日本テレビ系ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(毎週土曜22:00~)で、スクールカーストのトップ・相楽琉偉(さがらるい)を演じる加藤清史郎。第1話で机を蹴飛ばして担任の九条里奈(松岡茉優)との対決姿勢を鮮明にし、不気味に浮かべる笑顔で周りの人間に畏怖を与える役柄だ。

子役時代にCMで演じた「こども店長」のかわいいイメージを持つ人も多い中で、この悪役が放つギャップは非常にインパクトがあるが、本人はどのような心境で臨んでいるのか。話を聞いた――。

  • 『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』に出演する加藤清史郎 (C)日テレ

    『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』に出演する加藤清史郎 (C)日テレ

■相楽琉偉という人としての正義を貫く

映画『愛と誠』(12年)でヤンキーの幼少期を演じたことはあるものの、ここまでの悪役は初めての経験だそうで、「新鮮さが普段よりも高い現場です」という加藤。その役作りは、「“カーストのトップだから悪い”と一言でくくっちゃいけないなと思って、そうなったときに僕のできることは、相楽琉偉という人としての正義を貫くこと。この行動をとることでクラスがどうなることを相楽は望んでいるのか、というところだけに焦点を置いて、相楽の内なるものをそれぞれの人にぶつけて、ラリーしていくことを意識しています」と語る。

今回の作品は、クラス30人それぞれにバックボーンがしっかり設定されているのだそう。その内容は、「台本とは別に、演じる人にしか教えてもらっていないことがあったり、そのことを知っていい役柄の人には教えたりとか、とても緻密なんです」と、関係性を考慮して共有している。

その上で、先のストーリーの詳細を台本が上がってこないと分からない状況にすることによって、「相手に対して相楽がどう思って、どういうふうに行動するのかと考えることに集中するしかないんです。だから、1つ1つの会話や、発するひと言、ひと単語が、自分の役にどう刺さるかというのを大事にしながら、現場に挑んでいます」と明かした。

  • (C)日テレ

■幅の広い役者になるために

とはいえ視聴者からすると、相楽のバックボーンはまだ知る由もなく、ただただ恐怖心を与えるカーストのトップという人物に対して反響が集まっている。

「SNSを見ていると、“怖すぎて嫌いになっちゃうかもしれない(褒めてる)”という感想も頂きますし、今までやってきた役のイメージとかけ離れているところのギャップを書いてくださる方が多いですよね。『こども店長』も、自分が楽しくやっていたキャラクターなので、“もうその名前で呼ばないでほしい”という感覚は全くないんですけど、それも含めてこれまでの役と照らし合わせると、相楽というのは頭一つ抜けて違う役なんだというのは、自分の中でも感覚としてありましたが、皆さんの反響を見聞きして改めて感じることができました」

そして、「僕は将来の目標の1つとして“幅の広い役者になる”というのをあげているのですが、そのためにはこうやって役の幅も広げていかなくちゃいけないと思っているので、これまでのイメージと全く正反対の相楽琉偉という役を与えてくださったこのドラマと、スタッフの皆さんに本当に感謝しています」と、今後に向けてターニングポイントの役の1つになることを予感しているようだ。