戦国武将・明智光秀が築いた城下町として知られる京都府福知山市。京都府北部に位置し、京都府・南丹市に次いで京都府内では3番目に大きなこの街は、歴史の魅力溢れるエリアです。また全国的に名の知られる店も多い「スイーツのまち」そして「肉のまち」としても注目を集めています。

京都府観光連盟による「もうひとつの京都」を紹介するプレスツアーより、「福知山」の楽しみ方をご紹介します。

福知山へのアクセスは?

若狭湾にもほど近く、兵庫県に隣り合う京都北部に位置する福知山市へのアクセスは、JR京都駅より約1時間20分、JR大阪駅からは約1時間40分。

  • JR・京都丹後鉄道福知山駅、駅舎は福知山踊りの笠をモチーフにしているという

自動車では京都市より約90分(舞鶴若狭自動車道・京都縦貫道・名神高速道路)、大阪市より約90分(舞鶴若狭自動車道・中国自動車道・阪神高速池田線)と、京都や大阪旅行に組み合わせたショートトリップもしやすい距離感。また天橋立や伊根の舟屋、城崎温泉など北近畿エリアの観光拠点としても便利なエリアです。

石垣にも注目!?「福知山城天守閣」

福知山市のシンボルが、明智光秀が築いた「福知山城」。由良川のほとりに建つこの城は、その景観の美しさから「日本の歴史公園100選」「京都府景観遺産」にも登録されています。

  • 福知山城天守閣

織田信長の命を受け、天正7(1579)年に丹波を平定した明智光秀により西国攻略の拠点として福知山城と城下町がつくられました。「福知山」という名前も、明智光秀の「智」の字を用いて名付けられたと伝えられています。

明治6(1873)年の廃城令で石垣と銅門(あかがねもん)番所以外は取り壊されてしまいましたが、市民による瓦一枚分=3000円を一口とする寄付「瓦一枚運動」により、昭和61(1986)年には3層4階の天守閣が再建されました。

  • 石垣にも注目

天守閣を訪れた際に注目したいのは「石垣」。大小さまざまな形状の石垣は、「野面積み」という自然石をそのまま積み上げる方法でつくられていますが、よく見ると墓石や石仏が……。築城の際に石が不足し、寺院の石塔や墓を破壊して集められた「転用石」は、その数500点以上。転用石を探して天守閣を見上げながら散策するのも楽しみ方のひとつです。

また昨年は第35期「竜王戦」七番勝負の第4局が、ここ福知山城天守閣で開催。藤井聡太竜王と挑戦者の広瀬章人八段の対局はもちろんのこと「スイーツのまち」らしく「勝負スイーツ」にも注目が集まりました。

  • 天守閣4階の展望室からは福知山の城下町が一望できる

天守閣内には、初代福知山城主である明智光秀や歴代城主の資料が展示されています。階段を登った先には、丹波の山々に囲まれた福知山の城下町が一望できる展望室が。

また福知山城を訪れたら「御城印」を集めてみては? 京都府中部地域の城や城跡では「御城印」が販売されているところも。お城ごとに特色溢れる御城印は、旅行の思い出に残るお土産になりそうです。

  • 明智光秀が治水のために作った「明智藪(蛇ケ端御藪)」

福知山城の北側には、由良川と土師川の洪水被害を防ぐために明智光秀が作ったと伝えられる「明智藪(蛇ケ端御藪)」が広がります。福知山は昔から度々由良川の氾濫に悩まされてきたそう。約500mの堤防は現在は一部を残すのみとなっていますが、名君として領民に愛された明智光秀の功績がわかる場所のひとつです。

福知山城
住所:京都府福知山市字内記5番地
入館料(福知山城天守閣):一般券おとな330円・こども110円、団体料金あり、福知山市佐藤太清記念美術館の入館料とセットの共通券あり
営業時間:福知山城天守閣は9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)/12月28日~31日/1月4日~6日
アクセス:JR・京都丹後鉄道「福知山駅」から徒歩約15分
公式サイト:福知山城

「スイーツのまち」福知山

福知山は「スイーツのまち」としても注目を集めています。京都の食材を使ったり、世界的に有名なシェフが手掛けるお店も。なかでも福知山を訪れたらチェックしたいお店をご紹介します。

絶品の丹波栗スイーツなら「足立音衛門」

福知山城からほど近い場所にある「足立音衛門 京都本店」は、丹波栗をはじめとした栗をつかった様々なスイーツを扱う焼き菓子店。

  • 栗のテリーヌ「天」※価格は2022年11月時点のもの

粒よりの丹波栗とヨーロッパ種の栗を使った栗のテリーヌ「天」は、しっとりとした生地に大粒の栗を惜しみなく詰め込んだ一品。約650gのテリーヌのうち、栗の重量はなんと400g!最高級のフランス産ラヴィエットバターや讃岐和三盆、沖縄粟国の塩など、厳選された素材を使った「おとえもん」さんのとびっきりの夢をかたちにした焼き菓子だそう。

