京都鉄道博物館は29日、JR四国「ゆうゆうアンパンマンカー」の特別展示を開始し、同日に報道公開を実施した。今月、「アンパンマン列車」の利用者が累計100万人に到達したことを記念し、京都鉄道博物館での特別展示が企画された。
「ゆうゆうアンパンマンカー」は、JR四国が展開する「アンパンマン列車」の第3弾として、2002(平成14)年10月にデビュー。同車は新製車両ではなく、国鉄時代に製造されたキロハ186形2号車からの改造車である。
現在は高徳線・徳島線の特急列車で活躍中。土休日や夏休み期間などを中心に、高徳線の下り「うずしお9号」(高松駅10時8分発・徳島駅11・22分着)、徳島線の下り「剣山5号」(徳島駅12時0分発・阿波池田駅13時17分着)・上り「剣山8号」(阿波池田駅14時30分発・徳島駅15時44分着)に「ゆうゆうアンパンマンカー」が連結される。
外装は黄色を主体としており、窓下に『アンパンマン』のキャラクターが並ぶ。車両中央部に特大のアンパンマン、反対側の車両中央部にばいきんまんが描かれている。車内は中央部で仕切られ、普通車指定席と、半室グリーン車を改造したプレイルームで構成される。プレイルームは「ゆうゆうアンパンマンカー」普通車指定席の乗客のみ使用できる。
プレイルームの遊具は柔らかい素材を用い、こどもたちが安心して遊べるよう工夫している。こうした配慮もあり、デビュー以来、プレイルームで怪我した子はいないという。
普通車指定席のシート生地は緑色を主体としており、アンパンマンがよく目立つ。座席以外も至る所に『アンパンマン』のキャラクターが描かれ、中には見慣れないキャラクターも。天井を見上げると、ひらがなで記された「ゆうゆうアンパンマンカー」の停車駅が目に入ってくる。
普通車指定席の端に販売コーナーがあり、「アンパンマン弁当」など販売。おむつ交換や授乳などに対応した「ベビールーム」も車端部にある。「ゆうゆうアンパンマンカー」は安全面に重きを置きながら、こどもたちが鉄道旅行を楽しめるように、あらゆる工夫が施されている。
JR四国によれば、京都鉄道博物館での特別展示に向けて、高松駅から電気機関車EF65形が「ゆうゆうアンパンマンカー」を牽引したという。「ゆうゆうアンパンマンカー」の展示以外にも、「アンパンマン列車」の模型や紹介パネルを用意しており、JR四国の熱意が伝わる内容となっている。
「ゆうゆうアンパンマンカー」の特別展示は、京都鉄道博物館の本館1階「車両のしくみ / 車両工場」エリアにて7月11日まで開催。期間中、車内を公開するほか、特急「しおかぜ」の「アンパンマンシート」を模した記念撮影用のシートを使って撮影も楽しめる。
6月30日と7月1・2・7・8・9日(展示期間中の金・土・日曜日)、10~16時に臨時売店も開設。水筒付きの「アンパンマン弁当」と「げんき100ばい! アンパンマン弁当」の2種類を各50個限定で販売する。弁当はなくなり次第、販売終了するとのことだった。