」と真摯な感謝を伝えた後、黒川からあった賭場のシーンに関する解説を持ち出し、「黒川さんからもありました賭場講座!また観たくなったでしょう!ぜひ何度も何度も劇場に足をお運びください。」と笑顔で挨拶を終えた。安藤はSNSでの発信を「皆様の中に残ったジョーだったり、ネリだったり、曼荼羅(演:宇崎竜童)だったりを書いていただけたらより広がっていくのかなと思います。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。」と安藤らしい言葉で呼びかけ、舞台となった大阪での舞台挨拶は幕を下ろした。