他にも栗のテリーヌやパウンドケーキ、どらやき、フィナンシェなど様々な栗の焼き菓子が揃います。収穫量が少なく希少なブランド栗「丹波栗」は、古くから愛されてきたこのエリアならではの素材。福知山旅行のお土産にぴったりなお菓子です。

  • 京都府の指定文化財「旧松村家住宅」に店舗を構えている

また「足立音衛門」を訪れたら、その重厚なお店の雰囲気にも魅了されるはず。大正時代の建築美を今も伝える京都府の指定文化財「旧松村家住宅」にお店を構えており、敷地内には洋館や茶室、御殿なども。四季折々の雰囲気が楽しめる庭は自由に散策することができます。

足立音衛門 京都本店
住所:京都府福知山市内記44?18
営業時間:9:00~18:30
アクセス:JR・京都丹後鉄道「福知山駅」から徒歩約20分、最寄りのバス停は福知山城公園前もしくは市役所前(福知山市)
公式サイト:足立音衛門

世界一のショコラの味は?「洋菓子マウンテン」

権威あるチョコレートの世界大会「ワールドチョコレートマスターズ2007」で優勝した水野直己シェフが代表を務める「洋菓子マウンテン」は、地元の方からも、チョコレートが大好きな方からも愛される名店です。

  • ワールドチョコレートマスターズ2007受賞作品「杏と塩」※価格は2022年11月時点のもの

ワールドチョコレートマスターズ2007受賞作品を販売用にアレンジした「杏と塩」は、ミルクチョコレートに杏子のリキュールを合わせたショコラ。キラキラと輝く塩は厳選された「死海の塩」で、杏子の甘い香りから、カカオのボリューム、そして塩でそれらがサッと消える、という味覚の流れをつくる鍵だそう。

すっきりとした味わいは何粒食べても飽きがこないので、常連のお客さんから「ボックスが欲しい」というリクエストが寄せられて商品化されるほど。

  • 「洋菓子マウンテン」水野直己シェフ

敷地内のチョコレート工房&ショップ「CELLAR DE CHOCOLAT(セラー・ド・ショコラ)」には、こだわりのショコラがずらりと並びます。

「チョコレートは趣味、ケーキは福知山の人が食べるお菓子」と話す水野シェフ。1978年創業の「洋菓子マウンテン」は、水野シェフが先代の父親から引き継いだ店舗で、今も昔もお客さんは変わらないそう。

なかでも創業時から焼き続けている定番の「チーズケーキ」は、地元ではバースデーケーキといえばこのケーキと言われるほど。福知山で長く愛されるふわふわのスフレチーズケーキは、併設されているカフェでも楽しめます。

洋菓子マウンテン
住所:京都府福知山市猪崎小字山本322
営業時間:11:00~18:00、カフェ・スペースのラストオーダー17:30
定休日:水曜日・不定休
アクセス:JR・京都丹後鉄道「福知山駅」から徒歩30分、最寄りのバス停は京都交通川北線/三段池線「三段池」
公式サイト:洋菓子マウンテン

「肉のまち」福知山

かつて西日本三大家畜市場のひとつがあり食肉流通を支えてきた福知山市は、「肉のまち」でもあります。焼肉やステーキなどを市内の飲食店で楽しむことはもちろん、肉やジビエに関連するイベントが開催されることも。

  • 福知山市の西部・夜久野町でつくられる「猟師の厨房 健太郎の京都ジビエ」

農作物を荒らす有害鳥獣は全国的にも問題となっていますが、自然豊かな福知山では狩猟したシカやイノシシをジビエとして活用する取り組みも行っています。福知山・夜久野町でつくられる「猟師の厨房 健太郎の京都ジビエ」は、一流の料亭で扱われたりANAグループ(ANAあきんど、ANA X)とコラボもしているそう。

  • 福知山駅前に店を構える肉料理店「ku-nel(クーネル)」

また、市内には多くの肉料理店が店を構えます。昼はランチやスイーツを、夜はお肉を堪能するのも福知山の楽しみ方。福知山駅前に店を構える「ku-nel(クーネル)」は、福知山出身のシェフによる料理店。

  • 「濃厚卵黄で食べる炙りすき焼」

サーロインやヒレ、イチボなどを100gから50g単位でオーダーしたり、「濃厚卵黄で食べる炙りすき焼」「牛肉のカルパッチョ」など、様々な肉料理が味わえます。またテイクアウトで「京都奥丹波カヌレ」も販売しているので、お土産やホテルに帰ってから夜のおやつとして楽しんでも。

ku-nel(クーネル)
住所:京都府福知山市駅前町196?4
営業時間:17:00?23:00(L.O:フード 21:30/ドリンク 22:30)
アクセス:JR・京都丹後鉄道「福知山駅」北口から徒歩約2分
定休日:木曜日
公式サイト:ku-nel


歴史好きもグルメ好きも満足できる福知山の魅力はこれだけではありません。「酒呑童子」をはじめとした鬼伝説が残る大江山の雲海や、地元でつくられたそばを使用した「夜久野そば」など、楽しみ方は盛りだくさん。京都市内や大阪から足を伸ばして、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。