「ごもっとも」とは、相手の話す内容を肯定する際や、相づちによく使われる言葉です。

本記事では「ごもっとも」の詳しい意味や、「ごもっともです」「ごもっともでございますが」などを含む具体的な例文、使い方をわかりやすく紹介。漢字表記や類語もまとめました。

  • ごもっともとは

    「ごもっとも」の意味や使い方と例文、類語などを紹介します

「ごもっとも」の意味とは

「ごもっとも」とは「その通りです」と、相手の言っていることを肯定する意味合いの言葉です。

道理にかなっていることや、なるほどその通りだと思えることなどの意味を持つ「もっとも」に、接頭語の「ご」をつけることで美化語となっています。

「ごもっとも」は相手を敬う丁寧な言葉です。

「ごもっとも」は敬語?

「ごもっとも」は前述のように、「もっとも」に接頭語の「ご」をつけて丁寧にした美化語です。敬語であり、目上の人に対して使用することができます。

なお美化語とは、文部科学省内に設置されている文化審議会(国語分科会)が定める「敬語の指針」に記載された、5つの敬語区分のうちの一つです。

「ごもっとも」の漢字表記は?

「ごもっとも」は漢字では「御尤も」と書きます。

「尤も」と「最も」は同じ語源を持つ言葉とされていますが、「道理にかなっている」という意味では「尤も」が、「この上なく、一番」という意味では「最も」が使われるのが一般的です。

ただし「尤」は常用外漢字のため、新聞や公的文書では基本的に「もっとも」とひらがな表記されます。

「ごもっとも」のビジネスシーンでの使い方・例文

  • 「ごもっとも」のビジネスシーンでの使い方・例文

「ごもっとも」は、尊敬する上司など、目上の人への賛同の意を表す言葉として最適です。

またこの言葉は、相手の意見を踏まえて自分の意見を述べるときにも使用できます。ここでは「ごもっとも」の具体的な使い方を、例文とともに紹介します。

「ごもっともです」「ごもっともでございます」

相手の意見に賛同して話を進めたい際や、自分への批判が的を得ている際に、「ごもっとも」が使用できます。

例文は以下の通りです。

  • ○○様のおっしゃることはごもっともです。
  • ご指摘について、ごもっともでございます。弁解の余地はございません。

「ごもっとも」は、相手の意見を丁寧に肯定する際に便利な言葉です。

「ごもっともな◯◯です」「ごもっともな◯◯でございます」

「ごもっとも」を名詞の前につけて使用することもできます。

  • それはごもっともなご意見です。
  • ごもっともなアドバイスです。貴重な助言をくださり、ありがとうございます。
  • ◯◯様がお怒りになっているのは、ごもっともなお話でございます。
    この度は私の不手際でご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした。

「ごもっともですが」「ごもっともでございますが」

前述のように、相手の意見を肯定する際に使用する「ごもっとも」。しかし以下のような形で、角が立たないように相手の意見を立てながらも、自分の意見を述べる際に使用することがあります。

  • ◯◯様がおっしゃることもごもっともですが、人員不足のため、対応が難しい状況です。
  • お話は○○の面においてごもっともでございますが、△△の面についても配慮する必要があるかと存じます。

「ごもっとも」の類語・言い換え表現

  • 「ごもっとも」の類義語

ここでは、「ごもっとも」の類語や言い換え表現について紹介します。それぞれ細かなニュアンスが異なるため、適切な使い分けが大切です。

おっしゃるとおり

「ごもっとも」の言い換えにおいて、ほとんど同じニュアンスで「おっしゃるとおり」を使うことができます。

「おっしゃるとおり」は「言う」の尊敬語である「おっしゃる」と、同じ状態や方法であることを表す「とおり(通り)」が合体した表現です。目上の相手の意見を持ち上げ、肯定します。

例えば「◯◯様のおっしゃるとおりです。私もその方法がベストだと考えています」とすると、自分もその意見に同調している様を表現できるでしょう。

まったく同感

「同感」とは文字のごとく、同じように感じること、賛成であることを意味します。「まったく」は、ある事柄を強調する意味があります。

相手の意見に対して、自分も同じ意見を持ち、納得した際には「私もまったく同感です」といえば、「ごもっともです」と同じニュアンスを表現できます。

無理もありません

「無理もありません」は「無理」を「ない」で打ち消した「無理もない」を丁寧にした言葉です。

「無理」は物事の道理が通らないこと、難しいことなどを意味しますが、それが否定されることで、当然であるという意味になります。

「○○様がお怒りなのはごもっともです」という文章は、「○○様がお怒りなのは無理もありません」と言い換えることができます。

「ごもっとも」と比べると少し遠回しなニュアンスですが、相手に沿う意思を示す言葉です。

当然

「当然」の意味は、道理にかなっていること、そうなるのがあたりまえであること、です。

「○○様がお怒りなのはごもっともです」という文章は、「○○様がお怒りなのは当然です」と言い換えることができます。

ただし、相手の話を聞いた際に、話の内容が自分の意見と相違無いと感じて「それは当然ですね」と相づちを打つのは注意が必要です。「それは常識だ」「そんなこと、言われなくても分かっている」という嫌みだと捉えられる可能性があり、失礼になってしまうかもしれません。

「ごもっとも」の使い方を覚えておこう

「ごもっとも」は、相手に賛同の気持ちを伝えられる丁寧な言葉です。

目上の人に対して使用する言葉なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などとのやりとりに使用できます。会話の潤滑油として、効果的に使用しましょう。