日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’23』(毎週日曜24:55~)では、『でくのぼう~戦争とPTSD~』(山形放送)が、きょう13日に放送される。

  • 『でくのぼう~戦争とPTSD~』より

東京都武蔵村山市に住む黒井秋夫さんは、山形県鶴岡市の出身。おととし、自宅に戦争資料館を作った。その名も「PTSDの日本兵と家族の交流館」。ここを拠点に、かつて第二次世界大戦で出征した旧日本軍兵士たちと、その家族が抱えた“ある問題”についての証言を集めている。

「人格が変わったように激高する」「叫び声を真夜中に毎日のようにあげる」――父は、あの戦争でPTSDを患ったのではないか、と考える遺族たちの証言。心的外傷後ストレス障害、PTSD。秋夫さんの父・黒井慶次郎さん(1912~90)もまた、戦争で負った心の傷のために無口で無気力な「別人」となって戦後を家族とともに生きた。周囲から“六尺親父”と蔑まれた父はさながら「でくのぼう」だったと、息子の秋夫さんは語る。

なぜ軍曹に昇進するような優秀な兵士だった父は、中国の戦地から帰ってくると無気力な“でくのぼう”となってしまったのか。慶次郎さんが心を壊してしまった戦場の実態に迫る取材のなかで、同じ隊に所属していた元兵士の存在も明らかになる。

関東軍独立守備隊の初年兵が強いられた、中国人捕虜への“刺突”訓練。非戦闘員である一般住民をも巻き込んだゲリラ兵との過酷な戦闘。そして終戦間際に漢口で体験したとみられる、米軍による大規模な空襲…。

なぜ兵士たちは心を壊され、戦後の家族との時間まで奪われたのか。いまなお苦しむ遺族の姿、現存するカルテへの取材をとおして非人間的な戦争の実態を浮き彫りにしていく。