家庭のトイレは、いつも快適な空間であってほしいもの。しかし、最も汚れやすい場所でもあるため、こまめに掃除をしても嫌なニオイが消えない場合も多い。そこで今回は、大王製紙が発表した「トイレのニオイを消す方法」を具体的に紹介していく。
■トイレのニオイの原因
まずはトイレの嫌なニオイの原因を見ていこう。
・アンモニア臭
鼻にツンとくる嫌なニオイがする場合は、床や壁に飛び散った尿が発するアンモニア臭が疑われるという。尿にはアンモニア自体は含まれていないが、飛び散った尿をエサにして微生物が増えると、アンモニアが発生する。そして汚れに気づかずに放置すると、どんどんニオイが強くなってしまう。また、同社が実施した調査でも、アンモニア臭がトイレのニオイの中で一番多い悩みとなっているそうだ。
・カビ
トイレには常に水があり、密室のため湿気がこもりがち。 そのため、頻繁に換気扇を回していても、カビが発生してニオイの原因となる場合がある。さらにタンク内や便器の内部など、目につきにくい場所にカビが発生すると、気づかないうちにダニや害虫のエサになることもあるそう。
・下水臭
便器内に溜まっている少量の水を「封水」という。 封水は、排水管の接合部で蓋の役割を果たしており、排水管から上がってくる虫やニオイを抑えている。この水が減ったり、排水管が詰まったりすると、十分な機能を果たせず下水のニオイが上がってきてしまう。なお、封水が減る原因としては、排水管やトイレタンクのトラブルが多いと説明している。
・換気不良
換気扇の汚れもニオイの元になる。換気扇の羽にホコリが溜まっていたり、モーターが弱っていたりすると、トイレの空気をうまく循環させることができなくなる。他の場所を掃除してもニオイが残っている場合は、換気扇に繁殖したカビや雑菌、汚れをチェックするようにしよう。
■ニオイが発生する場所&主な理由
次に、ニオイの発生源となる場所と主なニオイの原因を見ていく。
①床・壁
床や壁は尿が飛び散りやすい。特に立って用を足す男性やトイレトレーニング中の子供がいる家庭では、知らないうちに尿が付着している可能性が高いという。家族一人ひとりが尿の飛び散りに気を配り、用を足した後に拭き取ることを習慣化するようすすめている。
②便座の裏・便器との接合部分
便座の裏や便器との接合部分に飛び散った尿は、尿石となってニオイを発する。トイレの後は、毎回便座を上げて裏側まで拭き取ることはできなくても、掃除の際には必ず目配りをするようにしてほしいとのこと。
③便器内の黄ばみ
便器内の黄ばみは、排泄後に流しきれなかったり、掃除で落としきれなかったりした尿が石化したもの。普段から少ない水や弱めの水流で流していると、尿が残りやすいため注意するようにしよう。また、尿石になってしまうと落としにくくなるため、便器内に長く尿を滞留させないようにしてほしいという。
④便器のフチ裏
便器のフチ裏は、掃除の際に見落としがちな上、掃除道具が届きにくく洗剤をかけにくい形状をしている。油断していると、いつの間にか尿石やカビがこびり付いていることもある。掃除の際は必ずフチ裏を覗き込み、汚れをしっかり落とすようにしよう。
⑤便器と床の接合部分
便器は、トイレの床にぴったりと接合されているように見えるが、実際は隙間があり、こぼれた尿が便器を伝って溜まったり、水が染み出したりする。特に水モレをそのままにしておくとカビが発生するだけでなく、大きなトラブルにつながる可能性もあるそう。床の接合部分は掃除のたびに必ずチェックし、水モレを発見したら早めに対処してほしい。
⑥トイレタンク
トイレタンク周辺からニオイがしたり、換気をしてもカビくさい場合は、タンクの中で繁殖したカビが原因の可能性が高いという。カビの発生源になりやすい場所であるため、定期的に掃除を行うようにしよう。
⑦換気扇
アンモニアは空気より軽いため、飛び散った尿から発生したニオイは上へと上がり、天井付近に溜まる。天井や換気扇など、掃除の盲点になりがちな場所にも注意を払ってほしいとのこと。
⑧トレイ掃除用具
トイレを掃除した後、きれいに洗って片付けたつもりでも、濡れたトイレブラシやブラシケースに溜まった汚水に、雑菌やカビが繁殖してしまう。ケースごと掃除したり、使い捨ての掃除用具に切り替えたりして、ニオイを防ぐようにしよう。
■掃除・換気・消臭グッズでニオイ対策
大王製紙によると、ニオイ対策は大きく「掃除」「換気」「消臭グッズ」 の3つに分けられるという。早速、それぞれの対策を紹介する。
・掃除
アンモニア臭やカビ臭を防ぐには、 原因となる尿や水モレを「見つけたらすぐ拭き取る」こと。トイレ掃除は毎日行い、床や壁など尿が飛び散りやすい場所やニオイが上がっていく天井もチェックしよう。
掃除の際は、よく絞った雑巾で水拭きをすれば、ニオイの元を落とすことができるそう。尿が付着して色が変わり、尿石になっている部分は専用の洗剤が効果的だと、同社は説明している。
換気扇は月に1回程度、掃除機でホコリを取り除こう。そして年に1、2回は洗剤を吹き付けて汚れを浮かせ、やわらかな布で拭き取るようすすめている。
・換気
換気扇が正常に機能していれば、一定のニオイは除去できるという。換気扇を掃除した後は、しばらくつけっ放しにして空気を循環させよう。また、トイレに窓がある家は、窓も開けるとよりニオイの改善が見込めるとしている。
・消臭グッズ
掃除をして換気扇を回しても、まだニオイが気になる時はトイレ用の芳香剤を利用してみよう。好みの香りでトイレが心地よい空間に変わるはず。なお、芳香剤の香りが苦手な場合は、無香性消臭剤の使用をすすめている。