パナソニックは6月6日、「エオリア」による「2023年 エアコン利用に関する実態調査」の結果を発表するとともに、パナソニック エアーマイスターによる夏の熱中症対策&エアコン節電ポイントを公開した。

  • 今年の夏は節電のため、冷房の利用をガマンしようと思いますか?

「今夏は冷房をガマン」は44%

調査は5月15日〜19日、20代〜60代の男女1,106人を対象に行われた。

まず、今年の夏は節電のために冷房の利用を我慢しようと思うか聞いたところ、9%が「強く思う」、35%が「やや思う」と回答。合わせて44%が今夏の"エアコンガマン派"である事が分かった。

また、昨年のエアコン利用状況について尋ねてみると、「かなりガマンした」が6%、「ややガマンした」が32%となっており、昨夏の"エアコンガマン派"は38%であった。

  • 昨年の夏は節電のため、冷房の利用をガマンしましたか?

続いて、夏のエアコンの設定温度と、理想の設定温度を聞いてみた。すると、実際の設定温度として最も多かったのは「26℃」(17%)であったものの、理想は「25℃」(18%)が最多となっている。設定温度でも"エアコンガマン"の傾向が見られる結果に。

  • 実際のエアコン設定温度と理想のエアコン設定温度

在宅時または睡眠時に常にはエアコンをつけないという人に、我慢する理由を尋ねたところ、いずれも「電気代がかかるから」が最も多く、「冷えすぎるから」が続く。「体に悪いと思うから」「直接風が体に当たるのが嫌だから」という回答も多く見られた。また、睡眠時には、「風邪を引いたり、だるさを感じたりするから」という理由も多かった。

  • エアコンの利用について、在宅時にガマンする理由は何ですか?

  • エアコンの利用について、睡眠時にガマンする理由は何ですか?

夏のエアコン節電のためにしていることを聞いてみると、「設定温度を高くする」が42%で圧倒的に多い結果に。その他には「エアコンフィルターの掃除をする」が26%、「サーキュレーターや扇風機を併用し、冷たい空気を室内に循環させる」「扇風機など他の冷房器具を併用する」がそれぞれ25%となっている。

  • 夏のエアコン節電のためにしていることは何ですか?

エアコンの節電方法の一つに、自動設定を活用する方法がある。風量設定は環境にもよるものの、微風にすると設定温度に至るまで時間がかかり、逆に消費電力が増える事も。しかし、節電方法として「風量を弱めにする」が23%だったのに対し、「オート機能や自動設定で使用する」が13%にとどまる結果となっている。

同社の独自調査では、「自動」と「微風」を比較した際、「微風」は「自動」に比べて設定温度に到達するまでの消費電力が20%高く、到達するまでの時間が6.4分長いという結果も出ているという。

熱中症対策に関する解説では、温度と一緒に湿度も下げる役割も担うエアコンの活用が効果的であるとし、ポイントとして「温度」「湿度」「輻射熱」の3点を挙げている。

エアコンの冷房は、適切な温度に調整することが重要となり、目安は室温28℃。日当たり状況や建物状況などによっても「暑い」「寒い」の感じ方は変わるため、部屋の環境に合わせた室温調節を行う必要もある。都度の温度調整が煩わしい場合には自動運転も活用できる。

室温に温度むらが出ないように、風向きルーバーの調整やサーキュレーター・扇風機などの併用で、なるべく冷たい空気を循環させるようにすることも大切。また、エアコンの機能が低下しないように、フィルターの掃除も定期的に行う必要がある。

窓から入る太陽光は、遮光カーテンや日射遮断フィルムなどで遮るようにすることも重要。

エアコンの節約術としては、サーキュレーターを用いてエアコンの冷房効率を上げる方法を推奨している。

まず、冷房の風は上向きに送ると冷房効率が良くなるほか、冷房の設定温度を下げるよりも風量を強くする方が少ないエネルギーで済むため電気代の節約につながる。

室内に生じた温度ムラを解消するには、サーキュレーターが風を起こして空気を撹拌(かくはん)し、強制的に循環させることが可能なため有効。

サーキュレーターは最大運転時における消費電力が21W程度のものが多く、1時間あたりの電気代は約0.6円が目安となる。最近では省エネタイプも増えているため、さらに電気代を抑えることもできる。

夏の冷房時は、設定温度を1℃上げると消費電力が約13%も削減できるといわれているため、サーキュレーターの併用で設定温度を上げることができれば、電気代の節約につながる。

  • サーキュレーターの上手な使い方

冷房効率を上げるためのサーキュレーターの基本的な使い方は、まずエアコンの下に置き、エアコンと同じ風向きにすること。

サーキュレーターは、たまった冷気の拡散と、エアコンからでは届かない場所に冷気を送ることが本質で、部屋の形状や家具の位置、エアコンの取り付け状況など、使う環境によっては置き方を変える方が良い場合もあるという。

また、長方形タイプの部屋では短い辺に取り付け、ロフトのある部屋ではエアコンと同じ向きとともにロフトの方に向かってエアコンの冷気を送るのがコツとのこと。