メルシャンは、「メルシャン・ワインズ スパークリングワイン新商品体験会」を開催。「メルシャン・ワインズ」ブランドでは初となるスパークリングワイン「カンティアーモ スプマンテ」と「サニーサイド オーガニック スパークリング 缶」の2商品が紹介された。

■スパークリングワインは拡大傾向

体験会ではまず、メルシャン マーケティング部 ブランドグループの須永和子氏が、2023年のメルシャンの取り組みや「メルシャン・ワインズ」ブランド、ワインの市場動向などを解説した。

  • メルシャン マーケティング部 ブランドグループの須永和子氏

同社の経営活動はすべてCSV(Creating Shared Value)が根幹にあるという須永氏は、「ワインのある豊かな生活を実現するために、ワインをより魅力的なものにしていくことが我々の使命」と強調する。

ブランド育成に関してもCSVが基軸となっており、国内製造ワインをはじめとする気軽さ、安心を提供する「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」から、こだわり、造り手の想いを届け、日本ワインを牽引する「シャトー・メルシャン」など、幅広いブランドを取り扱う中、「メルシャン・ワインズ」は、ワインの楽しみを広げ、ワインの扉を開くといった位置づけとなっている。

「メルシャン・ワインズ」が大切にする3つの価値は、「感動のおいしさ」「“日常”をもっと楽しく」「サステナブル」。おいしいワインをつくり続けるためには、持続可能なワインづくりをすることが一番大事であり、「持続可能性の追求」を「お客様との約束《クレド》」として実現。この《クレド》には、「環境への負荷軽減」「産地との共存」「人への負荷軽減」「情報の見える化」といった4つのポイントがあり、「この約束を守ることでブランドをしっかりと育てていきたい」との意気込みを語った。

ワイン市場は、2008年以降拡大し、2012年以降は横ばいが続くも、直近は回復基調。市場規模は総酒類の4.3%と小さいが、「ワインの魅力を高めることで伸長できるポテンシャルがあるのではないか」と須永氏。その中でもスパークリングワインは、2019年2月の日欧EPA発効でワインの関税が撤廃されことによって、EU加盟国産ワインの輸入量が大幅に増加したほか、2022年には、コロナ禍における自粛の緩和により飲食店の需要が拡大し、輸入数量合計は過去最高を記録。過去10年間でスパークリングワインの輸入数量は1.5倍に拡大しており、継続して拡大傾向になっている。

そして、コロナ禍を経て、「非日常感」「友人・知人との時間」を求める気持ちが高まっているのに加え、「メリハリ消費」の傾向が高まる中、気に入ったものには対価を払ってプチ贅沢をする消費者が増加。「非日常感・贅沢な気分を楽しむスパークリングワインの飲用機会増が期待できる」と、さらなる市場拡大に期待を寄せた。

■世界的に好調なイタリア産のスパークリングワイン

続いて、メルシャン マーケティング部 ブランドグループの小泉麻衣氏が、新商品となる「メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ」を紹介。本商品は、「サステナブルなパートナーとともに、喜びのひとときを華やかに演出する、日本のお客様のためのスパークリングワイン」という位置づけ。共創したパートナーである「カーサ・ヴィニコーラ・ボスコ・マレラ社」(ボスコ社)は、イタリアのヴェネト州に拠点を置く、約4,000haの畑を所有する優良生産組合となっている。

  • メルシャン マーケティング部 ブランドグループの小泉麻衣氏

近年イタリアのスパークリングワインは、世界的に伸長しており、好調。フランスやスペインを凌ぐ最大の輸出国となっている。フランスのシャンパーニュやスペインのカヴァは、瓶内二次発酵で生産されており、複雑な味わいや香りが特徴であるのに対し、イタリアのスパークリングワインは大きなタンク内で発酵させる“シャルマ法”を採用。短期間で仕込めるため、ブドウ本来のフレッシュでフルーティな味わいをカジュアルに楽しめるのが特徴となっている。

日本人がスパークリングワインに期待する味覚イメージとして、「きめ細かな泡立ち」「飲みやすい味」「食事に合う」「華やかな香り」「フレッシュな味わい」の5点を挙げた。このすべてがイタリアのスパークリングワインと合致しているため、「さらなる人気が期待できる」との展望を示す小泉氏。

「フルボトルのスパークリングワインは“特別な”場面で“誰かと”飲むお酒」という期待に対して、「メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ」は、テーブルを華やかに演出するト音記号が目印のデザイン、華やかな香りや際立つフレッシュさ、飲みやすくあらゆる料理との相性が良い味わい、そして金賞受賞の確かな味わいを提供できるとアピールする。

