JR東日本は21日、バリアフリー設備に関する整備を推進すると発表した。この中で、2023年度のホームドア整備計画について、すでに公表している12駅24番線に加え、南武線・常磐線(常磐緩行線)の6駅12番線をさらに整備することを明らかにしている。

  • JR東日本がバリアフリー設備の整備を推進すると発表。写真は立川駅の南武線ホームに設置されたホームドア(JR東日本提供)

ホームドア整備に関して、世界的な半導体不足の影響により、依然として必要な部材の一部に調達の遅れが発生しているとのことだが、JR東日本は今後も部材の調達状況を見極めながら、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、2031年度末頃までに東京圏在来線の主要駅330駅758番線にホームドアの導入をめざす。

2023年度、JR東日本は京浜東北線の大宮駅(1・2番線)、中央総武緩行線の東中野駅(1・2番線)、南武線の登戸駅(1・3番線)など12駅24番線(線区単位)でホームドアを整備すると発表していたが、新たに6駅12番線を追加。南武線の稲城長沼駅、南多摩駅、常磐緩行線の天王台駅、取手駅、金町駅、亀有駅でもホームドアが整備されることになった。ホームドアの整備に合わせ、くし状部材を各番線2カ所に設置し、車両とホームの段差・隙間縮小にも取り組むとしている。

  • 相模線車両(E131系)と車両側面カメラ(JR東日本提供)

その他、ホーム上における安全の取組みとして、車載ホームモニタシステムを活用し、利用者が列車に接近した状態をカメラの画像から検知して乗務員に通知するシステムを相模線車両にて開発している。荷物等が列車のドアに挟まったことをレーザーセンサーなどで検知する技術開発や、利用者がホームから転落した場合に画像認識技術・AIを活用して認識し、事故防止につなげる技術開発も進めている。

聴覚障がい者をはじめとする駅利用者の安全安心な鉄道利用と、共通の体験を通したDE&Iへの相互理解の促進を目的に、富士通、大日本印刷と協働し、駅に流れるアナウンスや電車の発着などの環境音を文字と手話で表現する「エキマトペ」も開発。2021年9月に巣鴨駅、2022年6月に上野駅で実証実験を行い、障がいの有無にかかわらず同じように情報を受け取れる取組みとして、「デジタルサイネージアワード 2023」で準グランプリを受賞した。

  • 2022年6月、上野駅で行われた「エキマトペ」実証実験(JR東日本提供)

  • 青梅線などで乗務員が乗降を手伝う取組みも実施(JR東日本提供)

車いす利用者の乗降に関して、乗務員が乗降を手伝う取組みを2022年3月から開始。現在、青梅線や千葉県内を走る内房線・総武本線などで取組みを拡大しており、各線区で対象となる駅において、乗降を手伝えるようになっているという。