■個人的に好きな『科捜研』推しコンビ・推しシーン

――前作から君嶋直樹役の小池徹平さんが加わりました。もうすっかり溶け込んでいますか?

はい。すっかりメンバーに溶け込んでくださっていてとてもうれしいです。ニックネームは第二のマリコ(笑)。マリコにとって俊敏な弟ができて頼もしいです。

――小池さん含め、レギュラー陣の方々がほかの作品に出ているのを目にした際に、つい目がいったり、応援してしまうことはありますか?

やっぱり親しみがわきますよね。内藤(剛志)さんの番組とか、小池くんのドラマとか、若村(麻由美)さんが舞台にご出演されているのを拝見して刺激をいただいたり。小池くんなんて、少し前に『教場』(『風間公親-教場0- 第8話』)に悪い役で出てましたけれど、「あ、こういうのも頑張ってるな」なんて思って見ていました(笑)。やっぱり身近に接している方々ですから、そうした目で見てしまいます。

――ちなみに、今作で沢口さんが個人的に特に好きな推しコンビや、やりとりが好きなコンビ、シーンがあれば教えてください。

今回に限ったことではないのですが、土門刑事(内藤剛志)と蒲原刑事(石井一彰)が取り調べ室で代わる代わる被疑者を追い詰めていくところです。あとはメンバーが出払って、所長(斉藤暁)がホッとしたところに宇佐見さん(風間トオル)がお茶を出してあげるところなんかが好きです。

■マリコのぬいぐるみ制作を聞いて、飛び上がって喜んだ

――今回、マリコのぬいぐるみの発売も大きな話題になっています。演じているキャラクターではありますが、ご自身がぬいぐるみになると、人生でちらっとでもよぎったことはありましたか?

制作のお話をいただいたときは飛び上がって喜びました。それだけ続いているからこその賜物ですよね。なんでもメーカーの方に、マリコのファンの方がいてデザインしてくださったそうなんです。「ぜひ作りたい」と。そうした方の熱意と愛が実現させてくださったのだなと。

――そうなんですね。では「売りたい」との気持ちではなく、愛が発端なんですね。

そうなんです。続けてきたことで生まれた愛の結晶なんです。できあがりをみたときは、自分の、マリコのぬいぐるみなんですが、なんてキュートでかわいいんだろうと。右手に握っているルーペが、愛嬌があって気に入っています。また反響もいいようで喜んでいます。

――最後に、23日放送の第2話の見どころを教えてください。

第2話では資産家の令嬢が誘拐されるんです。それで送られてきた動画を解析して、令嬢を救出しようとマリコたちが奔走します。令嬢の祖母役は浅野ゆう子さんが演じられます。1話とはまた違ったテイストになっているんですけど、そうですね、共通点は“絆”でしょうか。今シーズンは人間味が感じられる、温かみのあるテイストになっています。25年目を迎えた『科捜研の女』、最先端の科学捜査と芳醇な人間ドラマを、どうぞ楽しみにしていただければと思います。

■沢口靖子
1965年6月11日生まれ。大阪府出身。第1回東宝シンデレラでグランプリに輝く。1984年『刑事物語 潮騒の詩』でデビュー。同年、映画『ゴジラ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。1985年NHK連続テレビ小説『澪つくし』で全国的に人気を博し、1995年には主演映画『ひめゆりの塔』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、1998年には舞台『藏』で菊田一夫演劇賞を受賞した。代表作に、『科捜研の女』『鉄道捜査官』(テレビ朝日系)、『警視庁機動捜査隊216』(TBS系)、『検事・霞夕子』(フジテレビ系)など。
■ヘアメイク:黒田啓蔵(Iris)、スタイリスト:竹上奈実