【横須賀 観光スポットレポ】森崎神社-剣の神と相撲の祖

横須賀市森崎にある「森崎神社(もりさきじんじゃ)」をご紹介します。

森崎2丁目、平作川沿いの静かな住宅街に鎮座されています。すぐ隣には妙覚寺があります。

京浜急行の北久里浜駅から徒歩14分、JR横須賀線の衣笠駅から徒歩21分、また、衣笠駅から京急バス「JR久里浜駅行」を利用して公郷一丁目のバス停で下車、徒歩8分です。神社の前には駐車スペースもあります。

御祭神は「武甕槌命(たけみかづちのみこと)」と「蔵王権現(ざおうごんげん)」、摂社には稲荷神社もあります。

武甕槌命は剣の神とされます。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が国を造り、その後たくさんの神を生んだ「神産み」の際に、伊邪那美命は火の神である加具土命(かぐつち)を生んだ際に火傷して命を落とします。怒った伊邪那岐命は十束剣(とつかのつるぎ)で加具土命の首を切り落としてしまいました。その際に飛び散った血から生まれた三神の一柱が武甕槌命です。また、「出雲の国譲り」において天から地上に降り立ち当時地上を治めていた大国主神(おおくにぬしのかみ)に国を譲るように迫った際に、海に十束剣を海に逆さまに突き立て、尖った先端の上にあぐらをかいて座っていたというエピソードが有名です。また、国譲りの際に大国主神は決断を子供達に託しました。事代主神(ことしろぬしのかみ)は譲る事をすぐ受け入れましたが、建御名方神(たけみなかた)は力比べを挑みました。武甕槌命は腕を剣に変えてこの戦いに圧勝し、国譲りが成立します。この時の闘いは相撲の起源とされています。

修験道の本尊として知られている蔵王権現は釈迦如来(しゃかにょらい)、千手観音(せんじゅかんのん)、弥勒菩薩(みろくぼさつ)の三尊の合体したものとされます。飛鳥時代の呪術者で修験道の開祖である役小角(えんのおづの)が金峯山での修行中に出現させたと言われています。

元々、森崎2丁目に鹿鳴大明神があり、武甕槌命が祀られていました。そして同じく2丁目内に蔵王権現が祀られていました。その後、大正時代に一村一社の令が出され、この地域の神社は横須賀市小矢部にある衣笠神社へと合祀されました。その後、衣笠神社まで参拝に行くのは不便だという事で森崎に戻される事になったのですが、その時には元々あった場所にはJR横須賀線が横須賀駅から久里浜駅にまで延長されていたことで戻せなくなり、現在の場所に鹿鳴大明神と蔵王権現が遷宮され、森崎神社として新しく作られたという経緯があります。

鳥居をくぐり、本殿へつながる階段の途中には三猿(見ざる言わざる聞かざる)があります。

階段を上がると左右に狛犬、正面に本殿です。

本殿に対して左側に稲荷社があります。元々の鹿鳴大明神、蔵王権現が祀られていた所にそれぞれ稲荷社があったのでしょうか?こちらに遷宮されたときに新たに作って三社あるのではと思われます。

このような地元の方々の氏神様、産土様として参拝されている小さな神社も多いですが、それぞれの神社にも色々な歴史がありますね。鎮座されている神様の逸話などを知っておくとまた参拝も楽しくなるかと思います。お近くに行かれた際にはぜひ参拝してみてくださいね。

施設紹介

【森崎神社】

住所:神奈川県横須賀市森崎2丁目5