現在放送中のTBS系金曜ドラマ『トリリオンゲーム』(毎週金曜22:00~)で、驚異的なコミュニケーション能力を持つ人たらしのハルこと天王寺陽(Snow Manの目黒蓮)、引っ込み思案だが天才的なプログラミング能力を持つガクこと平学(佐野勇斗)という正反対な2人が起業したトリリオンゲーム社の新入社員にして社長となった高橋凜々を演じている福本莉子。ゴールデン帯の連続ドラマ初出演となった福本が、オンエア後の反響や、目黒、佐野らとの共演で感じたことなどを語った。

  • 『トリリオンゲーム』で高橋凜々を演じている福本莉子

■福本莉子も堅物!? 小さい頃に教えられたルールは頑なに守る

福本が演じる凜々は、ドがつくほど超真面目で堅物すぎる性格が災いして、就職活動全敗中だったが、ハルとガクに緻密な調査能力と誠実さを買われトリリオンゲーム社に採用された女性だ。福本は「クランクインする前は、原作漫画をずっと読んでいて、どういう風に演じようかと考えていました。現場に入ってからも、最初は監督とどうやって凜々の堅物感を出したらいいのか、相談していたのですが、話数を重ねるごとに、だんだん凜々のキャラに慣れてきたような気がします」と変化を述べる。

真面目で堅物感を出すために工夫したことは、とにかく声を大きくハキハキとして、直角的な動きをすること。「特に第2話で凜々が初めて登場するシーンは、堅物感をはっきり出したくて、意識しました」と語る。ややデフォルメされたようなキャラクターだが、福本自身との共通点も多いという。「私もどちらかというと、結構真面目なので演じていて違和感があまりないんです。自分とは遠くないような気がします」と笑う。

福本自身の“堅物感”エピソードを聞くと「結構ルールとかも気にしてしまうんです。当たり前のことですが、赤信号は絶対渡らないとか、優先席では座らないとか、小さいときに教えられたことは、いまでも守るようにしています」と凜々の堅物感にはシンパシーを感じているという。

■目黒蓮と佐野勇斗が盛り上げ、笑いの絶えない現場に

トリリオンゲーム社で働くハルとガクを演じる目黒や佐野とのシーンが多い福本。目黒とは2021年放送のドラマ『消えた初恋』、佐野とは『賭ケグルイ双』で作品を共にしているが、佐野とは一度も一緒のシーンがなく、目黒とも2人だけのシーンは少なかったという。

「今回ほぼ初めて対峙してみて、お二人の仕事に対する姿勢はとても勉強させていただいています。2人ともセリフ量がとても多いのですが、大変さを一切感じさせず、本番ではきっちり決める。そこはすごいですし尊敬しています」

芝居の集中力だけではなく、スタッフさんとのコミュニケーションの取り方にも見習うことが多かったという。「目黒さん、佐野さんが率先して盛り上げてくださるので、いつも笑いの絶えない現場なんですよね。とても雰囲気がいいので、そういう部分も見習っていきたいです」

好対照な2人に対峙する福本。それぞれと芝居をするとき、意識していることはあるのだろうか――。福本は「ハルさんは結構スタンドプレーをすることが多いので、『これはやっちゃダメじゃないですか』とストレートに伝えることを意識しています。一方、ガクさんはこの間原作者の方が現場にいらっしゃっていたとき『凜々はガクくんを慰めて、支えてね』とおっしゃっていただきました。後半になるにつれエンジニアとしての尊敬だけではなく、それ以上の感情も抱くようになっていくので、その気持ちの変化をしっかり演じていきたいです」とアプローチ方法を述べていた。

またハルとガクの大きな壁として立ちはだかる黒龍キリカ役の今田美桜からも大きな刺激を受けているという。「今田さんは、これまでとても可愛らしい役を演じてるイメージがあり、今回桐姫を演じるにあたって、目力もそうですが、威厳がある佇まいでした。お芝居と分かっていても、ちょっと怖いんです(笑)。でも本番以外では、とても気さくで優しくお話をさせてもらっています」

■たくさんの反響に喜び「励みになりました」

ゴールデンタイムの連続ドラマ初出演となった福本。「反響はすごくありました」と笑顔を見せると「地元の友達から『凜々です』というトリンリン(AI凜々)を真似した動画をたくさん送ってもらいました。またツイッター(現在のX)でも私が登場した第2話でトリンリンがトレンド入りしていたのを見て、うれしかったです。ゴールデンタイムのドラマに出演するのが初めてだったので、クランクイン前は緊張していたのですが、たくさん反響をいただけて励みになりました」と視聴者の声が力になっているという。

原作ファンからも「原作のまんまの凜々ですね」という声をもらったという福本。「近年、原作の実写化作品に出演することが多く、原作をしっかり読み込んで研究することに慣れてしまったんです」と笑うと「原作に正解があるので頼れるという部分と、実写化ならではの部分をしっかりと共演者と現場で臨機応変に対応していけたら」と語っていた。

凜々は、ハルとガクとの出会いで人生が大きく変わった。自身のターニングポイントについて「東宝シンデレラオーディションを受けたこと」と述べ、「友達の推薦で受けたことで、いまにつながっているんです。でもその友達と連絡が取れなくなってしまい、何か運命的なことを感じます」と語っていた。

第8話以降、原作にはないストーリーが展開されていくという本作。「最終回までオリジナルストーリーになっていくので、まだ私もどうなるか全くわからないのです」。どんな終着点になるのか――福本自身も興味津々のようだ。

■福本莉子
2000年11月25日生まれ、大阪府出身。2016年開催の第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリ、集英社賞(セブンティーン賞)を受賞し、芸能界入り。近年の主な出演作は映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)、『しあわせのマスカット』(21)、『君が落とした青空』(22)、『今夜、世界からこの恋が消えても』(22)、ドラマ『夢中さ、きみに。』(21)、『消えた初恋』(21)、『赤いナースコール』(22)など。

(C)TBS/高橋裕子