今年も勃発した「月見バーガー戦争」。ハンバーガーチェーンを筆頭に、各社が目玉焼きを挟んだ独自の月見バーガーを期間限定で販売しているが、結局のところ、どこがどう違って、どこがどうウマいのか。
今年もまとめて検証すべく、主要な月見バーガーを一気に食べ比べてみた!
▼ケンタッキーフライドチキン「とろ~り月見チーズフィレバーガー」(490円)
まずはこちら、ケンタッキーフライドチキンの「とろ~り月見チーズフィレバーガー」。他にも「とろ~り月見チーズ和風カツバーガー」がラインナップしていたが、よりベーシックっぽいチーズフィレのほうをセレクトしてみた。
「とろ~り月見チーズフィレバーガー」は、ケンタッキーの大定番であるチキンフィレバーガーに目玉焼き風オムレツとチェダーチーズをトッピングしたバーガーである。
試しにカットしてみると……
うわっ、マジで商品名どおり、目玉焼き風オムレツが「とろ~り」している! なにこの絶妙な焼き加減、ハンパじゃないんですけど。
さっそくかぶりついてみると……うっっっま!! 濃厚な卵黄がソースのようになって国産のフィレチキンと絡まり、さらに風味豊かなチェダーチーズが濃厚っぷりに追い打ちをかける。しかし、ただ濃いだけでなく、マイルドな酸味のオリーブオイル入りマヨソースと、シャキシャキのレタスがさっぱりとした食後感を演出してくれる。う~ん、これは売れるわ。
▼ロッテリア「半熟月見 和風てりやきバーガー」(490円)
続いては、ロッテリアの「半熟月見 和風てりやきバーガー」にトライ。価格はケンタッキーフライドチキンの「とろ~り月見チーズフィレバーガー」とまったく一緒である。
う~ん、ふっくらボリューミーなバンズが可愛らしい。さっそくカットしてみると……
おおおおぉぉぉ! こちらも商品名どおり、紛うことなく「半熟月見」やんけ! よくこんなに見事な焼き加減に調整できるな。素直にすごい。実際に食べてみると、甘塩っぱいてりやきソースとトロトロの卵黄の相性が抜群。マヨネーズも最高に合う。こちらもやはり、醤油ベースの濃厚な味つけをフレッシュなレタスが爽やかな後味に仕上げてくれている。
しかし、なんなんだ、このてりやきソース……やけにウマいぞ。コク深いし、ちょっと生姜っぽい刺激もある……。
ちょっと調べてみると、どうやら独自の「和風しょうが醤油ソース」というソースを使っているようで、やはり香り高い国産生姜を使用。濃厚たまり醤油と濃い口醤油の2種類の醤油をブレンドし、隠し味にオイスターソースも加えているのだという。ロッテリアはマジでこの戦争に勝ちにきてるぞ!
▼コメダ珈琲「お月見フルムーンバーガー」(750円~)
お次はコメダ珈琲の「お月見フルムーンバーガー」。メニューにある写真よりも実物がデカい、いわゆる“逆写真詐欺”の常習犯として知られるコメダ珈琲だが……今回もまたやってんな、これ。試しにマクドナルドの「月見バーガー」と全方位で見比べてみよう。
もちろん、左がコメダ珈琲の「お月見フルムーンバーガー」で、右がマクドナルドの「月見バーガー」である。一応断っておくが、決してブルボンのお菓子「エブリバーガー」と比較しているわけではない。こんなに違うのかよ、マジでデカいぞ、これ……。
断面はこんな感じ。目玉焼きのトロトロ感もさることながら、パティの厚みにも驚かされる。横にデカいだけじゃなく、縦にもデカいのかよ! 実際に食べてみても、肉厚パティの食べごたえは抜群で、玉ねぎやピクルスなどが刻まれたシャキシャキ食感のサウザンソースが食欲を刺激。とろっとした目玉焼きとクリーミーなチーズも最高だ。
値段はやや張るが、普通のバーガー2個分はあるので、そう考えると十分にお得だと言えそうである。
▼マクドナルド「月見バーガー」(420円)
最後はマクドナルドの大定番「月見バーガー」を実食。マクドナルドは月見バーガーの生みの親であり、なんと1991年の秋から期間限定バーガーとして出し続けているキャリア32年間の大ベテランである。
切断面はこんな感じ。
なるほど。ベテランだけあってたまごの半熟具合などには頓着せず、あくまで「マクドナルドの月見バーガー」として紡いできた伝統を守り続けようという意気込みが感じられるじゃないか。昔ながらのファンを大切にしつつ、新しいものを求めるファンにも新作の「七味香る 牛すき月見」を用意しているあたり、さすがマクドナルド、ぬかりなし。
実際に食べてみると、やはりクラシックなウマさが光る。味わいはシンプルだが、こうして各社の月見バーガーと食べ比べてみると、マクドナルドの「月見バーガー」は一番肉の味わいが強烈であることがわかる。100%ビーフパティとスモークベーコンのダブルミートが重層的な肉の旨みを醸し出しているのだろう。
トマトクリーミーソースのこってり感と酸味のバランスも絶妙で、固めに焼き上げられた目玉焼きの食感もいい。これなら毎日でも食べたいな、と思える逸品である。
個人の好みによるところが大きいので、月見バーガー戦争の勝者をひとりだけ選ぶのはなかなか難しい。ぜひ、4者4様の個性溢れる月見バーガーを味わいながら、秋の訪れを感じてほしい。