クラシエ薬品は9月28日、「秋の花粉症」に関する調査結果を発表した。同調査は8月23日~24日、全国の20代~70代の男女200名を対象に、インターネットで実施した。
秋にも花粉を飛散する植物があり、一般的に8月下旬から10月に現れる花粉症は「秋の花粉症」と呼ばれている。秋に花粉症の症状を感じたことがあるか尋ねたところ、31.5%が「ある」と回答した。
性・年代別で見ると、男女ともに20代が最も秋の花粉症の症状を感じておらず、30代で最も症状を感じていることがわかった。30代以降で「感じたことがある」と回答した人の割合を見ると、男性は比較的高い数値を維持しているのに対して、女性は徐々に減少している。
秋に花粉症の症状を感じたことがあると回答した人に、具体的にどのような症状を感じたかと尋ねたところ、「鼻水」(82.5%)が最も多く、「目の痒み」(66.7%)、「鼻詰まり」(44.4%)と続いた。「喉のイガイガ」や「咳」といった風邪のような症状や、肌の痒みを感じる人も存在しており、秋の花粉症特有の症状を感じている人も一定数いることがわかった。
「たえ子耳鼻咽喉科めまいクリニック」の伊藤妙子医師によると、秋にはキク科のブタクサ・ヨモギ、アサ科のカナムグラの花粉が飛散している。野原や河川敷といった身近な場所に生え、背丈も約2メートルとスギやヒノキといった春の花粉と比較して低いため、近づくだけで花粉を吸いこんでしまう可能性があるという。
また、秋の花粉は粒子が細かいため、鼻を通り抜け気管支にまで侵入してしまう。そのため、春の花粉では感じることのなかった喉の痛みや咳の症状も現れる。夏の紫外線でダメージを受けた肌に花粉が触れることで、顔の皮膚に痒みや赤みを発症するのも秋の花粉症の特徴であるとのこと。
花粉症と風邪の症状は似ているが、花粉症は晴れた日に強い症状が現れ、自然に治癒しないといった特徴がある。鼻水も、花粉症の場合は無色透明で水のようにサラサラとしており、連続してくしゃみが出ることも風邪とは異なる。目の痒みは風邪では現れにくい症状のため、鼻の症状に加え、目の症状を感じた場合は、花粉症である可能性が高いという。
ブタクサやヨモギといった秋の花粉は背丈が低く、飛散範囲も狭いため、あらかじめ近づかないことが一番の予防法になる。秋の花粉は粒子が細かいため、衣服のほかにも皮膚や髪にも付着してしまう。ウェットシートや粘着カーペットなどで、自宅に入る前に頭から足にかけて花粉を落とし、自宅に花粉を持ち込まない工夫も大事とのこと。