球界の“渡り鳥”!? すでに3球団以上でプレーしている現役5人。複数回移…

プロ野球 最新情報(最新ニュース)

 プロ野球は、メジャーリーグと比較して移籍が少ないといわれている。しかし、球界を騒然とさせるトレードやFA移籍などは定期的に発生しており、リーグを問わず複数の球団でプレーすることも珍しくない時代になった。そこで今回は、3球団以上でプレーしている現役選手を5人紹介する。(今季成績は27日時点)

 

 

涌井秀章

出身:千葉県

投打:右投右打

身長/体重:185cm/85kg

生年月日:1986年6月21日

ドラフト:2004年ドラフト1巡目

 

 現在は中日でプレーする涌井秀章。自身初のセ・リーグ球団への所属となっているが、波に乗れないチームのなかで自身の役割をこなし続けている。

 

 横浜高校時代から注目を集めるピッチャーだった涌井。甲子園でも見事なピッチングを披露し続け、西武に入団。ただ、プロ初先発は3イニングを投げきれず7失点を喫した。

 

 

 それでも、2年目からプロの世界に適応し二桁勝利(12勝)を記録。3年目にはさらなる成長を見せ、沢村賞に輝くなど西武のエースとして2008年のリーグ優勝にも貢献した。

 

 しかし、安定感に欠けるピッチングが増えたこともあり、2012年より抑えに転向。ただ、涌井は先発起用にこだわりを持っていたこともあり、先発起用を名言したロッテにFA移籍した。

 

 ロッテで6シーズンを過ごし、2020年からは楽天に加入。NPB史上初となる3球団での最多勝を達成した。

 

 そして、22年オフには阿部寿樹とのトレードで中日の一員に。ここまで3勝7敗ながら、防御率3.42と先発ローテーションの一角として一定の結果を残している。

炭谷銀仁朗

出身:京都府

投打:右投右打

身長/体重:181cm/98kg

生年月日:1987年7月19日

ドラフト:2005年高校生ドラフト1巡目

 

 ベテランと呼ばれる域に突入し、数々の経験を重ねてきた選手が炭谷銀仁朗だ。

 

 平安高校(現:龍谷大平安高校)では通算48本のアーチを描き、強打の捕手という評価を受けていた炭谷。高校生ドラフト1巡目で西武から指名を受けた。

 

 

 オープン戦での活躍が認められ、高卒新人ながら開幕戦でスタメン出場。鮮烈なデビューを飾った一方、その後は打撃・守備の両面でプロの壁に苦しんだ。

 

 2011年から正捕手の座を獲得し、毎年100試合以上に出場。ただ、森友哉(現:オリックス)の台頭も影響し出番が少なくなると、FA権行使を決断し巨人へ移籍した。

 

 とはいえ西武時代ほどの存在感はなく、大城卓三らの活躍で出番も限られ、思うような成績は残せなかった。

 

 巨人での3シーズン目を迎えた2021年途中、金銭トレードで楽天への移籍が発表。まさかの移籍に大きな注目が集まった。浮上のきっかけを掴めないチーム状況の中で、経験豊富な炭谷にかかる期待は大きい。

大田泰示

出身:広島県

投打:右投右打

身長/体重:188cm/96kg

生年月日:1990年6月9日

ドラフト:2008年ドラフト1位

 

 巨人では苦しんだものの、移籍によって開花した大田泰示。今シーズンは不本意な成績になっているが、DeNAがリーグ優勝を目指す上で欠かせない存在になるだろう。

 

 高校通算65本塁打に加えて俊足も持ち合わせていた大田は、大型内野手という触れ込みでスカウトから高く評価されていた。複数球団がドラフト上位候補に挙げていた中、巨人への入団が決定。

 

 

 しかし、巨人時代に放った本塁打はわずか2本。未完の大器は日本ハムに移籍すると、移籍初年度に規定打席へ到達し、二桁本塁打を記録。一気にレギュラー格となると、20年にはゴールデングラブ賞を獲得した。

 

 日本ハムで見事な活躍を見せた大田は、2022年よりDeNAの一員に。スタメン出場は決して多くなかったが、少ない出場機会で確かな結果を出した。

 

 今季はここまで打率1割台前半と低迷しているが、タイラー・オースティンが負傷で一軍から離脱したため、今後は出場機会が増えることも考えられるだろう。

中島宏之

出身:兵庫県

投打:右投右打

身長/体重:180cm/90kg

生年月日:1982年7月31日

ドラフト:2000年ドラフト5位

 

 実績十分ながら、今季は現時点で1軍出場のない選手が中島宏之である。

 

 伊丹北高校では通算43本のアーチをかけ、プロからも注目される選手に。甲子園とは無縁の高校ながら、ドラフト5位で西武に入団した。

 

 

 入団直後は守備の安定感に欠ける部分もあったが、徐々に克服して打撃も成長。自己最高の打率.331を残した2008年を筆頭に、打率3割・20本塁打に近い成績を残し続けた。西武で11年間プレーしたのち、メジャー挑戦を経て2015年にオリックスへ加入。

 

 オリックスで一定の成績を残した一方、契約更改で球団と折り合いが付かなかったため、オリックスを退団し、2018年オフに巨人へ移籍。

 

 勝負強い打撃はいまだ健在だが、今季はまだ一軍出場を果たせていない。しかし、中島の存在が求められる場面は必ずやってくるはずだ。今はその時を待ちながら、2軍で調整を続けている。

公文克彦

出身:高知県

投打:左投左打

身長/体重:173cm/83kg

生年月日:1992年3月4日

ドラフト:2012年ドラフト4位

 

 2度のトレード移籍を経験し、現在は西武でプレーする公文克彦。リリーフ陣の一角を担うが、今シーズンはわずか3試合の登板となっている。

 

 高知高校のエースとしてライバル校である明徳義塾高校を下し、3年夏の甲子園に出場。2試合連続ノーゲームという事態もありながら、甲子園で勝利を収めた。高校卒業後は大阪ガスに入社したのち、巨人への入団が決まった。

 

 

 入団直後からファームで好成績を残したものの、一軍での出番が限られていた公文。2016年シーズンオフにトレードとなり、日本ハムに移籍した。

 

 移籍後は貴重なリリーフ左腕として、2018年は57試合、19年は61試合登板とフル回転。ただ、翌年以降は不安定な投球が続いたこともあり、21年途中に西武へトレード移籍となった。

 

 昨シーズンは18試合の登板にとどまったが、防御率0.00と抜群の安定感を披露。昨季同様のピッチングを見せ、ブルペン陣を支える働きを見せたいところだ。