日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’23』(毎週日曜24:55~)では、詐欺に手を染めた少年と追い詰められる被害者を追った『まやかしの子~特殊詐欺事件の孤独~』(テレビ新潟制作)を、きょう23日に放送する。

  • 90万円をだまし取られたヨシエさん

昨年、息子を装う電話がかかってきたのは、新潟市のマンションで一人暮らしをしているヨシエさん。「子どもの苦しさは我慢できなかった…」と、離れて暮らす息子が困っていると信じ、現れた若い男に現金90万円を渡した。それは、特殊詐欺だった。ヨシエさんは末期がんを患っていて、90万円は家族のために用意していた自らの“葬儀代”だった。「なんであんなバカなことをしたんだろう」といまも自分自身を責め続けている。事件には“見張り役”として17歳の少年が関わっていた。

全国に先駆けて「特殊詐欺再非行防止指導」を行ってきた長岡市の新潟少年学院。ここに入所したユウヤさんは、特殊詐欺事件に加担していた。サッカーの特待生として高校に入学。ケガで挫折し、事件に関わることで「人生をめちゃくちゃにしたかった」という。またダイキさんは、いわゆる“闇バイト”に応募し、「受け子」として詐欺グループに加担。取材に対し「バイト感覚というか、軽い感覚でできるような簡単なことだった」と告白した。

千葉県成田市の住職のもとには、特殊詐欺事件の被害者からの相談が相次いでいる。中には家族と断絶したまま亡くなる被害者や、自殺を考える被害者もいる。住職は「なぜ被害者が死を選ばなければいけないのか。特殊詐欺はそこまで追い込む事件だ」と訴える。

自責の念を抱え自分自身を追い詰める被害者。短絡的な動機で詐欺に加担する少年たち。この番組は双方にカメラを向け、人生を狂わせる特殊詐欺事件の“その後”を描く。

  • 特殊詐欺について告白する少年

  • 「特殊詐欺再非行防止指導」を受ける少年たち

  • 被害者を支援する住職