国土交通省が都市鉄道の混雑率調査結果(2022年度実績)を公表。各都市圏の路線における最混雑区間の混雑率も公開した。都内の地下鉄も混雑が増し、東京メトロ南北線で混雑率140%となったほか、東京メトロ・東京都交通局の多くの路線で130%以上の混雑率となった。

  • 東京メトロ南北線の車両9000系

東京メトロ南北線の最混雑区間は駒込駅から本駒込駅まで。2021年度の混雑率は121%で、東京メトロの路線では東西線(2021年度の混雑率128%)、日比谷線(2021年度の混雑率127%)、千代田線(2021年度の混雑率126%)に次ぐ数値だった。

2022年度、南北線の混雑率は140%となり、東京メトロの路線で最も高い数値に。内訳を見ると、輸送力は前年度と同じ(1万6,834人。8~9時に6両編成の列車19本を運転)だが、輸送人員は2021年度の2万232人に対し、2022年度は2万3,568人に増加している。

東京メトロは他の路線も前年度より混雑が増加しており、2022年度の混雑率130%以上の路線も多かった。千代田線は町屋駅から西日暮里駅まで混雑率139%、東西線は木場駅から門前仲町駅まで混雑率138%、日比谷線は三ノ輪駅から入谷駅まで混雑率135%、副都心線は要町駅から池袋駅まで混雑率132%、有楽町線は東池袋駅から護国寺駅まで混雑率131%に。なお、東京メトロで2022年度の混雑率が最も低かった路線は銀座線で94%(赤坂見附駅から溜池山王駅まで)だった。

東京都交通局は全国で最も混雑率の高い路線となった日暮里・舎人ライナー(2022年度の混雑率155%)に加え、都営地下鉄4路線も混雑が増し、うち3路線で混雑率130%以上に。都営三田線が西巣鴨駅から巣鴨駅まで混雑率135%、都営大江戸線も中井駅から東中野駅まで混雑率135%で並んだ。都営新宿線は西大島駅から住吉駅まで混雑率130%となった。

  • 都営三田線は8両編成の新型車両6500形を導入し、6両編成の既存車両を置き換える

都営三田線は2021年度も混雑率131%で、全国的に見ても高い数値だった。その後、8両編成の新型車両6500形がデビュー。6両編成の既存車両を置き換える計画となっている。こうした輸送力増強の効果もあってか、2022年度の混雑率は前年度より4ポイント増にとどまった。一方、都営大江戸線は前年度と同じ輸送力(1万5,600人。7時50分から8時50分まで8両編成の列車20本を運転)で、輸送人員が2021年度の1万8,700人に対し、2022年度は2万1,014人に増加。混雑率も2021年度の120%から15ポイント増え、都営三田線と並ぶ結果となっている。