ここで、メルシャン 技術部の勝野泰朗氏が、共創パートナーであるボスコ社の造り手について紹介。チームリーダーであり、醸造責任者のガブリエル・ロレンツォン氏は、新進気鋭の造り手でありながら、経験値も高く、若さゆえのパッションで、他の土地を理解したいという意欲も強く、「我々の想いを真摯に受け止めて、それを試作品として実現してくれるので、とても良い関係が構築できた」と振り返る。

  • メルシャン 技術部の勝野泰朗氏

勝野氏が目指したのは、日本人が期待する「きめ細かな泡立ち」「飲みやすい味」「食事に合う」「華やかな香り」「フレッシュな味わい」といったポイント。特に共創において、「華やかな香り」については“香りを高める酵母”の選択、「フレッシュな味わい」については“酸度の高い酒質”の選択にこだわったという。

「スプマンテ」は、基本的にフレッシュさ、フルーティさを楽しむためのスパークリングワイン。いかにフレッシュかが重要となるが、イタリアで出荷後、船便での輸送で2~3カ月かかってしまうところから、「あえて酸がしっかりと際立っているものを選別した」とのこと。酸は時間の経過とともに熟成して、どんどん丸くなるため、日本に到着したときに飲み頃になるような酸度のものを選んだという。

「メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ」は、「ブリュット」と「ロゼ」の2種類をラインナップ。それぞれの特徴が下記のとおりとなっている。

■メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ ブリュット

柑橘、青リンゴのようなフレッシュなアロマとカリンやバラの花を思わせる華やかな香りがふわっと立ち上がる。クリーミーで優しい泡、程よい酸が心地よく、辛口でありながら黄色い果実やバナナのようなほんのり甘いニュアンスが余韻となって広がる。

■メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ ロゼ

淡く美しいピンクの色合い。チェリーやイチゴなど赤い果実のフレッシュなアロマがまるで香水のようにエレガントに広がる。クリーミーで優しい泡、ほのかな甘みと味わいを引き締めるしっかりとした酸のバランスが心地よく、チャーミングな果実味が長く楽しめる。

  • メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ ブリュット(左)とロゼ(右)

「メルシャン・ワインズ カンティアーモ スプマンテ ブリュット/ロゼ」は、8月29日の発売予定。750ml瓶で、オープン価格(参考価格:1,160円)。アルコール度数は11%となっている。

■オーガニックブランドにもスパークリングが登場

一方、「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック スパークリング 缶」は、「サステナブルなパートナーと共に、一人時間を贅沢な時間に変えるスパークリングワイン」という位置づけ。共創パートナーはスペインのワイナリーである「ペニンシュラ」となっている。

オーガニックワイン市場は、スティル・スパークリングともに拡大傾向で、ナチュラルで安心・安全、体にやさしそうな感じが飲用理由になっており、コロナ禍による健康意識の高まりにより、オーガニックワイン市場もさらなる拡大が期待されている。

「サニーサイド オーガニック」ブランドを2022年に立ち上げる過程において、ペニンシュラと共創した背景となったのが「エコエコプロジェクト」。スペインのラ・マンチャ地方において、高い品質のブドウをつくりながらも、「適正価格で取引されない」「良い市場に出せない」という農家や生産者に対して、ペニンシュラは環境と地域貢献を推進するプロジェクトとして「エコエコプロジェクト」を設立。この考え方がメルシャンの《クレド》と合致したことがオーガニックブランドの立ち上げに繋がったという。

「サニーサイド オーガニック」は、従来のオーガニックに対する不満を解消し、「おいしく品質の良い、気軽に楽しめるオーガニック」として堅調に売上を拡大。このブランドから登場するスパークリングワイン「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック スパークリング 缶」は、ボトル缶を採用しているのが特徴で、飲み切らないといけないため飲用機会が限定されるフルボトルに対して、「ボトル缶であれば、気軽に手に入り、量的にも飲み切れるため、日常的に楽しめる」と話す須永氏。ボトル缶ならではのメリットとして、リキャップできることも歓迎されているという。

新商品となるスパークリングワインは、「サニーサイド オーガニック ホワイト」がベースとなっており、「フレッシュな果実味」と「心地よい酸味と甘味の最適なバランス」が特徴。ランチなどの明るい時間はもちろん、アウトドアでも気軽に楽しめる商品となっている。

■メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック スパークリング 缶

色調は淡いレモン色。レモンや青リンゴのような爽やかな香りとパイナップルやメロンのようなトロピカルな風味に、上品で華やかなマスカットのニュアンスも感じられる。口中では、やわらかな酸味があり、フレッシュで果実味豊かな、バランスの取れたやさしい味わいのスパークリングワインとなっている。

  • メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック スパークリング 缶

「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック スパークリング 缶」は、2023年8月1日に発売されており、280mlボトル缶で、オープン価格(参考価格:340円)。アルコール度数は11%となっている。