開幕まで1カ月を切った国際自転車ロードレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」。10月6~9日の4日間にわたり、福岡、熊本、大分の3県を舞台に国内外のトップ選手が九州の街や自然を駆け抜ける。自転車ファンならずとも注目が集まる大会に参加する18チームのうち、九州にゆかりのあるチームを紹介する。

  • ポーズをとるチームブリヂストンサイクリングの今村駿介(右)と児島直樹(撮影・中村太一)

世界を舞台に活躍するチームブリヂストンサイクリングの今村駿介(25)と児島直樹(22)は、地元でのレースに闘志を燃やす。ともに福岡県出身で、祐誠高(同県久留米市)で競技に励んだ縁がある。

「地元の福岡の選手として福岡ステージはもちろん、総合優勝を狙って活躍したい」と今村。児島も「(豪雨などの)被災地も走ると聞いているので、感動や勇気を与える走りができたら」と決意を込めた。

8月に行われたトラックの世界選手権では、今村が男子オムニアムで同種目初のメダルとなる銅メダルに輝いた。児島も男子ポイントレースで7位。パリ五輪での活躍も期待される2人が九州路を駆け抜ける。

ともにトラック種目で世界と戦いながら、ロードレースにも積極的に参戦している。今村は「トラック中距離のレースは持久力とスピードが両方必要。スピードはトラックのトレーニングで鍛えつつも、ロードレースが持久力のトレーニングに直結してくる」と意義を語る。児島も世界のトップ選手が高いレベルで両立する姿を見て「以前は(トラックとロードは)別物と考えていたが、相乗効果が生まれる」と感じるようになった。

ツール・ド・九州に向け、今村は「最後の勝負や重要な場面を任されることが多い」と役割を自覚する。「児島選手は体力を生かして対応してくれる場面で動いてもらえたら。(選手の)力をうまく組み合わせることによってチームの成績にも直結してくる」と分析する。児島は「エースを勝たせるための動きをこれまでにも何度かやってきているので、そういう動きを全力でやっていけたら」と意気込んだ。(伊藤瀬里加)