これからマイホームを購入している人が気になるのは、住宅ローンの事ではないでしょうか。ほとんどのマイホーム購入者にとって自己資金だけで全ての資金を準備することは難しいです。そのため、住宅ローンの借入をしっかりと検討することはマイホーム購入には欠かせません。住宅ローンを借りるには、頭金として自己資金の準備も必要になることが多いです。今回は、憧れのマイホーム購入に頭金がどれくらい必要かシミュレーションします。
マイホーム購入を検討するうえで必要なのが頭金
冒頭でも述べたようにマイホームを購入するためには、住宅ローンの借入が必要になる事がほとんどです。住宅ローンとは住宅の購入代金を銀行等から一括で融資を請けて20年や30年、35年といった予め設定した期間に元本に対して利息も含めた金額を定期的に返済していくものです。
そして住宅ローンを借りる際は、住宅購入価格の数十%を頭金として用意しておかなければ融資を受けられない事がよくあります。
そのため、マイホーム購入を検討する際は予め物件購入価格を決め、それに合わせて頭金を用意する必要があるのです。
そもそも頭金って?
住宅購入にあたって住宅ローンを組む際、住宅購入価格の一部の費用を自己資金で支払います。この時、自己資金で最初に支払うお金を「頭金」と言います。
住宅ローンは、住宅購入価格から頭金を差し引いた金額を借りる事が一般的です。
頭金は一概には言えませんが、一般的に住宅購入価格の20%程度が目安と言われています。もし、4,000万円の物件を購入したいと考えると800万円ほどの頭金があると良いということです。
また、住宅を購入する際は住宅購入価格に加えて税金や諸々の手数料が住宅購入価格の5%〜7%くらい必要となりますので、これも含めて25%程度の頭金を用意しておいた方が良いでしょう。
人によって頭金が多いか少ないかは一概には言えませんが、決して安い金額ではないと感じる人が多いはずです。
しかし、頭金を用意することはマイホームを購入するにあたってとても重要な事です。
頭金を入れると何が良いの?
住宅ローンを組む際に頭金を用意すると良い理由は大きく次の二つに分けられます。
(1)希望金額通りの住宅を購入出来る可能性が高まる
住宅ローンは必ずしも希望の金額で借りられるとは限りません。頭金を用意しておくことで、住宅ローンの融資額が希望の金額までなくても頭金と合わせる事で希望の住宅を購入できる可能性が高まります。
(2)住宅ローン返済が楽になる
頭金を十分用意することによって、必要最低限の住宅ローンの借入で済ませることが出来ます。
借入額によっては金利が安くなることや、借入額が少なければその分返済が楽になるはずです。また、頭金がない場合は金利が高くなり利息を合わせた返済が出来なくなり、住宅ローンを借りられなくなるという事もあります。
確実に住宅ローンを借りて無理なく返済計画を立てるという点で、頭金は大きな効果を発揮しますので覚えておくようにしてください。
頭金がなくても家は買える?
頭金が無ければ住宅ローンを借りる事が難しい事を紹介してきましたが、頭金が無くても家を購入することは可能です。
物件の資産性や住宅ローンを借りる人の職業などを踏まえて、住宅購入額全額分融資が下りる事があります。
この場合は頭金を用意する必要はない住宅ローンで、「フルローン」と呼ばれるのが一般的です。 フルローンで住宅を購入できれば頭金を用意する時間が省けるという、大きなメリットがありますが、頭金を入れた場合と比較して返済負担が増えるというデメリットもあります。
総額5000万円の住宅で500万円、頭金入れた場合
それでは実際に総額5,000万円の住宅を購入した場合、頭金500万円を入れると毎月の返済額と総返済額がどうなるか確認しましょう。
条件は次の通りです。
(1)住宅価格:5,000万円
(2)頭金:500万円
(3)住宅ローン:4,500万円 ※(1)-(2)
(4)住宅ローン金利:全期間固定金利1.5%
(5)返済金:35年 ※ボーナス支払いなし
【返済額】※(1)以外千円以下切り捨て
(1)毎月の返済額:13.7円
(2)総返済額:5,786万円
(3)総利息額:1,286万円
35年間の総額で5,786万円が必要になります。また、住宅購入には物件価格の5%程度が諸費用として必要になるので、25万円程度が追加で準備が必要でしょう。
総額5000万円の住宅で頭金を入れない場合
それでは次に総額5,000万円の住宅を購入した場合、頭金なしで毎月の返済額と総返済額がどうなるか確認しましょう。
条件は次の通りです。
(1)住宅価格:5,000万円
(2)頭金:0円
(3)住宅ローン:5,000万円 ※(1)-(2)
(4)住宅ローン金利:全期間固定金利1.5%
(5)返済金:35年 ※ボーナス支払いなし
【返済額】※(1)以外千円以下切り捨て
(1)毎月の返済額:15.3円
(2)総返済額:6,429万円
(3)総利息額:1,429万円
35年間の総額で6,429万円が必要になります。また、住宅購入には物件価格の5%程度が諸費用として必要になるので、頭金ありと同じく25万円程度が追加で準備が必要でしょう。
このように、頭金ありとなしでは同じ物件を購入するにしても毎月の返済額では2万円弱、総返済額では150万弱の差が開く事が分かります。
住宅ローンを借りる人によって考え方はそれぞれですが、頭金を入れた方が返済が楽になる事は間違いありません。
まとめ
憧れのマイホームを手に入れるためには、住宅ローンを検討し毎月の返済額、総返済額をしっかりと把握した方が良いでしょう。なぜなら、住宅ローンの返済は数十年間毎月必要になる事ですので家計に大きな影響を及ぼすからです。これから、マイホーム購入を検討している人はぜひ今回の記事を参考にして計画を立ててみてはいかがでしょうか。もし、自分自身で検討する自信が無い人はマイホーム購入と家計のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめします。
この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介
小峰一真(こみねかずま)
所属:マイホームFP株式会社