昨年末、お笑いコンビ・井下好井を解散した好井まさお。現在はピン芸人、俳優として幅広い活動を行っているが、自身がパーソナリティを務めるTBS Podcast『N93 好井まさおの「今、何してる?」』(毎週水曜19:00〜配信、以下『今なに』)には特に強い思いを持っているという。

なぜ、好井はラジオという媒体にこだわるのか。その動機を掘り下げていくと、生粋の喋り好きという性格、“ラジオの帝王”こと伊集院光ら憧れの芸人像、同期であるパンサー・向井慧からの後押しなどのキーワードが浮かび上がった。

  • 好井まさお 撮影:冨田味我

■あんな人生いいなって憧れちゃいますよね

今年4月にスタートした、TBS Podcastの新企画『N93』。この企画では好井のほか、きしたかの、パンプキンポテトフライ、カラタチ、金の国がそれぞれ、月曜から金曜までの各曜日に配信される番組を担当。各番組のPodcastやYouTubeの再生数、イベントグッズの販売数、スポンサー獲得を独自にポイント化した結果が毎月番組内で発表され、年間を通して、もっとも高いポイントを獲得した芸人が、TBSラジオの地上波枠を勝ち取ることができる。

――好井さんは「ラジオをやりたい」とずっとおっしゃっていましたよね。『今なに』が始まると聞いて、願望を口にする大切さを改めて感じました。

家の近所にある神社にほぼ毎日行ってたんですよ。去年の誕生日から300日くらい、家族の健康、周りの人たちの健康、『M-1』のことをお願いしながら、「ラジオを一個決めてください」って。漫才の次、何に焦点を当てて生きるかっていうと、やっぱりラジオでしたね。

――それはご自身の生活でもラジオを聴いてきたからですか?

もともと、伊集院さんの『深夜の馬鹿力』が生きる糧やったんです。「空脳アワー」ってコーナーがめっちゃ好きで。まず、“空脳”っていうワードを聞いたことないし、コーナーの切り口も他で聞いたことない角度やし、『世にも奇妙な物語』みたいな怖いようで不思議な話がいっぱい詰まってて。

そのコーナーがきっかけで聴き始めたら、伊集院さんの話し方がめっちゃ心地良かったんです。ただ、家からどこか店に行くまでの話を40分くらい喋るんですけど、伊集院さんがその日聞いた音が聞こえてくるし、匂いもしてくるくらいの臨場感があって。いまだに一番ハマってるラジオって言ったら、『深夜の馬鹿力』ですね。

あとは、オードリーさんの『オールナイトニッポン』は1回目から聴いてましたし、山里さんの『不毛な議論』も聴いてます。

――どの番組もパーソナリティの方の日常を知れる魅力があるように思います。

絶対にマネはできないんですけど、あんな人生いいなって憧れちゃいますよね。僕、お喋りが好きやから、今まで1時間のトークライブを多いときは月に2回やってたんです。渋谷の劇場で1時間、沼津の劇場で1時間、全く違う話題を喋るっていう。でも、2時間ひとりで喋っても全然足りひん。話したいことが喋りきれないんですよ。

――でも、ラジオだと週に1回喋るチャンスがある。

そうなんです。だから、絶対に終わらせたくない。どんな汚い手を使っても……

――汚い手はやめておきましょう(笑)。

ルールにのっとって、どんな手を使っても……。再生数が少なかろうが、スポンサーを連れてきます。この番組が終わってしまったら、10月から普段収録してる時間に家いられないですよ。もう『N93』も聴けないんで、ポッドキャストのアプリも削除すると思います(笑)。