全国劇場にて公開中の映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』(監督:上堀内佳寿也)では、テレビシリーズ『王様戦隊キングオージャー』がさらなるスケールアップを果たし、大スクリーンに映えるスペシャルなストーリー、アクションが繰り広げられる。

  • 『王様戦隊キングオージャー』でパピヨンオージャー/リタ・カニスカ役の平川結月

    平川結月(ひらかわ・ゆづき) 2001年生まれ、熊本県出身。2018年に「LDH Presents THE GIRLS AUDITION」グランプリを獲得。2019年、LDH所属となり、テレビドラマ『プロミス・シンデレラ』(2021年)『お茶にごす。』(2021年)や映画、舞台『魍魎の匣』(2019年)、CMなど、幅広い分野で活動する。特技はバスケットボールとエレクトーン。 撮影:大門徹

テレビシリーズ第19話では、チキューの各国を統治する「王様」たちが心をひとつにして結束し、新たに「五王国異様事案対策用戦略救命部隊(通称:王様戦隊キングオージャー)」を結成。世界を支配しようと企む地帝国バグナラクに、各国一丸となって対処することが決まった。

映画では、クワガタオージャー/ギラ(演:酒井大成)がシュゴッダムの国王に即位するという状況の中、ギラを含む各国の王たちが「死の国=ハーカバーカ」に迷い込み、シュゴッダム初代国王のライニオール(演:中村獅童)ほか、それぞれの「因縁深い相手」と遭遇する展開となるらしい。

映画公開記念インタビュー、今回はパピヨンオージャー/リタ・カニスカ役の平川結月が登場。氷雪の国「ゴッカン」国王にして国際裁判所の最高裁判長を務めるリタは、何事においても中立を貫き、罪を犯した者に対して正当なるジャッジを行うことを信条としている。常に沈着冷静、どんなことがあってもクールな態度を崩さない「不動」のリタであるが、他者を完全に排除したプライベートな空間ではふだんと違う「意外な一面」をあらわにする。冷徹・完璧に見えて実は人間味のあるリタは放送開始と共にファンからの注目が高まり、リタがこよなく愛する「もっふん」にも人気が集まった。ここでは平川に、カッコよさとクセの強さを併せ持つ魅力的なリタを演じる際の思いや、映画で明かされる「リタのさらなる意外な一面」、さらには映画ならではのスペシャル感満載の見どころについて、劇中のリタとはひと味違う陽気で活発な雰囲気で語ってもらった。

――『王様戦隊キングオージャー』は3月5日の放送開始以来、チキューの個性豊かな「王」たちが悪のバグナラク、そして野望のため策略を進めるシュゴッダムのラクレス王(演:矢野聖人)に立ち向かう波乱万丈のストーリーが好評で、毎回放送直後のSNSでファンの熱い感想が飛び交うのが定番化しています。そういった感想をご覧になられて、どう思われますか。

とてもうれしいですし、みなさんの感想は自分への励みになります。オンエアが終わった直後に、お礼につぶやきをするのですが、そこにたくさんの方たちがご感想を書き込んでくださって、本当にありがたい思いです。第5話はリタの初のメイン回でしたが、そこで「#リタ様最高」というワードがトレンド入りして、とてもうれしくて心に残りました。

――中立、不動を貫き、何があっても動じないリタですが、日々のヘビーすぎる仕事の反動として、プライベートでは愛らしい「もっふん」と過ごす時間を大事にするという、隠れた一面を見せるところがとてもいいですね。

大きなもっふんとの会話シーンはカットを割らず一連で撮るので、大変なんです。リタ自身のセリフと、もっふんになりきってのセリフで、声のトーンを変えなければならない上に、間の取り方も難しいなと思いました。リタは他の王たちに見せるクールな態度や、裁判長として判決を言い渡すときの顔など、みんなと違い、いろいろな面を見せているところがあるので、シーンごとに気持ちを切り替え、表現のメリハリを意識して演技をしています。台本をいただいた時点で、このリタはこういうモードに入っていると考え、切り替えを意識しながら読んでいくようにしています。

  • 『王様戦隊キングオージャー』でパピヨンオージャー/リタ・カニスカ役の平川結月

――リタ自身の声と、もっふんになりきったときの声を変えていますが、声を演じ分けるときの「狙い」を教えてください。

第5話の撮影現場で、上堀内佳寿也監督と「こういう声のトーンで行こう」と決めて、あのようなやりとりになりました。通常のリタは細かい心理を表現する機会がないので、自分の正直な気持ちを吐き出すことのできるもっふんとのシーンは、楽しみながらお芝居をしています。リタにとって、もっふんとしての言葉は自分の本心が投影されているので、心の中の「天使と悪魔」がしゃべっている=自問自答しているイメージで演じています。

――リタはもっふんのことを心底愛しているようですが、平川さんはいかがですか?

それはもちろん、リタと同じです。もっふんはとても可愛くて、「癒し」の存在だと思っています。アニメ『もっふんといっしょ』も非常に愛らしく、もっふん関連グッズも実際にたくさん発売されていて、盛り上がっているところが何よりうれしいです。私自身、なにかもっふんグッズをゲットしてみたいと思っています。

――周囲のざわつきを鎮めたり、自身の意志を強調したりするときに、オージャカリバー(剣)を地面にガン!と突き立てる仕草がカッコいいですね。不動を貫き、ふだん動きの少ないリタだけに、少ないモーションで強いインパクトが残りました。

垂直に、まっすぐ立てるのが難しいんです。カメラアングルによっては突き立てる角度が違っていて、最初のころは試行錯誤をしていましたが、今ではもう自然にガン!と立てられるようになりました。もともと、教えられた動きを覚えるのは得意なんです。

  • 『王様戦隊キングオージャー』でパピヨンオージャー/リタ・カニスカ役の平川結月

――寡黙であると同時に口下手で、言いたいことが言えずフラストレーションが溜まった結果、ときどきみんなの前でも「ヴァァァァァァァァ!」と激しい絶叫をするのもリタの特徴です。シナリオに書かれているはずのあの叫びは、いつもどのような思いを込めているのでしょうか。

あれは毎回、リタが周りに自分の言いたいことを言えず、我慢しきれないから「ヴァァァァァァァァ!」とぶちまけてしまうんです。何が言いたかったのか、または何を言ってはいけないか、はシチュエーションごとに違うので、ただ叫んでいようとは思っていません。リタ的には「これがこうなって、あれがああなって……」と頭の中でいろいろ考えをめぐらせて、処理しきれなくなってついに絶叫!という感じです。我慢の限界を超えて、体がショートしている。これもリタの人間味というか、かわいい一面だと思います。