仮面ライダーギーツ』が終盤に向け、ますます盛り上がりを見せるなか、現在映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』が公開されている。

  • 『仮面ライダーギーツ』でツムリを演じる青島心

    ツムリを演じる青島心 撮影:大門徹

劇中で描かれる生き残りゲーム「デザイアグランプリ」のナビゲーター役をつとめる謎の美女・ツムリは、浮世英寿/仮面ライダーギーツ(簡秀吉)ら仮面ライダーたちとの交流を通して少しずつ感情が芽生え、自らの意志で行動をとるようになった。

ツムリを演じるのは、『絶狼-ZERO- -DRAGON BLOOD-』でヒロインに抜擢されて以降、着実に俳優としてのキャリアを重ねている青島心。インタビューでは、演技や作品にひときわ熱い思いをもって取り組んでいる素顔がうかがえた。ツムリにとっても重要な局面を迎えたシーンを撮影したタイミングで、ツムリ役と一年にわたってどのように向き合ってきたのか、そしていよいよ公開を迎える映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』の見どころを聞いた。

――ツムリは、ギロリ(忍成修吾)、チラミ(山崎樹範)、ニラム(北村諒)など、クセの強い運営陣に振り回されてきた印象があります。皆さんと共演は刺激になったのではないでしょうか?

みなさん、本当にクセがありますよね(笑)。でも、実際のみなさんの素顔は役とは真逆なんです。デザイアグランプリ運営スタッフの晴家ウィンを演じる崎山つばささんも真逆の印象です。チラミさんなんて、劇中ではあんなに胡散臭いですけれど、いつもの山崎さんはとても優しくて紳士な方なんです。そんな素顔と真逆の役を難なくやってのけてしまう姿を間近で見ているのは、本当に勉強になります。ツムリはゲームマスターたちとのシーンが特に多かったので、とてもありがたい環境にいさせてもらえたなと思っています。

  • 『仮面ライダーギーツ』でツムリを演じる青島心

    『仮面ライダーギーツ』でツムリを演じる青島心

――アドリブなんじゃないかな、と感じさせるようなやりとりも多く見られたのですが、実際のところはどうなのでしょう?

チラミさんとのシーンはアドリブもよくありました。山崎さんは、いきなり本番でアドリブを入れるのではなく、私もついていけるように「ここでこうしようと思うんだけど」と事前にお話があってから進めてくださっていました。私からも「ここはこうしたいと思うのですが、どうでしょう?」と相談すると、「ツムリとチラミの関係だったら、そっちのほうがいいね。提案してくれてありがとう」と受け入れてくださってアドリブを入れるということもありました。

山崎さんは一度確認したアドリブを、本番で寸分たがわず演じてこられるので、そこが本当にプロだなと感じました。でもみんなが慣れてきたな、と思ったら今度はまったく違うことをやってみたり。「つながるのかな?」と不安も覚えながらも(笑)、そうして役に幅を持たせて、演技の引き出しを見せてくださる姿が印象的でした。

  • 『仮面ライダーギーツ』でツムリを演じる青島心

    『仮面ライダーギーツ』でツムリを演じる青島心

――10話「謀略Ⅰ:新世界のビート」で英寿、ギロリと家族になったことが、ツムリにとっては実は後々大きな意味を持っていたのでしょうか。

実際の撮影でも、まだあの時点では簡くんとも今ほど打ち解けられていなかったので、ツムリの戸惑いもリアルだったんじゃないかと思います。いきなり家族になって、すごく近い距離でお芝居をするわけですから。当時はまだ仲間というより、言葉を交わすといってもあいさつだけの、まさに仕事仲間という感じでした(笑)。

でも、中澤祥次郎監督が担当した34話「慕情II:ギーツの矛先」で、英寿に「俺の姉さんには笑顔が似合う」と言われ、「姉さんじゃありません」と応じた時点では、ツムリはきっと姉弟という形にとらわれず、英寿のことを信頼するようになっていたと思います。