今や私たちの生活の一部となりつつある「ポイ活」。日々の買い物で、ポイントをできるだけもらうようにしている人は多いでしょう。一方、ポイ活をほとんど意識しないで生活し、ポイントが付与されてもあまり有効活用していない、という人もいるようです。
では、ポイ活をしないとどのくらい損をしてしまうのでしょうか。ポイ活をする場合としない場合のお得さを比較するほか、改めて知りたいポイントの取得方法、ポイ活の注意点もあわせてご紹介します。
■ポイントを得る方法は主に5つ
ポイ活とは、ポイントを貯めて有効活用し、節約に役立てていくことを指す言葉です。最近ではスーパーやドラッグストア、飲食店のほかあらゆるお店でポイントがもらえるため、何気なく買い物をするだけでも「気づいたらポイントが貯まっていた」と感じることがあるのではないでしょうか。
もはや身の回りにあふれているポイントですが、ポイントを得るにはどのような方法があるのでしょうか。ポイントを得る5つの方法をおさらいしましょう。
1. ポイントカードに付与してもらう
お店独自のポイントや、4大ポイントと呼ばれる「Tポイント」「Pontaポイント」「dポイント」「楽天ポイント」などのポイントをもらう方法です。次にご紹介するキャッシュレス決済と組み合わせれば、ポイントの「二重取り」が可能になることもあります。
2. キャッシュレス決済で付与してもらう
クレジットカードやデビットカード、電子マネー、○○Payなどのキャッシュレス決済でポイントを付与してもらう方法です。支払い方法をキャッシュレスに変えるだけで、手軽にポイントがもらえます。
たとえば、公共料金の支払いをクレジットカード払いにすると、毎月の支払いごとにポイントを得ることができます。
3. ネットショッピングでポイントをもらう
店頭での買い物のほか、「楽天市場」などでネットショッピングをした場合もポイントがもらえます。ネットの手軽さを活用し、ポイントアップ期間を狙って買い物するとポイントを効率よく貯められます。
4. アンケートサイトやポイントサイト、ポイントアプリでポイントをもらう
アンケートサイトとは、アンケートや商品モニターなどの案件をこなすことでポイントがもらえるサイトです。また、資料請求やクレジットカードの作成などでポイントがもらえるポイントサイトも、ポイ活でよく活用されています。
そのほか、歩いた歩数に応じてポイントが貯まったり、レシートの撮影でポイントがもらえたりするアプリなども登場しており、ポイントを得る機会は近年ますます増えています。
5. ポイントモール経由でポイントをもらう
ポイントモールとは、クレジットカード会社やポイント発行企業が参加しているショッピング情報の総合サイトのことです。
ポイントモールを経由して買い物や旅行予約などを行うと、通常ポイントのほかにショップごとに設定されたボーナスポイントを得ることができます。
このように、ポイントを取得する方法は実にさまざまです。普段の買い物で少し工夫するだけでも、ポイントが貯まるのを実感できるでしょう。
■ポイ活しないとどのくらい損する?
では、完全な現金派で全くポイ活をしない場合、ポイントがもらえないことでどのくらい損をしてしまうのでしょうか。ここでは、毎月の食費と日用品(家具・家事用品)費、水道光熱費、通信費をクレジットカードで支払った時に付与されるポイントを、2人以上の世帯と単身世帯でシミュレーションしてみました。なお、ポイント還元率はいずれも1%とします。
まず、2人以上の世帯から見ていきましょう。総務省統計局の「家計調査 家計収支編」(※1)によると、2022年の2人以上の世帯全体の食費の平均は7万7,474円/月でした。また、水道光熱費は2万4,522円、家具・家事用品は1万2,121円、通信費は1万2,595円で、合計すると12万6,712円になりました。
この支出を還元率1%のクレジットカードで支払ったとすると「12万6,712円×1%=1,267円」のポイントがつき、貯まったポイントは次回の買い物で利用できるため、1,267円分節約に役立ちます。
次に、単身世帯です。同じく「家計調査 家計収支編」(※2)のデータを見ると、2022年の単身世帯全体の食費の平均は3万9,069円/月でした。また、水道光熱費は1万3,098円、家具・家事用品は5,487円、通信費は7,008円、合計すると6万4,662円になります。
この支出を還元率1%のクレジットカードで支払ったとすると「6万4,662円×1%=646円」分のポイントが付与され、646円分節約に役立ちます。
今回は、還元率は一律1%としてシミュレーションしてみましたが、還元率の高くなるお店でポイ活したり、ポイントアップ期間を狙って買い物をしたりすれば、得られるポイントはさらに多くなる可能性があります。反対に、ポイ活をしない場合は、ポイントによる節約効果を得ることはできません。
1ヶ月単位ではほんの少しのポイントでも、長い期間積み重ねると大きな金額に相当します。面倒だけどポイントを貯めてみたい人は、公共料金など固定費のクレジットカード払いだけでも取り入れてみるといいでしょう。
(※1)総務省統計局「家計調査 家計収支編 2022年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出/都市階級・地方・都道府県庁所在市別」
(※2)総務省統計局「家計調査 家計収支編 2022年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出/都市階級・地方別」
■ポイ活の思わぬ落とし穴とは
このように、支払い方法をキャッシュレスに変えるなどしてポイ活をすると、ポイントが節約に役立ちお得になります。しかし、必ずしも「ポイ活=お得」ではなく、ポイ活の仕方によっては逆に損をしている場合もあるのです。最後に、ポイ活の思わぬ落とし穴をご紹介しましょう。
ポイントを貯めるためムダな買い物をしがち
「ポイントがもらえるから」という意識があると、つい余計な買い物をしがちになります。たとえば、ポイントアップのため本来なら必要のない買い物を追加してしまった経験はないでしょうか。
ポイントが付与されるとお得な気がしますが、たとえポイントがつかなくても、ムダな買い物をしないほうが節約には効果があります。
自由に買い物できなくなる
ポイントを貯めることが目的になるあまり、わざわざ遠くのお店まで足を運んだり、欲しい商品ではなくポイントに有利な商品を買ったりする人は少なくありません。
そうした行動は、ポイントを少し多く貯めるのには役立ちますが、反面、余分な時間を費やし自由な買い物ができなくなるというデメリットもあります。ポイントに縛られているという意味では、日常生活で損をしているとも言えるでしょう。
ポイントカードを持ちすぎて有効活用できない
特定のポイントを貯めるため労力をかけすぎるのも問題ですが、反対に、どのお店に行ってもポイントが貯められるようポイントカードを持ちすぎるのもおすすめできません。ポイントが分散し、ポイ活には逆効果になってしまうからです。
ポイントは貯めるだけでは意味がなく、有効活用して初めてその効果が発揮されます。ポイントを使う時のことを考えれば、あまり多くのポイントカードは必要ないでしょう。
■ルールを決めてポイントとうまく付き合おう
キャッシュレス決済やポイントカードの提示などにより、買い物のたび貯まっていくポイント。しかし、あまりにポイントを貯めることに振り回されると、かえってお金や時間、手間をかけることにもなりかねません。
ポイントとうまく付き合いながらお得さを得るには、貯めるポイントの種類を絞りつつ、「ポイントのためにわざわざ遠出しない」「ポイントを気にせず必要なものだけ買う」などポイ活にルールを設けるといいでしょう。