• 『王様戦隊キングオージャー』でパピヨンオージャー/リタ・カニスカ役の平川結月

――バグナラクの兵士サナギムを、オージャカリバーでなぎ倒していくリタの剣さばきはスマートでカッコいいですね。

変身前の立ち回りやアクションをするのが好きなので、アクション監督の渡辺淳さんに「リタの変身前の立ち回りをぜひ入れてください!」とお願いして、王鎧武装する前に、少しだけサナギムと戦うシーンを入れていただいてます。日ごろから、パピヨンオージャーのアクションをされている蜂須賀祐一さんから剣の振り方や構え方を教わっているので、そういった練習の成果をお見せすることができればいいなと思ってます。

――アクションシーンで、特に大変なのはどんなところですか。

リタの靴はヒールが高いので、なかなか足を使った動きをしにくいところですね。動きやすいようにアクション用の靴というのも用意していただいているのですが、それだと全身を映したとき、スタイルが変わってしまうので、できるだけ今はいている靴のままでやりたいという、自分なりのこだわりがあります。その上でリタなりの剣さばきや、敵の攻撃をさっとかわすなど、スタイリッシュな戦いをこなしていきたいです。今後も、練習を続けていきます!

――『王様戦隊キングオージャー』の映画が公開されていますが、こちらはテレビシリーズの第21話、第22話と密接なつながりがあるそうですね。複雑に入り組みながら、各キャラクターの成長や人間関係の変化を描く、シナリオの妙味が毎回本当にすごいと思います。

ストーリーの進行と共に登場人物それぞれの立ち位置が変化していくなど、毎回の台本をいただくたびに、感心しながら読んでいます。夏に映画があるとは聞いていたのですが、それまでにテレビシリーズのストーリーがどのような展開になって、どうつながるんだろうと思っていました。なかなか6人が『王様戦隊キングオージャー』としてまとまらなかった中で、第19話でやっとひとつのチームになりましたから(笑)。

――映画の撮影にあたって、最初に平川さんが思ったことは何ですか。

やはり、映画でしか観られない豪華なキャストの方々に注目が行きました。

――ハーカバーカを統治するシュゴッダム初代国王・ライオニールを演じる中村獅童さんの印象はいかがでしたか。

国王らしい威厳があり、「動かなくても強い」「黙っていても強さがわかる」という印象がありました。とてもカッコイイなと思いました。

――死の国=ハーカバーカに引き込まれた王たちが、ひとりずつ過去の因縁に苦しめられる……とのことですが、リタは過去に裁いた罪人の霊に苦しめられるんですね。

リタはお化けを恐れるというより、自分がこれまで人を裁いてきて、その人たちの人生を自分が決めてきたという、ぬぐいきれない「罪の意識」の辛さに直面して、苦しみます。上堀内監督からは「人を裁いたときの重み、痛み、苦しみを表現できるのが、リタという人物」だと言っていただき、撮影中は常にそういったことを意識していました。死の国では自分ひとり。孤独感、疎外感があり、信じられるのは自分だけ……という思いを込めて、撮影に臨んでいました。

――リタではなく、平川さんご本人は「幽霊」や「オバケ」のたぐいは平気でしょうか。

平気ではありません。ムリです。本当にムリです! オバケも、暗い場所も、急に明るくなったり、大きな音が出たりするのもNGにしてください! 暗い場所でリタが亡霊に苦しめられるシーン、たぶん私が「素」で怖がっている感情が出ているかもしれません……。いえ、たぶんそれも演技です。演技ですから(笑)!!

――リタの側近を務め、いつもマイペースではありますがリタのことを常に気にかけているモルフォーニャとのかけあいは、毎回の「癒し」として注目されています。映画でもモルフォーニャとリタとの絆の強さがうかがえるシーンがあるそうですね。モルフォーニャ役・長谷川かすみさんとのコンビネーションはいかがですか。

第10話でリタモル(リタ&モルフォーニャ)のシーンがあり、それを境にしてお互いの心の距離が変化したかなと思っています。2人はお互い口下手同士で、細かい心情を伝え合わないからこそ、信頼し合っていることが演じていてもわかりました。第10話を撮影してから、役と同じく2人の距離が縮まった感じがしています。映画でも、リタとモルフォーニャとの絆を感じさせるシーンが出てきますので、期待していてください。

  • 『王様戦隊キングオージャー』でパピヨンオージャー/リタ・カニスカ役の平川結月

――「これぞ映画」と言うべき本作の見どころについて教えてください。

撮影に入る前のリハーサル段階で、上堀内監督から「背景」についての詳しい説明がありました。ここはこういうモチーフで作られていて……など、細かな部分にまできちんと意味があり、出来上がった映像も驚くほど美しい仕上がりで、そのこだわりに驚きました。ぜひ、映像の美しさを大きなスクリーンで体感していただきたいです。きっと、世界に吸い込まれるというか、没入感がすごいと思います。映画をご覧になったみなさんの反響も知りたいので、ぜひ感想を発信してくださったらうれしいです。

――テレビシリーズもこれから後半展開を迎えることと思います。リタとして、後半でどんなことにチャレンジしていきたいですか?

人前で「顔」を出すことですかね(笑)。特に、顔を出したい!と強く思っているのではなく、リタがこれから変化するのなら、顔を出すのかなと。リタは今回の映画で、テレビとは少し違った感じに見えるようお芝居をしています。折り返し地点にさしかかり、後半のリタをいっそう魅力のあるキャラクターとして表現するべく、まだお見せしていないいろいろな面を出していくことができればと思っています!

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