俳優の磯村勇斗が2日、都内で行われた映画『渇水』の公開初日舞台挨拶に出席。同作でメガホンをとった高橋正弥監督から絶賛される場面があった。
河林満氏による同名小説を、刊行から30年の時を経て初の映画化。日照り続きの夏、給水制限が発令されていた市の水道局に勤める岩切俊作(生田斗真)の業務は、水道料金滞納家庭や店舗を回っての料金徴収と、水道を停止すること。貧しい家庭を訪問しては忌み嫌われる日々で、妻・子供とも別居中の俊作はある日、停水執行中に育児放棄を受けている幼い姉妹(山崎七海、柚穂)と出会う。自分の子供と重ね合わせてしまう俊作は、自分の心の渇きを潤すように、その姉妹に救いの手を差し伸べる。
この日のイベントには主演を務めた生田のほか、門脇麦、山崎、柚穂、高橋正弥監督、企画プロデュースの白石和彌氏が参加。生田演じる岩切の同僚・木田を演じた磯村は、「本日は数ある映画の中から『渇水』を選んで劇場に足を運んでいただきまして、誠にありがとうございます」と挨拶する。
好きなシーンを聞かれると、磯村は「門脇さんがネイルを塗っているシーン」と回答。「現場でも思ったんですが、本当に“渇ききっている”雰囲気が出ていて。何もしゃべらなくてもすごく説得力がある」とその姿を思い浮かべた。
また、キャスト陣についてトークが展開すると、高橋監督は俳優・磯村勇斗のすごさについて、「ここにいる方々みんな芝居巧者なんですが、磯村さんはセリフがある部分はもちろん、セリフがなくて立っているだけ、見ているだけでも、木田という役の感情を込めて芝居をしていただいた」と分析。「スタッフの中でも“磯村さんは良いところに立っていい芝居をしている”と評判が良かった」と現場の生の声も伝えた。
高橋監督がキャスト一人ひとりを順番に褒めていくと、門脇が「1人ずつこんなたくさんコメントいただけると思ってなかった」といい、キャスト陣はそろって照れくさそうな表情に。しかし、続く白石氏が「全員分、高橋監督が言ったので特にない……(笑)」と苦笑いすると、生田は「特にないはちょっとやだよ?」とツッコミを入れ、笑いを誘っていた。