中京テレビ・日本テレビ系バラエティ番組『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(毎週火曜19:00~)が、11日で放送100回目に到達する。このほど、収録後にMCのヒロミと小峠英二(バイきんぐ)が取材に応じ、スタッフの並々ならぬ努力を称えた。

  • ヒロミ(左)と小峠英二

破格の値段や量の料理もさることながら、何より個性爆発の店主たちのキャラクターが魅力の同番組。時には、スタッフが家族同然に溶け込む姿も名物だ。

これまでの中で特に印象的な店を聞くと、ヒロミが挙げたのは、初回放送の最初の店として登場した「珉珉」(茨城・日立市)。「(ママの)鈴子ちゃんが『騒ぐんじゃねえ』って言って、あれを見たときに『こんなおもしれーんだ!』って小峠と話して、それが放送されて皆さんに見ていただいて、すごい番組だなと思いましたね。鈴子ちゃんと出会ってなかったら、『オモウマ』も最初にバーンと(好スタートで)行かなかったんじゃないかなと思います」と振り返る。

  • 鈴子ママ

小峠が挙げるのは、スタッフが毎度帰り際に、はく製や巨大な置物をお土産にもらう「そば処ふくろう」(山形・鮭川村)。「毎回もう流れが一緒なんですよ。帰るって言ったら店の奥に入って、すりガラスから何か物を持ってくるのが見える(笑)。あの瞬間が非常にワクワクして、想像を超えてくるんです」と虜(とりこ)になっている。

ヒロミが「あの人は必要なものを惜しいけどあげるって言ってるのか、本当はいらなくてあげてるのか、分かんないんだよな」と指摘すると、小峠は「そこの絶妙なラインもいいんですよね」と、魅力を分析。もらったものは、中京テレビの制作フロアに展示されているが、ヒロミは「中京テレビのロビーとかに飾って公開しろって言ってるんですよ。世の中に水牛の角見たい人、いっぱいいるでしょ(笑)」と提案しているそうだ。

  • 「ふくろう」の店主

  • 中京テレビの制作フロアに展示される「ふくろう」のお土産

そうした個性的な店主たちを見つけるスタッフを、2人はそろって称賛する。

ヒロミは「僕らはV(TR)を見て好きなことを言うという、言い方は悪いんですが、本当に楽な仕事なんですよ(笑)。だからこれはもう本当にスタッフさんの頑張りでここまで来たと思います。本当によくぞ100回もいろんなお店を見つけたなと思います」と感服。「1日、2日のロケじゃなくて、1週間、2週間、もっと長く行って、その人の家に泊まらせてもらって。『泊まってけ』って言われて泊まれるのもすごいし、店主さんたちが『放送されなくても、あなたと出会ってこの何日か楽しかった』というほどの信頼関係で成り立ってる番組ですよね。僕らの感覚で今までやってきたテレビの作り方とちょっと違うなと思います」と、長年テレビに出る立場から分析する。

ヒロミはこの番組をやるようになって、『オモウマい店』に登場しそうな店に入ってみたことがあったそう。「見た目がアジアンで、ちょっと古ぼかしくて、あんまり外観とかを気にしてない店が近所にあったから、それ食べに行ったら、普通だったんだよ(笑)」と、改めてスタッフの足で稼ぐ努力を実感したようだ。

小峠も「最初のほうはただ面白いなという感じだったんですけど、感動に行ったり、(駐車場の)白線の薄い店とか、店前に花がある店とか、手を変え品を変えでよくこんなに見つけてくるなあというのが、率直な感想ですね。これはもう本当にスタッフさんの頑張りようとしか言いようがない。それと、店主さんたちの素晴らしい人間性に尽きるんだろうなと思います」と感謝。

さらに、「グルメ番組って多々あると思うんですけど、店主さんの人間性にスポットを当てたのが斬新ですよね。出てきた料理が美味しいか、値段が安いかっていうところしか視点がなかったところを、作ってる店主さんの人間性とか、どうやってこのお店ができたのか、どんな苦労があったとか、歴史やバックボーンにまで切り込んだというのが見たことのない番組で突き刺さったんじゃないかなと思います。ヒロミさんもおっしゃったように、店主さんとの信頼関係がないとそこまで引き出せることはないので、スタッフさんのガッツがないとなかなかできないと思います」と、番組の人気の秘密を捉えた。